不安定だった ORB ドライブの修理依頼記
TROUBLE REPORT
修理までのいきさつ
ORB (オーブ) ドライブは、Castlewood Systems 社より発売されている低価格で大容量なリムーバブルハードディスクです。日本では 新日エレクトロニクス(株) が取り扱っています。
ORB ドライブは EIDE 版と SCSI 版の両方が販売されていますので、自分の環境に合わせて購入することができます。ORB メディアも 2.2GB の大容量でありながら、大変手軽な価格です。
このドライブに目をつけたのは、いろいろと実験を行う上で安全に複数の OS を起動し分けられないか、という問題を解決できるのでは?、と思ったからなのです。
そして安価であることも手伝って、すぐに導入しては見たのですが。
しかしいざ使ってみると、まるでハードディスクの不良セクタを読み込んだ時のように、なんだか引っかかる感じの音が頻繁に現れるではないですか。
しかしながらしばらくの間は、安いからこんなものなのだろうと勝手な解釈で使用しつづけていました。結局のところ、ときどきアクセス時間が長めになってしまう以外は特に問題がなかったため、ほうっておいても特に問題はありませんでした。
しかし、Windows 2000 Professional をインストールしたあたりから状況は大きく変わってきました。
Windows 2000 をインストールした ORB メディアがわるかったのか、今まで以上に頻繁にディスクの読み取り障害が発生します。それはインストールの時からだったのですが、インストール時のファイルのコピーの最中でも頻繁に発生し、インストール完了に 6 時間以上も要してしまうといった状況です。
ここまでなると、「あれ、やっぱりこれ(ORB ドライブ)、おかしいのでは・・・」 などと、ようやく疑問をもち始めました。
しかも今回の Windows 2000 の場合、今までとは違う、重大問題が発生しました。
それはいわゆる ”青画面” になり、Windows 2000 が突然ハングアップするという症状があらわれました。しかも1日に1回くらいと頻度が非常に高いことから、これは不良品なのでは?
と、ようやく購入した ORB ドライブに疑問を感じるようになりました。
とりあえず自力で調査
まあ、なにはともあれ、いきなりメーカーに質問攻めは失礼なので、まずは自力でいろいろと調べることにしました。
もちろんドライブを分解というようなことはしません。修理してもらえなくなってしまうので・・・。
まず、ORB ドライブに付属していた説明書の類の読み返しです。
もしかして何か根本的な使い方を間違っていなかったのかなどを調べてみました。メディアはしっかりと押し込んでくれとかかれていたので、もしかして入れ方がまずかったのかとかも思いつつ、とりあえずはちゃんと使用しているようでした。
今ごろ気づいたかという感じですが、説明書を読んでみると、ORB 用のディスクチェックといった診断ツールが付属されていたので、今度はそれを使用してメディアを調べてみることにしました。
Windows 95 を起動し、ORB 診断プログラムをインストールしました。
まずは ORB ドライブが正常に認識されているかを調べてみましたが、ちゃんと認識されているようです。
つづいてメディア自体の不良を調べるソフトも付属していたので、それを使用してみることにしました。
それを使ってみると、なんと、不良が見つかったために正常な部分へデータを引っ越すという対処が頻繁に現れました。現在の Windows 95 がインストールされた ORB ドライブ自体でも 8 個所くらい。
しかも毎日1個所以上は不良として報告されます。
明らかにおかしいので、いそいで純粋なハードディスクに Windows 95 をインストールしなおして、今まで使用していたメディアのチェックをしてみることにしました。
いままでに使用していた ORB メディアは合計 5 枚だったのですが、そのほとんどで不良が発見されるのでした。
これは ORB ドライブがメディアを破壊している可能性が高いのでは?、という結論に至りました。仮にメディアの方がはじめから壊れていたとするならば、買ったメディアのほとんどがこわれていた(こわれた)ということになりますから、その方がはるかに大問題ですが・・・。
新日エレクトロニクスへ連絡
これは明らかに不自然、という結論に至ったので、さっそく日本での販売元である、新日エレクトロニクス(株) へ電子メールにて連絡をとってみることにしました。
上記のようなことをメールにて伝えたところ、無料にて調査・修理を行いますので現品を送付してくださいという連絡を受け取りました。
サポートの対応はなかなかいい印象を受けました。
さっそく、ORB ドライブ本体と、ORB メディア 5 枚を同封して送ることにしました。
サポート側の要求で、メディアも送ってくれるとありがたいといわれたので、こちらも使用していたメディアをすべて送ってみることにしました。
データが消えない保証はないと、むこうより言われていたので、もちろん消えても問題ないように必要なデータは取り出しておきました。さらに 5 枚も送られてくるとあせると思ったので、「データが消えても平気ですよ」 というような手紙を、こちらから改めて同封しておきました。
修理後の結果は以下で示すとして、とりあえず、ディスクの方は案の定、一部データが飛んでいました。とはいってもとんでいたのはブートセクタあたりだったため、単純にインストールしてあった OS が起動できなくなった程度で、中のデータ自体は無事に帰還しました。
なにはともあれ、そのままの形で帰ってくるとは限らないので、修理を出す際には気をつけて慎重におこないましょう。
修理から帰ってくると…
ようやく ORB が修理から帰ってきました。
まずびっくりしたことは、送られてきたのは ORB ドライブ本体と、ORB メディアが4枚と箱に書いてあるではないですか。あれ、たしか5枚おくらなかったっけ・・・?
と心配しつつ、箱を開けてみると、ORB ドライブの入った箱と、メディアが4枚。ORB ドライブの箱を開けてみると、ちゃっかりそこに ORB メディアが入っていました。
さて、同封されていた検査報告書をみてみました。
- 正常メディアにてテストしましたが、問題は見受けられませんでした。
- メディア ARRE 発生のため、交換させていただきました。
- メディア ARRE 発生のため、交換させていただきました。
- メディア ARRE 発生のため、交換させていただきました。
- メディア 正常ドライブにて検査しましたが、問題は見受けられませんでした。
- メディア 正常ドライブにて検査しましたが、問題は見受けられませんでした。
という内容でした。
つまり、ORB ドライブ自体には問題がなかったようです。
そうなると気になるのが ORB メディアの方です。上記でもあるように3枚が不良のため交換対象となっています。なぜこんなに故障したのか、ここが一番気になるところです。
仮に本当に ORB ドライブが正常だったとするならば、メディア自体の不良にあたる可能性が、非常に高いということになります。しかも、上記にも書いた Windows 2000 をインストールするのに使用したメディアは ”問題なし” として返却されているのも不安です。
非常に不安は残るのですが、とりあえず再び送るにももう少し調査が必要だと思い、とりあえずもう一度コンピュータに取り付けて使用してみることにしました。
取り付けるコンピュータは、修理前に取り付けていたコンピュータです。
ORB ドライブを取り付けて起動し様とおもい、ORB ドライブにメディアを差し込んでみました。
そのとき、気のせいか否か、ドライブに ORB メディアがしっかりと差し込めたような感じがしました。メーカ側の調査の過程で分解等をしたのでしょうか、とりあえず今までとは明らかに感じが違います。
上記でも書いたとおり、データの一部消失によって起動はできなかったのですが、Windows 95 をインストールしなおして見たところ、問題なく起動することができました。
安定度もいまのところいたって良好です。ためしに、返却されてきた Windows 2000 を入れた ORB メディアに、再び Windows 2000 をインストールしてみましたが、こちらもまた良好という結果になりました。
まだ返却されてきてから間もないため、なんともいえないのですが、とりあえずは問題がないようです。修理依頼自体は、結果上、不良メディアの交換以外は何もなかったようなので、根本的な解決にはなってなく、不安は残りますが・・・。
後日談
結局その後も特に改善といった感じは見られず、現在は ORB はもう使っていません。
使わなくなった本体のほうは、ソフマップ さまが下取りしてくださいました。あ、ちゃんと、査定前にそういういきさつをちゃんと伝えたんですよ。
それでもちゃんと査定はパスできたそうです…/店員曰く