EmEditor Version 2.39 for Intel
SOFTWARE REPORT
EmEditor とは
EmEditor は、EmSoft が開発したテキストエディタです。
以前はフリーソフトとして公開されていましたが、現時点においてはシェアウェアとして販売されています。
この EmEditor、テキストエディタに必要不可欠な軽量と使いやすさを兼ね備えています。
ちょっとしたテキストの編集に気兼ねなく利用できるためにも、軽快に起動・動作することが重要になってきます。EmEditor も Windows に標準で装備されているメモ帳と、体感的に変わらない程度の速度で起動してくれます。
またメモ帳とは比べものにならないくらい機能が充実していて非常に勝手がよく、見た目にもすっきりしていて非常に使いやすいソフトウェアに仕上がっています。
一般的な機能
テキストを編集する機能はもちろんのこと、検索・置換といった編集の手助けをする機能もそろっています。
一般的なコピー・貼り付け・カット等の機能のほかに、日付と時刻の表示、引用つきコピーといったものもあります。それぞれにショートカットキーが割り当てられていますので、よく使う機能のショートカットを覚えておけば非常に使い勝手がよくなります。
全角/半角変換機能も持っています。ある特定の文字だけを対象に全角化が可能なので、半角カタカナを全角カタカナに変換するといったことがすぐに出来ます。
検索機能
EmEditor に搭載されている検索機能はなかなか使い勝手がいいです。
検索条件には、通常の文字列と \n といったエスケープシーケンスの利用が可能です。エスケープシーケンスとは、\n ならば改行、\t ならば TAB といった意味を表すものです。これを用いると検索の幅が広がります。
通常の検索機能ならば、この程度の検索機能でとどまるか、正規表現の搭載といった検索能力の機能強化へ走りがちですが、EmEditor は別の強化がなされています。
EmEditor の場合、検索を行うと一致する文字列へカーソルが移動するだけでなく、一致する文字のすべてに色がついて強調されます。これにより、ざっとスクロールするだけでも検索に該当した文字が目に飛び込んできます。
文字コード
EmEditor は3つの日本語文字コードに対応しています。
EUC, SJIS, JIS の日本語コードを取り扱えますので、さまざまな OS で作成したテキストファイルを取り扱うことが出来ます。
拡張子ごとの設定
EmEditor は拡張子ごとに細かなカスタマイズを行うことができます。
設定できる機能をざっと紹介します。
基本
エディタの概観に関する設定を行うことが出来ます。
テキストが画面の右端まで続いた場合に折り返すか否か、または一定の文字列の長さになったら折り返すかといった設定や、スクロールバーの表示/非表示、行番号の表示やタブの桁数といった設定を行うことが出来ます。
ファイル
ファイルに関する設定ができます。
保存時に TAB 文字を自動的にスペースへ変換したり、自動折り返しの部分に改行コードを挿入したり、保存時に文字コードを変換することが出来ます。
バックアップ
ファイルを保存する際に、前のデータを別の場所へ自動的にバックアップすることが出来ます。ここで、バックアップファイルをどこに保存するかといった設定が可能です。
自動保存
編集中に一定の時間間隔でデータを保存することが出来ます。
これにより予想外の Windows 停止などによってある程度はファイルの損失を防ぐことが出来ます。
関連付け
これらの設定が有効となるファイルを指定できます。
ここに登録されている拡張子のファイルが EmEditor で開かれると、自動的にこの設定が有効になります。複数の拡張子を登録することが可能です。
禁則文字
文章の禁則文字を指定できます。
文章中に行頭や行末にきてはいけない文字列を指定したり、英単語が中途半端なところで改行されないようにすることができます。
分割禁止単語
ここに登録しておいた単語は、折り返しなどによって途中で改行が入らないように調整されます。
強調文字列
指定した文字列に対して色をつけることが出来ます。
プログラム言語の予約語に色をつければプログラムソースが非常に見やすくなります。
表示
画面表示に関する設定です。
通常の表示文字の色や背景色を設定することが出来ます。そのほかにも検索に該当したときの文字列の色や、強調文字列に利用する文字の色などを設定することが出来ます。
フォントも変更することが出来ます。また現在選択中の行に対する色も設定することが出来ます。
記号
通常は文章に表れない記号を目に見えるように出来ます。
改行や EOF、TAB、全角空白といったものを必要に応じて表示させることが出来ます。
印刷
印刷に関する設定を行います。
印刷時に使用するフォントや、用紙の余白設定、改行間隔、ヘッダー&フッタを設定することが出来ます。
リンク
テキストに書き込まれた URL やメールアドレスなどを、クリックすることで扱うことが出来るようになります。
キーボード
コマンドへのショートカットを変更できます。
すべての項目に対して細かく設定できますので、使いやすいショートカットキーに変更することが出来ます。
クイックマクロ機能
EmEditor にはクイックマクロという機能が搭載されています。
これをりようすると、キーボードによる操作を記憶して再び同じ操作を行うときにはボタン一発で実行できます。
クイックマクロの記録を実行すると、それ以後のキーボードの処理をすべて記録します。これはクイックマクロの停止を選択するまで続きます。
記録が終わったら、あとはクイックマクロの実行によって、記録したとおりの作業を復元することが出来ます。単調な繰り返し作業において時々ですが重宝します。
すべてのウィンドウと連携
EmEditor はいわゆる SDI という形式のウィンドウを構成していて、複数のファイルを EmEditor で開いた場合、いっけん独立した複数の EmEditor が起動します。
EmEditor から 【ウィンドウ】 → 【左右に並べて表示】 を選択すると、現在 EmEditor で開いている文章を画面にきれいに整列して表示させることが出来ます。
複数のファイルを同時に処理したい場合などに効果を発揮します。この他に 「重ねて表示」、「上下に並べて表示」 といった項目があります。
また、EmEditor で編集中のファイルをすべて保存するという機能も持っています。
ウィンドウの分割
EmEditor は、表示ウィンドウを最大 4 つにまで分割することが出来ます。
分割されたウィンドウには、同一の文章が表示されます。それぞれのウィンドウがそれぞれ別の行を表示することが出来ますので、同一文章内の別のページを見ながらファイルを編集することが出来ます。
おわりに
EmEditor はテキストエディタとして十分な機能を持っています。シェアウェアとなっていますが、値段に見合うだけの機能は持ち合わせていると思います。テキストエディタをよく利用する人にはお勧めです。
欲を言えば、強調表示が印刷にも反映されてくれるとうれしいですし、文字コードも UNICODE 対応になってくれるということなしです。