DNS サーバ djbdns のインストールと設定: 普段は使われないデータ行
DNS サーバである djbdns のインストールと設定をまとめてみました。
ここでは、tinydns のゾーン情報を構成する記号のうち、普段はあまり使わないと思われるものについて説明します。
A-3: 普段は使われないデータ行
レコードを除外する
レコードの除外
【書式】
-fqdn:ip:ttl:timestamp:lo
【役割】
過負荷やマシンが稼動しないときなど、レコードを除外するために使用する行です。たとえば、外部プログラムを使って、+ 行を - 行に書き換え、一時的にホストの検索ができないようにすることができます。
この行は無視されるので、fqdn や ip の設定は事実上の意味はありません。
【データ】
fqdn 対象となるホスト名です。 ip ホストの IP アドレスです。 を参照してください。【レコード】
レコードは作成されません。
【例】
-host2.ez-net.jp:192.168.0.2
たとえば、+host2.ez-net.jp:192.168.0.2 だった行を -host2.ez-net.jp:192.168.0.2 というように、先頭の + を - にかえるだけで、host2 の検索を無効にすることができるようになります。
各種レコードの定義
TXT レコードを登録する [ TXT ]
【書式】
'fqdn:s:ttl:timestamp:lo
【役割】
ホスト名に文字列を対応させます。いわゆる TXT レコードを生成します。
【データ】
fqdn 対象となるホスト名です。 s 設定する文字列です。\nnn という形の8進数表記を使用することで任意の文字列を埋め込むことができます。たとえば \072 でコロン ( : ) を埋め込むことができます。 を参照してください。【レコード】
fqdn IN TXT s
このような感じでレコードが作成されます。
PTR レコードを登録する [ PTR ]
【書式】
^fqdn:p:ttl:timestamp:lo
【役割】
逆引き参照用の PTR レコードを登録します。通常は = 行をつかって、A レコードと PTR レコードを一緒に登録します。
【データ】
fqdn 対象となる IP 名です。1.0.168.192.in-addr.arpa という感じで指定します。 p 逆引き後に取得できるホスト名です。 を参照してください。【レコード】
fqdn IN PTR p
このような感じでレコードが作成されます。
【例】
^1.0.168.192.in-addr.arpa:ns1.ez-net.jp
これで、192.168.0.1 から ns1.ez-net.jp を逆引きできる PTR レコードが生成されます。
CNAME レコードを登録する [ CNAME ]
【書式】
Cfqdn:p:ttl:timestamp:lo
【役割】
別名用の CNAME レコードを登録します。
通常は別名を使わずに、+ 行をつかって、A レコードを登録するようにしたほうがいいそうです。
【データ】
fqdn 別名として新たに登録する名前です。 p 対象となるホスト名です。 を参照してください。【レコード】
fqdn IN CNAME p
このような感じでレコードが作成されます。
【例】
Cwww.ez-net.jp:ns1.ez-net.jp
これで www.ez-net.jp を検索すると、 ns1.ez-net.jp の情報を参照できるようになります。
SOA レコードを登録する [ SOA ]
【書式】
Zfqdn:mname:rname:ser:ref:ret:exp:min:ttl:timestamp:lo
【役割】
SOA レコードを登録します。通常はドット ( . ) 行または & 行をつかって A レコードや NS レコードと一緒に SOA レコードを登録します。
【データ】
fqdn 新たに登録するドメイン名です。 mname プライマリネームサーバ名です。 rname 連絡用アドレスです。dummy.ez-net.jp というように、メールアドレスの最初の @ をドットに変えた形で指定します。 ser シリアル番号です。省略した場合には data ファイルの更新日時が使用されます。 ref 更新間隔です。省略した場合は 16,384 秒 (約 4.6 時間) が使用されます。 ret リトライ間隔です。省略した場合は 2,048 秒 (約 34 分) が使用されます。 exp 有効期限です。省略した場合は 1,048,576 秒 (約 12 日) が使用されます。 min 最低有効期間です。省略した場合は 2,560 秒 (約 43 分) が使用されます。 を参照してください。【レコード】
SOA mname rname ( ser, ref, ret, exp, min )
このような感じで、fqdn に対する SOA レコードが作成されます。
【例】
Zez-net.jp:ns1.ez-net.jp:admin.dummy.ez-net.jp
これで、プライマリネームサーバが ns1.ez-net.jp で連絡アドレスが admin@dummy.ez-net.jp の SOA レコードが作成されます。
一般レコードを登録する
【書式】
:fqdn:n:rdata:ttl:timestamp:lo
【役割】
n で指定した任意の一般レコードを登録します。
【データ】
fqdn 対象となる名前です。 n レコードタイプです。 rdata レコードタイプに対する値です。指定する値はタイプによります。\nnn という8進数表記が使用できるので、\072 などとして任意の文字を含めることができます。 を参照してください。
【目次】