起動後のネットワーク設定に時間がかかる問題

TROUBLE REPORT


状況報告

MacOS 9 を搭載した Apple Macintosh G4 で、電源投入後からユーザが使用できる状態になるまでに極端に時間がかかってしまっていました。

かねがね、MacOS 9 は DHCP と相性が悪いといううわさを耳にしていたので、そのあたりを考慮に入れつつ、現状の状況を書いてみます。

 

今回の話の中心となる Mac G4 は、MacOS 9 が搭載されています。LAN 内に所属していて、ネットワーク設定は DHCP サーバに任せてあります。電源を入れると普通に起動されて、処々の機能拡張が読み込まれます。で、デスクトップが表示されて、アイコンが出揃ってからが問題となります。

そこから少し待って、数々の人が残した自動マウントが始まります。かれこれ10個くらいのネットワークドライブのパスワード入力ボックスが表示されます。それも順調に連続で表示されるわけではなくて、4個くらい連続で表示されて、3分くらいまって、、、という感じです。

他人の自動マウント設定なので、パスワードもわからないまま、ただひたすら ”キャンセル” です。すべてキャンセルして、またしばらく待って、ようやく作業のできる状態となります。

この間、約10分弱。

 

自動マウント疑惑

DHCP 問題もささやかれる中、とりあえず起動までの時間の大半が ”自動マウント” に費やされているところを考えると、真っ先に自動マウントに疑惑がかかります。

 

とりあえず自動マウントの解消から始めてみることにしました。

とはいうものの、他人の自動マウント設定なのでさっそく壁にぶち当たりました。パスワードがわからないのです。では、自動マウントを行う設定を直接消してしまえばいいのでは?

ということで、自動マウント設定を探すこととなりました。

何の手がかりも知識もないまま、とりあえずシステムフォルダあたりを探してみることに。セレクタの AppleShare でマウントするくらいですので、きっと AppleShare 系の設定なのでしょう。システムフォルダ内に ”初期設定” というフォルダがあったので、そのあたりを調べてみることにしました。

その中に ”AppleShare Prep” というファイルがありました。これは怪しいということで、Simple Text をはじめとしたいろいろなソフトで開こうとしたのですが、開く候補に上がってくれませんでした。システム系のファイルってそういうものなのでしょうかね・・・。

途方に暮れつつインターネットをさまよっていると、なにやら怪しげな情報を入手しました。”AppleShare が不調の時には [AppleShare Prep] ファイルを捨てろ” ということです。そのページには、ちゃんと(?)この対処で自体が悪化しても責任がとれないということが書いてあったのですが、なかなか信憑性があったので、さっそくやってみることにしました。

[AppleShare Prep] をゴミ箱に放り込んで、再起動。

しかしながら、再起動後も相変わらず自動マウントが始まります。なにも変わりません。Macintosh 自体が動かなくなるならまだ理解できるのですが、AppleShare の設定ファイルを削除したのに自動マウントが行われてしまうのはなんか不自然でした。

設定ファイルの見当違いかとも思いましたが、とりあえず終了時に設定を保存しているのではないかということも考慮して、今度は削除したあとに再起動を選ばずにいきなり電源を切ってみました。再起動後、やっぱり状況変わらず、自動マウントが始まりました。

 

とりあえず、設定ファイルのしらみつぶしは時間がかかるので、自動マウントのダイアログでなにかできないか考えることにしました。

まず標的になったのが、だれも使っていないと思われるアカウントでマウントしようとしている自動マウントがありました。幸い、そのアカウントのパスワードを変更する権限を持っていたので、そのアカウントのパスワードを変更して、そのパスワードでマウントすることに成功しました。あとは、再度セレクタでそのマウントの自動マウントチェックを OFF にすることで、とりあえず自動マウント1つが解消されました。

他のアカウントも奏したいところなのですが、残念ながら他人のパスワードを勝手に変更することができません。しょうがないので、ダイアログに表示されているアカウント名を自分のに変えて、自分のパスワードでマウントしてみることにしました。そしてセレクタでそのマウント情報を見てみると、自動マウントにチェックが入っていたので、それを OFF にしてみました。すると、再起動後、そのボリュームは見事マウントされなくなりました。

その調子で、現れる自動マウントすべてを解消することができました。しかしながら、やっぱり起動問題は解消されません。ほんのちょっとだけ速いかな、という程度は改善しましたが・・・。

 

DHCP 疑惑

さて、自動マウント問題が解消された(?)時点で、次に浮上してくるのがうわさの DHCP 疑惑です。

インターネットをさまよってみても、やっぱり DHCP との相性が悪いことが処々で述べられています。どうやら Macintosh は新規格の DHCP にのっとっているための問題のようです。

ということで、労力を惜しまずに DHCP をバージョンアップしてみることにしました。

といっても、現在の DHCP は Microsoft Windows NT 4.0 の DHCP Service を使用していますので、簡単にアップグレードするというわけにはいきません。仕方ないので、Gateway に使用していた Slackware Linux での DHCP 運用へ切り替えてみることにしました。

 

インターネットでは ISC-DHCP でのトラブル回避が記載されていましたので、それで行くことにしました。Slackware Linux をインストールしたときにこの DHCP サーバもインストールされていたようですが、DHCP サーバのバージョンを調べることができなかったため、ダウンロードしてきて再インストールすることにしました。インストール方法は、別の機会にでも紹介します。

ベータ版というのもちょっと不安だったので、とりあえず DHCP 2.0pl5 をインストールして、リリースの設定を行いました。

さて、Macintosh を再起動してみると、、、ぜんぜんだめ。まったく改善されていないようです。「むしろ遅くなった?」 というのは多分気のせいでしょうけど。

 

今回のトラブルががほんとに新規格 DHCP の影響だとするならば、これはベータ版を試してみる価値はあるのでは?、ということで、DHCP 3.0b2pl6 をダウンロードして、インストールしました。

が、結果変わらず。

 

AppleShare Client 疑惑

続いて疑惑がかかるのが AppleShare Client。

そういえば以前に DHCP サーバのうわさと一緒に AppleShare Client のバージョンアップも耳にしていたことを思い出しました。ということで、さっそくアップグレード開始です。

Apple Computer のサイトから AppleShare Client J-3.8.6 をダウンロードします。

ダウンロードした AS_Client_J-3.8.6.smi.bin をダブルクリックして展開すると、AppleShare Client J-3.8.6.s.1 というファイルが出来上がりました。それをさらにダブルクリックすると AppleShare Client が現れました。

それを開いて、その中にある Installer を実行することで、AppleShare のインストールが始まります。インストール方法のマニュアルを読んでいると、自動マウントの設定は ”AppleShare Prep” から ”システムフォルダ内のサーバフォルダ” に変わるという記述が!

ということは、もしかして既にこのバージョンなのかな、とか思いつつ、とりあえず AppleShare Client のバージョンアップを行ってみました。

結果はやはり改善せず。

 

再び、自動マウント疑惑

さて、再びマウント疑惑に帰り着きます。

AppleShare Client のマニュアルにあったように、自動マウントの設定が ”サーバフォルダ” に保存されているとすると、もしかするとそこにまだ情報が残っているのかもしれません。

システムフォルダ内のサーバフォルダを開いてみると、やはりいくつかのファイルが残っていました。どうやら共有1つずつのエイリアスが保存されているようです。残っているものは、すでにネットワーク上に存在していない AppleShare Server のエイリアスでした。

ためしにそのうちのひとつを開いてみると、しばらく Macintosh が停止した後に、サーバが見つからないというエラーが表示されました。これがまさに原因といった感じです。

残っていた6つくらいのエイリアスをすべて削除して Macintosh を再起動してみると、驚くほど速い速度(通常の速度)で起動しました。

問題解決です!

 

問題解決後の感想

結局のところ、もしかするとただの自動マウント問題だったのかもしれませんね。

しかしながら、世間では DHCP との問題もいたるところで示唆されていますので、このあたりも効果があったかどうかはわかりませんけど。とりあえず、AppleShare Client のバージョンアップも意味があったのでしょうか・・・。わからないことだらけです。

もし同じような症状で悩んでいる人がいましたら、この記事の流れとは逆にたどっていくことをおすすめします!