Linux インストール時に CD-ROM を認識させる

TROUBLE REPORT


PCG-505V/ABX へ Linux の導入を試みる

SONY 社のノートパソコン VAIO PCG-505V/ABX は、1999 年ごろに発売された薄型のノート型コンピュータです。

今回、このコンピュータへ Linux Slackware 8.1 をインストールしようとしたところ、トラブルをおこしてしまいました。

 

インストールに使用した CD-ROM は、VAIO PCG-505V/ABX を購入したときについてきた、PCGA-CD5 という、PCMCIA 接続ながら標準 IDE の CD-ROM ドライブとして使用できるものです。

この CD-ROM ドライブを使ってインストール CD-ROM を起動させたところ、CD-ROM からの起動こそ出来るものの、いざインストールを行おうとすると、CD-ROM が見つからないというエラーが出てしまいました。

なので、なんとか認識させる手はないものか、と調べてみました。

 

いろいろ試してみる

とりあえず、起動フロッピーを作成してもう一度試してみます。

Windows XP 上では、インストール CD-ROM に含まれている RAWRAITEN.EXE をつかってディスクを作成するようです。

 

とりあえず Boot Disk として一般的な IDE 構成の BARE.I を作成、Root Disk として PCMCIA.DSK を用意してみました 。

が、ルートディスクの認識の時点で RAMDISK イメージがないとのことで失敗してしまいました。

 

少し本題から外れますが、ためしに Vine Linux 2.1CR のインストーラを起動させて見ましたが、こちらも CD-ROM を見失う ようです。

なので、Slackware 固有の問題というわけではなさそうです。

 

インターネットで調べてみる

最強の情報源であるインターネットにて調べてみると、今回使っている PCG-505V/ABX のような、初代 505 シリーズはそうなるような記載がありました。

とはいえ、なにか解決策はあるだろうと、いろいろ調べてみると、なにやら手がかりになりそうな情報が見つかりました。

 

Debian Linux に関するお話のようですけど、CD-ROM での起動時に

root: linux ide2=0x180,0x386

とするといいようなお話がありました。

 

同じ Linux なのでなんだか効果がありそう…、ということでさっそくやってみたところ、

hde: ATAPI 14X CD-ROM drive, 128kB Cache

Uniform CD-ROM driver Revision: 3.14

という表記が起動時に出るようになりました。みごと CD-ROM の認識には成功したようです。

 

けれど、その直後、次のようなメッセージとともに停止してしまいました。

Kernel panic: VFS: Unable to mount root fs on 03:42

なにやらルートのマウントに失敗したような感じの表記です…。

 

再び、いろいろ試してみる

ならばと、改めて起動ディスクを使って起動させてみることにしました。

今度は、Boot Disk は以前のまま BARE.I ですが、Root Disk を一般的な COLOR.GZ にしてみました。

そして root: のところでさっきも入力したように linux ide2=0x180,0x386 と打ち込んでみます。ただ、linux という起動イメージはなかったので、最終的には次のようになりました。

root: ramdisk ide2=0x180,0x386

 

けれど、やはり Root Disk の読み込みの段階で、Root Disk のイメージが壊れているというようなエラーが発生してしまいます。

仕方ないので、とりあえず起動ディスクにあった他の  drive2 と mount というブートイメージを、使い方も分らないながら、とりあえず試してみましたが、やはり Root Disk の場面で同じようなエラーとなってしまいました。

 

CD-ROM を認識させる

なんだか起動フロッピーには期待できなそうな感じがしたので、今度はインストール CD-ROM でいろいろと試してみることにしました。

フロッピーでブートイメージをいろいろ交換できるのならば、きっと CD-ROM でも…。と思って root: の待ちのところで [TAB] を押してみたのですが、残念ながら候補が出ません…。

 

では、root として CD-ROM を指定したらどうなるのだろう…、と次のようにしてみました。

root: root=/dev/hde ide2=0x180,0x386

こうしてみると、ルートをマウントする時点で CD-ROM である /dev/hde が有効になっているようではありましたが、残念ながら Linux を立ち上げるための情報が足りないようで、エラーになってしまいました。

 

CD-ROM での起動でも、フロッピーのときのように何か選択の余地があるはず…。

と思って、root: で停止している画面を眺めてみると、[F1] キーを押せば他の候補が表示される と、英語でですがしっかりと記されていました ^^;;;

また、ディフォルトでは "scsi.s" が選択されるという、なんとも重要な記載もありました。

 

さっそく、

[F1]

を押してみると、3つの候補が表示されました

  • IDE システムならば "bare.i"
  • ラップトップパソコンで APM をサポートするなら "bareapm.i"
  • SCSI システムならば "scsi.s"

 

さらに [F2] キーを押すことでさらに細かな分類が表示されるようですが、これで十分でした。

 

とにかく IDE CD-ROM をちゃんとつかうのならば、"bare.i" です。さっそく root: にて次のように入力してみました。

root: bare.i ide2=0x180,0x386

 

すると見事、/dev/hde に CD-ROM ドライブを見つけた上で、slackware login: までたどり着くことが出来ました。

 

もちろん、mount /dev/hde /cdrom というように命令をしてみると、ちゃんと /cdrom 内に CD-ROM の内容が表示されるのでばっちりです。

これならもし、これでもまだインストール時に CD-ROM を見失ったとしても、あらかじめハードディスク上にデータをコピーできるので、いくらでもトラブルを回避できそうです。

 

もしかすると、PCG-505V/ABX の場合は、APM サポートがついた "bareapm.i" の方がいいかもしれません。

なので、

root: bareapm.i ide2=0x180,0x386

の方も試してみましたが、こちらも問題なく /dev/hde に CD-ROM を見つけた上で setup にまでたどり着くことが出来ました。