Windows Live メールの受信が原因で Widnows 7 (x64) の処理が全体的に重くなる

SOFTWARE REPORT


Windows Live メール

Windows 7 では標準でメールソフトが搭載されていないため、以前に EZ-NET レポート: Windows 7 で Windows Live メールを使ってみる で記したように、Windows Live メールをインストールして利用していました。

そんな中、ふとそういえば Windows 全体の処理が重くなることがたびたびあることに気がついて、その原因をいろいろ調べていたところ、どうやら Windows Live メールがそれに影響しているような様子が見えてきました。自分の環境だけなのか、今使っている Windows Vista や 7 は、ハードディスクへのアクセス負荷の影響を受けやすいような気もするので、必ずしも Windows Live メールが原因のすべてではないかもしれないですけど。

 

ともあれ、使用している Windows Live メールのバージョンは Version 2009 (Build 14.0.8089.0726) なのですけど、少なくとも平成 22 年 5 月 1 日現在、Windows 7 Ultimate (64 ビット) において、Windows Live メールがメールの受信処理を始めると、その間はマウスカーソルがとびとびに動いたり、キーボードの入力が 1 秒以上遅れたりと、無視できない処理の遅さが感じられます。

メールサーバーとして "POP3" ではなく "IMAP" を利用していて、さらにフォルダー数が 60 程、それらのほぼすべてでメッセージの同期を行っていて、多いフォルダーには 2000 通程度のメールが保存されているのも影響しているのかもしれないですが、企業用途ではもっとたくさんのメールをやり取りしている例もよく見るので、とりわけて多いほどではないはずです。

メッセージの同期を "すべてのメッセージ" ではなく "新着メッセージのみ" に変更してみたり、不要なメールをいくらか削除したりしてみたのですけど、それでも目に見えて改善される感じはありませんでした。

もっとたくさんメッセージを削除してすっきりさせれば改善するのかもとも思ったのですが、さすがに "ほとんどメールを削除すれば大丈夫" といった解決策では話にならない気がしたので、そこまではやらずに、試しに別のメールソフトに変えてみて、Windows 7 の重さがどうなるか、試してみることにしました。

 

Thunderbird 3

Windows Live メールから別のメールソフトに変えるにあたり、これまでに良い評判を聞いていた "Thunderbird" を試してみようと思います。

この "Thunderbird" というメールソフトは、http://mozilla.jp/thunderbird/ で無償で提供されています。平成 22 年 5 月 1 日現在の最新版 Thunderbird 3.0.4 は 32 ビットのアプリケーションではありますが 64 ビットの Windows 7 にも対応しているとのことなので、これをダウンロードしてインストールしてみることにしました。

ただ、平成 22 年 5 月 1 日現在、Thunderbird には Windows Live メールの設定やデータをインポートする機能が搭載されていないようなので、そこが少し厄介ですが。

 

インストーラーを実行したら、後は手順に沿って進めて行けば、インストールはすぐに完了します。

途中、既定のメールクライアントとして設定される旨を示すメッセージが表示されていました。報告だけで、これが変更できないところはあまり良い印象は持てませんが、何はともあれあっという間にプログラムのインストールは完了です。

後は起動時にメールアカウントの設定画面が現れます。できることなら Windows Live メールの設定やデータをそのまま引き継げれば良かったのですけど、平成 22 年 5 月 1 日現在、どうやらそれは標準ではできないような感じですので、アカウントを新たに設定しなおす必要がありました。自分の環境では IMAP によるメール受信のため、メールデータの移行が必要ない分、助かりました。

また、"Thunderbird" を既定のメールクライアントとして設定する画面が現れました。個人的に、今は既定のメールクライアントにしたくはなかったのですけど、設定の解除ができないため、しかたなくここは [OK] しておきます。同様に、既定の RSS フィードクライアントとしても設定されてしまいます。

 

ともあれこれで Thunderbird のインストールができました。

インストール後、アドレス帳だけはインポートできないかとも思ったのですけど、これもなかなか厄介な感が否めませんでした。

Windows Live メールで出力した CSV ファイルでは、そのままでは文字化けしてしまうようです。正しく取り込むためには、何かテキストエディター等で SHIFT-JIS に変換してからインポートする必要があるようです。

また、取り込む際には、CSV のどのフィールドを Thunderbird に取り込むかを対応付ける設定画面が表示されるのですが、そこで列挙された項目を上下に移動させて、対応付けを行わなくてはいけません。その時、項目を上下に動かすために目的の項目をクリックすると、いったん既に入っていたチェックが外れてしまうので、再びチェックを入れなおさなくてはいけません。必要だから選択するのにチェックがはずれてしまうのは、直すのが非常に面倒です。また、上下に動く項目が右側の Thunderbird に存在する項目だったりと、個人的には直感的に操作できなくて、とても大きなストレスな感じでした。

アドレス帳のデータもそれほど重要なものがなかったので、そこまで苦労して取り込む必要はないと判断。結局、メールデータもアドレス帳データも移行せずに、アカウントの再設定だけを行う形で、乗り換え作業を済ませてしまいました。

 

Windows Live メールを終了してみると、それまで起っていた Windows 7 の動作の重さはほぼ解消されました。

それでもハードディスクへのアクセス過多らしい状態が起こるとまれに若干遅い感じはありますので、すべてが Windows Live メールの仕業ではないような感じですけど、それでもほぼ解消といった感じです。それもそのはず、Windows Live メールの自動受信機能によって、3 分に 1 回 20 秒間ほど、処理がもたつく状況が繰り返されていたのですから、それが解消されたことは、ずいぶん大きな改善です。

Thunderbird 3 受信中も特に重たくなることはなく、良い感じです。

ちなみに Thunderbird 、未読メールと新着メールとを区別してくれるところが面白い感じです。未読メールが格納されているフォルダーが太字で表示されるのは一般的なメールソフトと同じですけど、新着メールが届いたときには、そのフォルダーが青色で表示されてくれるので、単に未読メールがたまっているだけなのか、新しいメールが来たのか、ぱっと見て区別できるようになっていました。

青くなったフォルダーをクリックするまでは何度送受信が実行されても表示がもとに戻らないので、表題だけを確認しつつも未開封のままついついため込む自分にとっては、新着メールに気づきやすくてよさそうです。