MacTeX で、使用しないバージョンの TeX Live を削除してみる。
TeX
TeX Live をアップグレードするときに MacTeX の都合で複数のバージョンをインストールする形になったので、以前のバージョンを削除してみることにしました。
以前に こちら で、macOS にインストールした TeX Live を アップグレードしようとしていて見つけたのですけれど、 MacTex では TeX Live ユーティリティー アプリを使って、複数の TeX Live バージョンを切り替えられるようになっているようです。
複数バージョンのインストールは、使いたいバージョンを普通に MacTeX のインストーラーを使って追加していけば良さそうでしたけれど、不要になったバージョンを削除する機能は探してみた感じ、TeX Live ユーティリティーの中には用意されていないかもしれません。
Live TeX は、各バージョンあたりけっこう大きめなディスク容量が必要みたいで、 例えば Live TeX 2018 や Live TeX 2019 だとそれぞれ 7 GB 以上の容量を 必要とする様子です。
使わないまま置いておくのも容量がもったいないので、不要なバージョンを削除してみることにしました。
インストールされている場所
削除するにあたり、目的のファイルがどこに保存されているかを整理してみます。 冒頭でも紹介した こちら の TeX Live を アップグレードしようとしていた時の記憶を頼りに探してみました。
TeX Live
TeX Live そのものの各種ファイルは /usr/local/texlive
に
インストールされている様子でした。
この中に、バージョン毎にフォルダーで区切って格納されています。 意図的にアップグレードされていない限りは、フォルダー名がバージョン番号になっているはずです。
MacTeX
この他に、どのバージョンの TeX Live がインストールされているかを MacTeX が管理している場所が /Library/TeX/Distributions
にある様子でした。
不要な TeX Live を削除する
それでは順を追って、不要な TeX Live のバージョンを削除してみることにします。
今回は MacTeX 2018 と MacTeX 2019 がインストールされている環境で、 Tex Live 2019 TeX Live 2018 は削除する方向で作業を進めてみています。
既定のバージョンを切り替える
まず、使用する TeX Live のバージョンが適切に設定されるようにします。
/Library/TeX
の切り替え
そのために TeX Live ユーティリティー アプリを起動して、メニューから
設定
TeX Live の既定版を変更…
を選択します。
そうするとインストールされている TeX Live のバージョンがリストアップされるので、そこから使いたいもの、今回であれば TeXLive-2019
を選択します。
これで /Library/TeX/texbin
内の TeX Live バージョンを切り替えることができました。
/usr/local/bin
の切り替え
ただし TeX Live ユーティリティアプリで切り替えただけだと、ターミナルにコマンド名を直接入力したときに呼び出される
/usr/local/bin
内のバージョンは切り替えられていない様子です。
これを切り替えるために、次のように tlmgr
コマンドを使って、パスを調整する必要 がありました。
tlmgr path remove
/Library/TeX/texbin/tlmgr path add
具体的には、旧バージョン側の tlmgr
で path remove
を実行した上で、
新バージョン側の tlmgr
で path add
を実行することになるようです。
あくまでも試してみた感じなので、この操作が厳密に正確かどうかはわかりませんけれど、
いずれにしても /usr/local/bin/tlmgr
や /usr/local/bin/platex
などのバージョンが、これで目的のものに切り替わりました。
旧バージョンの TeX Live を削除
これで、新しいバージョンの TeX Live が使われるようになったので、 使わなくなったバージョン、今回であれば TeX Live 2018 の削除をしていきます。
MacTeX のリストから削除
まずは MacTeX に付属している TeX Live ユーティリティの一覧から削除します。
これは /Library/TeX/Distributions
に格納されている TeXLive-2018.texdist
を削除すれば良いようです。
コマンドラインからの実行であれば、次のようなコマンドを実行するだけで、一覧から TeXLive-2018
が削除されました。
sudo rm -rf /Library/TeX/Distributions/TeXLive-2018.texdist
TeX Live バイナリーを削除
あとは、使わなくなったバージョンの TeX Live バイナリーを削除します。
これは /usr/local/texlive
フォルダー内に格納されている、バージョン毎のフォルダーを削除することで対応できます。
コマンドラインからの実行であれば、次のようにコマンドを実行することで、インストールされていた TeX Live 2018 が削除されます。
sudo rm -rf /usr/local/texlive/2018
容量が多いので少し時間がかかりますけれど、これで目的のバージョンの TeX Live を削除することができました。