イベント観覧レポート

Apple September Event 2014

発表された iPhone 6 とアップルウォッチに想いを馳せてみる

の午前2時から4時にかけて、iPhone でおなじみの Apple 社による恒例の秋のイベントApple September Event 2014 が開催されました。

このイベントは毎年、iPhone や iPad、Mac OS などの新製品が発表されるイベントのようで、少なくとも自分が見るようになってからはずっとインターネットで中継が配信されています。

中継は日本時間の未明(アメリカ時間の朝)に開催されるにも関わらず、自分が関わる iOS アプリ開発者のような人たちはもちろん、普通にアップル製品が好きな人たちにも注目されている、人気の高いイベントみたいです。

Apple September Event 2014

新製品の登場

とりあえず iPhone は年に1度、このタイミングで新機種が発表される様子なので、どんな機種が登場するのか、iPhone の新調を考えている人には目の離せないところです。

アプリ制作者にとっても、どんな新機能が搭載されるのか、それによってどんな改修が必要になるのか気になるところです。というのも Apple 社は「とっておき」を突然発表するのが好きみたいで、ぜんぜん新しい機能とかもアプリ制作者にさえ秘密でいきなり発表するんですよね。

そして「一週間後に発売するよ」みたいな感じで突如降って沸く無理難題に、嬉しさ半分、頭の痛いところでもあります。

なんとなく良い感じの注目度

そんな感じでさまざまな人の期待と不安が交錯するイベントなので、ときに SNS で誰かと誰かの温度差がぶつかり微妙な雰囲気に包まれたりとかしたりもするのですけど、今回はなんだか、少なくとも自分の身の周りではですけど、みんながみんな程よい心持ちでこの日を待ち望んでいたかのような、穏やかで安心感のある空気に包まれているようだったのが印象的でした。

これより前の6月に開催された、開発者向けの大きなイベントWWDC 2014 が大盛況だったせいもあるのでしょうか。

あの時の余韻にも似た雰囲気が、開催前から終わるまでの間、自分の TL には広がってました。

そしてもうひとつ嬉しいことがあって、この頃すっかりツイッターを控えめにされていた人が、この日はすごく楽しそうに呟かれていたのを見ることができました。久しぶりにネット越しから窺えた楽しそうにされている姿に、形はどうあれ、こういう集える場所があるってやっぱりいいなって感じました。

ストリーミングの品質は微妙

いつも快適に見られる印象のあったストリーミング配信でしたが、今回は始まるや否や、映像が止まるというハプニングがありました。

会場の設備そのものというよりは、通信のトラフィックが影響していたみたいで、人によって見れたり見れなかったり、見れるようになってもすぐ止まってしまったりして、最初の方は観るのもままなりませんでした。だんだんと落ち着いてきたのは、努力してくださったのか、それとも観る人が減ったのか。

そんなハプニングはありましたけど、そのおかげか、みんなが聞き取れた分を教えてくれるように呟いてくれて、なんとか問題なく情報を拾うことができました。こういうのもなんだかいいですね。趣味を同じくする者同士というのもあるのでしょう、互いに率先してフォローしあって、そこに穏やかな盛り上がりが感じられて、不安定な中でも安心して配信を楽しむことができました。

iPhone 6 と iPhone 6 Plus

さて、そんなイベントの最初の発表は、多くの人が注目するiPhone の新機種のお話でした。

今年は2年に1度のいわゆるメジャーバージョンアップの時期ですけれど、今回はiPhone 6iPhone 6 Plus という、ふたつの機種が発表されました。予約開始が で、発売日が になるとのことです。

それぞれの機種の詳細についてはApple - iPhone 6 のページで紹介されています。

目玉は画面サイズの大型化

このふたつの機種では Plus の方が光学手ぶれ補正 やバッテリーの持ちが良いなどで優位に立つようですが、どちらの機種にも言えることとして、以前の機種のiPhone 5siPhone 5c と比べて大きく違うのが、画面のサイズです。

画面のサイズが、iPhone 6 では 4.7 インチに、iPhone 6 Plus では 5.5 インチに、これまでのiPhone 5 の 4.0 インチと比べて大きくなっています。それ以外の点については、これまでのiPhone 5s と比べて、それほど際立った性能の変化はないようにも思えます。

心配どころも画面サイズ

画面が大きくなれば見やすくなりますし、アプリの利便性が向上するのは嬉しいのですが、気になるのはそれにつられて大きくなる iPhone 自体のサイズです。

iPhone 5 になったときにも本体が大きくなっていて、あの時も「大きくなるのは辛いかな」と思ったものでした。いざ使い始めてみれば、たしかに慣れはするのですけど、それでもやっぱり未だに不便を感じることは、発売日以来、ほぼ毎日使っている今でもときどき感じます。

自分は基本的に片手で iPhone を使うのですけど、そうするとどうしても「ちょっと指が届かないな…」と、ちょっと持ち替える必要が出てくるんですよね。不安定だけどきっと大丈夫、そんな風に思いながら使うこともあったりして、慣れていて不便は感じないものの、意識すればちょっと不便な大きさです。

それが今回さらに大きくなるので、これはもはや片手で快適に使うことは叶わないかなという印象でした。

注目の争点も画面サイズ

他の人たちも重ねる思いは様々ながら、やはりいちばん画面サイズが気になるようで、発表後の話題は iPhone の画面サイズで持ちきりでした。

片手で操作できるのか、ポケットに入れて持ち運べるのか、そんな観点から SNS でもいろんな意見が交わされていて、発表されて間もなくの頃は iPhone 6 Plus が優勢な印象でした。ポケットに入れて持ち運ぶのは諦める、そもそも鞄に入れて持つから大丈夫、せっかくなら画面が大きい方が良いでしょう、そんな感じの印象でしょうか。


自分は常にポケットに入れて持っているので、大型化は操作性以上に収納性が心配です。

もしポケットに入らなくなってしまうと、鞄に入れて、使うときに出さないといけなくなりますからね。ちょっとした都度、地図を見たり、乗り換えを検索したりする自分としては、かばんから出す手間はちょっと控えたいところです。それに稀にですけど鞄を持たずに出かけるときがあるので、そんなときにも不安を感じるところです。

本体サイズを確かめてみる

自分にとっては本体のサイズがいちばんの気がかりだったので、今のiPhone 5s と比べてどうなるか、実寸で紙に書いてサイズを比較してみました。

そうしてみたところ、紙の上ではiPhone 6 の大きさもそこそこインパクトがありますが、iPhone 6 Plus はずいぶん大きい印象でした。これはどちらも、ちょっと大きすぎるように感じます。宅配便の不在票と比べればふた回りくらい小さくなるので、片手で持つこと自体は問題なさそうな大きさではあります。


他に身近にあるものとも大きさを比較してみました。

手元にあったポケットティッシュ「エリエール 贅沢保湿(ポケット) 」の大きさと比べてみたのですけど、このポケットティッシュの縦とiPhone 5s の高さが同じくらい、横とiPhone 6 Plus の幅が同じくらいな感じです。


もっと身近なものと比べている人もいて、それによるとiPhone 6 は千円札をちょっと短くしたくらい、iPhone 6 Plus は一万円札とほぼ同じ、ということになるようです。ポケットに入れるという観点でなら、こちらの方が分かりやすいかもしれませんね。

iPhone 6 と iPhone 6 Plus は厚みが iPhone 5s よりも薄くなっているので、それも踏まえてイメージすると、実際に試してみるまでは分かりませんけど、iPhone 6 ならポケットに普通に入るかもしれません。 もしかしてiPhone 6 Plus もぎりぎり入るかなとも思ったんですけど、そういえば先日に友人が店主をしている喫茶店シャポー で「大型の Android だとポケットに入るけど、邪魔になって座れない」という話を聞いたので、iPhone 6 Plus についてはちょっと慎重になってます。

どれを購入するかは悩むところ

とりあえず SIM を自由に使える iPhone が欲しいので、どちらかは購入しようと思うのですが、iPhone 6 と iPhone 6 Plus とのどちらにするかは、なかなか悩ましいところです。

気持ち的には、中ではサイズが程良いiPhone 6 に気持ちがだいぶ傾いています。よくよく思えば、自分って iPhone に対して大きさってそれほど求めていないんですよね。電子書籍を積極的に読むこともないので、これまでどおりの普段使いなら、自分はiPhone 6 で十分というか、それでも大きいかもしれません。


ただ、悩ましいところがあって、もうひとつのiPhone 6 Plus は、画面の精細さがiPhone 6 と比べて大きく向上しているそうです。

アプリ制作の観点からの細かい話になるのですけど、iPhone 6 はこれまでのiPhone 5s と同等で1ポイント2ピクセルで構成されているのに対して、iPhone 6 Plus は1ポイントが3ピクセルで構成されるのだそうです。 これによって、これまでにない画面のきめ細かさが実現されることになるはずなのですけど、際限まで美しさを求めた場合、美しさの調整はアプリ制作者の腕にかかってます。

そのときに重要になるのが、実際に目で見て美しさをチューニングすること、つまりはiPhone 6 Plus が必要というところなんですよね。

1ポイント3ピクセルはiPhone 6 Plus が初めてなので、つまりそれがないと確認できないことになります。だから、ポケットに心配なく入る大きさだったら迷わずiPhone 6 Plus を購入するところですけど、アプリの動作検証よりも日常で持ち歩くことの方が多いと思うとそうもいかず、なかなか悩ましいところです。

アップルウォッチ

今回のイベントでは、iPhone の新機種と併せて、これまで長らく噂されていたアップルウォッチ がいよいよ発表されました。

こちらはまだ全容が明らかにされたばかりな感じで、具体的な仕様については触れられないところが多い印象でした。ちなみに 2015 年の春頃に発売開始の予定だそうです。詳細はApple - Apple Watch のページで紹介されています。

アップルウォッチの機能

アップルウォッチはまだまだ謎の多い製品ですね。

発表を見る限りだと、腕につけた 4 センチばかりの小さなディスプレイの中で、電話やメッセージ、ツイッターやフェイスブック、地図、ナビゲーション、音楽鑑賞、スケジュールの確認、iPhone 6 で新登場した支払い機能まで、iPhone で出来ることのほとんどがアップルウォッチで出来る印象でした。


ただし疑問が残るところも多くて、自分のいちばんの関心どころは SIM が使えるかどうかというところ。これ次第で、電話やメッセージが携帯キャリアのものが使えるか、それとも FaceTime や iMessage だけになるかが変わってくるので、けっこう重要なところです。もしも SIM が自由に使えたとすると、自分の中では iPhone をやめてアップルウォッチにするくらいのインパクトです。

次いで気になるのが電池の持ちです。どんなに良いものだったとしても、もし1日も電池が持たなかったとしたら、なんの役にも立たないですからね。そについてまったく発表されなかったあたり、まだまだきっと改善を図っているところなのでしょう。

他にも、紛失したときのパスコードロックがどうなるかとか、防水性とか、そんな細かな辺りも気になります。噂によると防水性は、生活防水程度で、つけたまま入浴とかは無理らしい話も耳に届いてきましたが、もしそうだったとしても、自分には時計をしたまま入浴とかする文化はないので、心配ないかなと思うところでした。

アップルウォッチに期待

それでも自分の中では、アップルウォッチに対する期待が高いです。

個人的に iPhone に求めるのはハンドヘルドなパソコンなので、いつでも持って歩けて気軽に操作できるものであって欲しいんですよね。そういう点で、やっぱり今度の iPhone はどちらとも大きいように感じます。そうしたときに、自分の理想により近いのがアップルウォッチに思えるのでした。鞄どころか、ポケットからも出さなくていい、これほど理想的なものはありません。

ただ、どれほどのことがこの小さいアップルウォッチで出来るかどうかがまだ分からないんですよね。もしもアップルウォッチ単体で iPhone で出来ることが何でもできたとして、でもそれが時計で出来て便利かどうかも分からないですからね。


でも、それも含めてアップルウォッチに自分はずいぶん期待しています。

自分の描く理想の先にあるデバイスなんてそうそうすぐに実現されるものではないでしょうから、それに近いものなら、それに近づく可能性が少しでもあるなら、まず手にとって確かめてみたいところです。まだぜんぜん役に立たないことが分かっていたとしても、少しでも可能性が秘めていると感じる限り、買って試してみたいなって思ってます。

自分が iPhone に出逢うまでにも、理想の「持ち歩けるパソコン」としてSONY CLIE PEG-S500C とか、Palm デバイス とか、いろいろ試してみたものでした。その頃の懐かしさのようなものも、アップルウォッチに感じるように思います。