AX4SPE MaxII の CPU を速いものに交換してみる

HARDWARE REPORT


Pentium 4 (Northwood) 3.20GHz

これまでは AOpen AX4SPE MaxII というマザーボードに Pentium 4 の 2.4 GHz を利用していました。

FSB は 800MHz のもので、搭載していたメインメモリも DDR400 の 512MB を 4 つという感じで、これくらいの性能であればもはや十分かなと思っていたんですけど、この頃は少しばかり Microsoft Visual Studio 2005 を利用する機会が多くなってきて、処理の重さがなんとなく感じられることが多くなってきたように思いました。

それが CPU のせいなのかどうかもわからなかったのですけど、せっかくの機会だったので CPU を交換するとしたらどれくらいの費用になるかと思って調べてみると、この AX4SPE MaxII に載せられる CPU は最速でも 15,000 円程度で購入できるような感じでした。ただ、AX4SPE MaxII に載せられる CPU は http://aopen.jp/tech/report/cpu/ax4sgmaxii.html にも挙げられているように、基本的には Socket 478 型の Northwood が基本となるようで、それはもはや中古品でないと手に入らない様子です。

それでも Sofmap などのお店で簡単に中古品に手を出すことができる状況のようですし、逆に言うとあまり悠長にやっていると製品そのものが手に入らなくなってしまうことも考えられるので、値段もいちおう手ごろであるのもあるし、この機にいちばん速いものに交換してみることにしました。

 

東京町田の Sofmap を訪れて中古品の CPU を眺めてみると、AX4SPE MaxII が対応している CPU がちらほらと見受けられました。

自分でもだいたいめぼしはつけつつ店員さんに声をかけていろいろお話しして、最終的には Northwood コア Pentium 4 の 3.20GHz のものを購入してみることにしました。FSB は 800MHz で、当たり前のことらしいのですけど Hyper-Threading にも対応しているものなので、それまで利用していた Pentium 4 の 2.40CGHz タイプから純粋にクロック周波数を向上させる感じの選択です。

対応している CPU の一覧に 3.40GHz という表記も目に付くのですけど、聞いてみたところそのクロック周波数の CPU はなかなかお目にかかれないもののようなので、実質的には今回選んだ CPU が現状のマザーボードで利用できる最速のものだと思っておいても良さそうです。

 

そして購入してみると、中古品だからとのことで店員さんが気を利かせて熱伝導グリスをお勧めしてくださいました。

新品で購入すると熱伝導シートがヒートシンクに取り付けられているのですけど、中古品だとそれがなくなっているんですよね。自分はそれほどハードウェアに詳しいわけではないのですっかり忘れていたんですけど、おかげで忘れずに購入することが出来ました。ちなみに購入したのは店員さんが選んでくれた AINEX の HT-01 というシート型の熱伝導シールです。

これで準備が整ったので、さっそくながら CPU の交換作業を行ってみようと思います。

 

CPU を交換する

CPU を交換するにあたって、今までの感じからまずは少しの間 PC の電源を入れて動かしておくのが良さそうな気がします。そうすると CPU が高温になって熱伝導グリスが溶け出すようで、CPU とヒートシンクとを簡単に分離することが出来るようになるのでした。

今回もしばらく PC を動作させておいてから、電源を切って CPU の交換作業に移ります。ただし、電源を落とした直後の CPU はかなり熱を持っているので、とりあえずはヒートシンクのロックを外して取り外したら、念のため数分ほど置いてから CPU に触れるようにした方が安全かもしれないです。

やけどの面でもそうですけど、熱くてうっかり落としてしまってピンでも折れたらそれこそ大変ですからね。

 

CPU のロックレバーを立ててロックを解除して以前の CPU を取り外したら、新たしく購入してきた CPU を差し込みます。

Pentium 4 は四隅のうちのどこかのピンが欠けているように設計されていますので、間違えないように気をつけながらそっと Socket 478 へ CPU を差し込みます。置けば簡単に差し込める程度で力はまったくいらないので、押し込まないと入りそうもないときには "間違っている" ので気をつけましょう。

CPU を取り付けたらロックレバーを倒して CPU を固定しておきます。

 

続いてヒートシンクの取り付けですけど、今回は中古でついてきたヒートシンクだったので熱伝導シートが接面に付着していませんでしたので、その準備も必要です。

このたび購入した熱伝導シートは  AINEX の HT-01 ですので他のものの場合は勝手が違ってくるかもしれませんが、とりあえず熱伝導シートの裏面に貼られたクリアフィルムを剥してヒートシンクの底面の CPU が当たる中央部分に貼り付けます。

そして CPU 側に向いた面の半分ほどには "ShinEtsu" というラベルのフィルムが貼られているので、これも剥してあげるのですけど、これがなかなか厄介でした。すんなりと剥してあげることができなくて、無理に剥そうとしてみれば、シートの角がちょっとかけてしまったりして。慎重に何度も挑戦してようやくなんとか剥すことが出来ましたけど、今回の中でいちばん大変な作業でした。

 

ヒートシンクに熱伝導シートを取り付けたら、あとは CPU にそれが接するかどうかを気にしながらヒートシンクを取り付けます。Socket 478 の場合はヒートシンクは自由の余地なくしっかりとはめ込めるようになっていると思いますので、ここは特に難しいこともありませんでした。

あとは、ヒートシンクに装備されている冷却ファンが回るように電源ピンをマザーボードに接続するのを忘れないように注意して、これで交換作業は完了です。

 

CPU を交換後…

CPU を交換してさっそく電源を入れてみると、電源 ON 時の POST 画面で、強調表示された白い文字が目に留まりました。

AX4SPE MaxII の場合は通常はグレーの文字で POST 画面が表示されるのですけど、気になるところだけ真っ白の字で表示してくれるようになっているんですよね。その中の CPU Voltage の表示が白表示になっていたので、BIOS の設定を改めて確認してみることにしました。

BIOS 設定画面の "Frequency/Voltage Control" を確認してみると、CPU ディフォルトの電圧 "CPU Voltage Default" の値と実際に設定されている "CPU Voltage Setting" の値が異なっていましたので、"CPU Voltage Default" に表示されていたのと同じ値を "CPU Voltage Setting" にも設定しておくことにしました。

そして再起動してみれば、表示も全て正常に起動してくれました。

 

これで少しは Microsoft Visual Studio 2005 が速くなってくれたらいいなと思っていた程度だったんですけど、いざ Windows XP Professional が起動してみると、Microsoft Office など、動作するソフトひとつひとつが、今までよりもはるかに早く利用可能状態になってくれました。

それこそ昔の 100MHz が当たり前で 800MHz もあればもう苦労はないという時代の自分なので、もはや 2.40 GHz もあれば重要なのはメモリが足りているかどうかだろうなんて思っていただけに、この体感速度の劇的な上昇は予想していなかったことだけに、とっても目を見張るものがありました。

今回は FSB も 800MHz で変わらず、メモリも合計 2GB の DDR400 と、OS 等の環境も現状維持での CPU 交換だったので、動作電圧を少し調整したものの基本的には純粋に CPU のクロック周波数が 2.40 GHz から 3.20 GHz に変わった感じだったので、この体感の差は明らかに CPU の性能による影響です。

たしかによく考えれば 800MHz も性能が向上しているのだから、それなりに効果が期待できてもおかしくないですよね。メモリも 2GB と不足なく自由に利用できる空間が備わっているからこそ、CPU の性能をダイレクトに体感できたというのもあるのでしょう。

 

このことから、今までの経験も踏まえて考えて、メモリが足りないようならまずはそれを増強するのは先決として、自由になったら CPU の交換も視野に入れてみるのもなかなかいいかもしれないです。

簡単なアプリケーションをVisual Studio 2005 の C# で作ってみてもなんとなく重たい感じが拭えないような気がしたので、今まではもはやどれでもいいだろうと思っていたけれど、予算の許す限りで CPU もなるべく速いものを選んであげるのも選択肢になるかもしれないなって感じでした。それよりも Windows XP ならメモリを 512MB くらいを増設してもらうことに予算を当てておくのを優先するのがいいような気はしますけどね。