ハードウェアレポート
iMac 雑感
CalDigit Thunderbolt Station を併用して iMac Late 2013 をトリプルディスプレイにしてみました。
Thunderbolt Hub を使って iMac にディスプレイを3台つないでみる
iMac にディスプレイを3台つなげて作業をしたくなりました。
これまでもずっと2台のディスプレイを使っていて、10年近くに渡って便利に使っていました。画面を広くしたいなって感じたときって、大きなディスプレイを1つ買うより、一般的なサイズを2つ買った方が、ずっと快適になると感じます。2つの画面を用途で分けて整理できるからなのでしょう。
パソコンで何かを作る人にとっては、それが絵でもプログラミングでも、Excel の表でも、ディスプレイが2台あると想像以上に楽になるので、もし画面が小さいと思って買い換えたようなときには、いちど余った方のディスプレイもつなげて体験してみて欲しいなって思います。そういえば自分も、最初は17インチディスプレイに買い換えて、余った15インチディスプレイもつなげてみたのが、デュアルディスプレイ を体験するきっかけでした。
ディスプレイを2つ接続するには、パソコンに2つのディスプレイを接続できるポートが必要ですけど、最近のパソコンだとさりげなく用意されていたりするので、気になる人は確認してみると良いでしょう。
トリプルディスプレイ に挑戦
そんな風に2台のディスプレイをつなげた、いわゆるデュアルディスプレイ でずっと快適に過ごしてきていて、でも画面3台は逆に使いにくいだろうなと思っていたんですけど、ここへきて『アプリを製作しながら、そのアプリを使ってものを作って、さらに細々としたファイル操作をする』みたいな作業が必要になって、突如に2画面では厳しくなってきました。
ディスプレイを3つ繋ぐ方法として
使用しているパソコンはiMac Late 2013 なので、本体に内蔵ディスプレイがひとつ、そしてディスプレイなどを含む外部装置を接続するためのThunderbolt ポートが2つ用意されています。
現在はThunderbolt ポートの1つを外部ディスプレイに接続していて、単純に考えれば、もうひとつのThunderbolt ポートに外部ディスプレイを接続すれば良いのですけど、今回は既にそこに外付けハードディスクが接続されていたため、残念ながら空きがありませんでした。
USB ポートなら空いているので、そこに手持ちのUSB-RGB2 を接続する方法もあるかと思ったんですけど、うまく動きませんでした。USB接続のディスプレイアダプターって動きが重かったり安定性が悪い印象があります。Mac OS X だとさらに、バージョンアップのたびに動かなくなって対応待ちもしょっちゅうなので、そういう面でもあまり進んで利用できない印象でした。
そこで今回は、多機能なThunderbolt Hub を使って、ディスプレイの接続口をもうひとつ増やす方法を取ることにしました。
CalDigit Thunderbolt Station
今回はThunderbolt Hub のCalDigit Thunderbolt Station を使ってみます。
この製品を選んだ理由は単純で、この製品の本体にHDMI ポートとThunderbolt ポートが用意されていたからでした。他にもいくつか製品はあったんですけど、Thunderbolt ポートが2つあっても、結局は iMac から片方にケーブルを挿して、もう片方からディスプレイに差さなくてはいけないため、今回のようにひとつのポートで2つのディスプレイを接続するという場合にまったく意味を成しません。
そうなると、このCalDigit Thunderbolt Station を使って、1台のディスプレイをThunderbolt ポートからつないで、もう1台をHDMI でつなぐというのが、唯一の方法となりそうです。
型番はCD0052 とCTS-US-60 の2つがあるみたいなのですが、どちらがどう違うかはよくわかりませんでした。製品名に冠されているCalDigit のサイトでは型番は無いようでしたので、日本の代理店の違いなのかもしれません。
CalDigit Thunderbolt Station を選ぶ上での注意点
重大な注意点
さて、このCalDigit Thunderbolt Station を選ぶ上での大事な注意点なのですが、この機械に搭載されているThunderbolt ポートとHDMI ポートを同時に使って2台のディスプレイを使いたい場合は、Thunderbolt ポートにはApple Thunderbolt Display を使用する必要があるそうです。
それ以外のThunderbolt ポートから直接接続できるディスプレイは、たいていがDisplayPort 対応ディスプレイで、それとHDMI を一緒に使った場合、HDMI 側に接続したディスプレイにしか映像が映らないので注意です。実際に自分が使用している EIZO FlexScan S2243W もDisplayPort のディスプレイだったので、このCalDigit Thunderbolt Station だけでは同時に2台のディスプレイに映像を映し出すことはできませんでした。
この辺りについては、各社の製品ページにある「デュアルディスプレイができる」という謳い文句のところには注意書きはなく、型番 CTS-US-60 の FAQ ページ に記載があるくらいなようでした。普通であればThunderbolt ディスプレイ とDisplayPort ディスプレイ が違うのは常識なのかもしれませんが、これを知らずに買ってしまうと無駄な高い買い物に終わってしまうので、十分注意が必要です。
接続ケーブルにも注意
このCalDigit Thunderbolt Station には接続用のThunderbolt ケーブルが付属していないので、余ってなければそれも別途必要になります。
ここで注意したいのが、Thunderbolt ポートといえばディスプレイをつなぐのが一般的なので、ともするとThunderbolt ケーブルとDisplayPort ケーブルが同じものと勘違いしてしまいがちです。今回の接続で必要なのは純粋なThunderbolt ケーブルになるので、用意する際は間違えないようにしましょう。
iMac とCalDigit Thunderbolt Station でトリプルディスプレイ を実現する
上記のとおりHDMI とDisplayPort ディスプレイを同時に使えない制約こそありましたが、今回は幸いにもThunderbolt ポートに接続されている機械のひとつがハードディスクです。
そこで今回は、これまでハードディスクが接続されていたThunderbolt ポートにCalDigit Thunderbolt Station を接続して、この機械のThunderbolt ポートにハードディスクを接続し、HDMI ポートにもうひとつのディスプレイを接続することにしました。もう1台のモニターは、これまでどおり iMac の背面にあるThunderbolt ポートから直接、Displayport ケーブルを使って接続します。
この方法であればCalDigit Thunderbolt Station の制約に引っかからないので、問題なく iMac の内蔵ディスプレイを合わせて、合計3つのディスプレイに映像を表示することができました。
さりげなく心配だったのが、機械を余計に介して接続したハードディスクのアクセス速度だったんですけど、読み取りが 200MB/s くらいと、以前に計測したときの 229MB/s と比べて若干遅くなったかなという印象でしたが、書き込みは 370MB/s 程度と前回と遜色ない速度が出ていました。少なくともUSB 3.0 よりも速い速度が出ているので、これなら許容範囲でしょう。
以前にThunderbolt 接続のハードディスクを速度計測したときのお話は512GB の大容量ながら価格が安い Transcend の SSD を使ってみる で紹介しています。
トリプルディスプレイ を使用してみた印象
正面に3つのディスプレイは圧迫感
最初に正面に3つのディスプレイを置いて試してみたんですけど、真正面が22インチ、その右が21.5インチ、その左が22インチという、今となっては一般的な22インチ程度のワイドディスプレイを3つ置いて使ってみたところ、威圧感がすごかったです。
あくまでも自分の感覚ですが、普通にまっすぐ向かった先に視線の高さより高いものしかないとけっこう精神的に圧迫される心地がしました。
正面に2つと真右に1つが良い感じかも
正面に3つはあまりに息苦しかったので、左に置いていたディスプレイを1つ、視界のちょうど真横に位置する、右側の袖机に置いてみました。そうしたところ、正面は従前どおりなので当然なのですけど、自分的には自然な感じになりました。
このようにすると、右側のディスプレイは敢えて右を向かない限りは見えないのですけど、ここには関連するフォルダーとか、メッセージアプリとか、メールアプリとか、何かのついでのときに使うものを置いておくとなかなか良い感じでした。むしろ普段は視界に入ってこない分、意識に入らず好都合でした。
余分なものを右の画面に置けた分、正面の2つのディスプレイは完全に作業用として扱えるようになりました。これまでは片方が補助的なディスプレイだったので、それがおおよそ2倍になった感覚です。右側のディスプレイのおかげで余計なウィンドウを下に重ねる必要がなくなり、ずいぶん快適に目的のウィンドウを探せるようになりました。
画面内の距離感は問題なし
3画面にしたときに不便になるかもしれないことに、マウスカーソルの移動に必要な距離が 2,000 ピクセル近く大きくなるというところでしたが、これも右側のディスプレイが完全に補助に徹したおかげか、まったく気になることはなさそうでした。
普通に正面に3つ並べても、思ったよりは距離が気になることはなさそうでしたが、やっぱり左から右まで移動するとなると、マウスを1回滑らすだけでは届かないので、3画面間の移動を頻繁に行うようだと少し疲れてしまうかもしれません。
CalDigit Thunderbolt Station の本体温度
トリプルディスプレイとは直接関係はないのですけど、今回のCalDigit Thunderbolt Station は使っているとけっこう熱くなるようです。ぜんぜん火傷まではしないものの、まるでハードディスクのように本体が熱を持つので、熱で暴走したりしないかが少し心配です。
とりあえずノートパソコン用の冷却シートを敷いて熱を拡散してみてますけど、場合によってはヒートシンクとか貼り付けても良いかもしれません。
CalDigit Thunderbolt Station でiPad を充電するには
ところで、今回のCalDigit Thunderbolt Station にはUSB 3.0 ポートも3つ搭載されているのですけど、このポートでiPad を充電するには、OS X にドライバソフトをインストールする必要があるようです。
ドライバソフトはCalDigit Thunderbolt Station - Apple SuperDriveに対応したドライバ のページからダウンロードできるようになっているので、必要な場合はこちらからインストールすると良いかもしれません。