モバイル PC - MP-XP741 を購入してみる
HARDWARE REPORT
購入に至る経緯
今までは SONY 社の PDA という手のひらサイズのデバイス CLIE PEG-S500C を利用していました。
これでも住所録をアカウント管理に使ったり、それを PC と簡単に同期できたり、PHS を使ってそれなりにインターネットも出来たし、電子メールも問題なく利用できたので、それなりに不自由はしていなかったのでした。
他に、これも SONY 社のノートパソコン VAIO PCG-505V/ABX というものも持っていたのですけど、こちらは起動して使えるようになるまでに 1 分近くかかってしまったり、さらにソフト1つ動かすにも 20 秒くらいかかったりと何かと待たされるのが目立ってしまっていたのでした。
さらにバッテリーの寿命なだけなのかは分からないのですけど、しばらく通電していないで久しぶりに使おうとすると電源を入れるまでに 30 分くらい待たされてしまったりで、こちらは何かととても手軽に使えるとはいえませんでした。
画面も 1024x768 まで出るし、メモリも 512MB に増やしたし、ハードディスクも強引に 40GB くらいのものに取り替えて、見た目のスペックは CPU が 300MHz とはいえそこそこ使えるつもりだったのですけどね。
余分なデバイスが内蔵されていない分、薄くて軽くて、その辺りはとてもお気に入りだったのですけど、不便がそれを上回ってしまったので、持ち運びやすい新しい PC を購入することにしたのでした。
モバイルミニノート PC - MP-XP741 を購入する
電気屋さんへ足を運んでノートパソコンのコーナーを見てみると、大きいのやらとても小さいのやら、最小限のものからメインで使えるくらいのさまざまな機能が整ったものまでいろいろなものが並んでいました。
今回は持ち運び重視で、バッテリーが長持ちして、CD-ROM などは付いていない方が良いけれど、それでも画面は大き目でなるべくキーボードは打ちやすくて…、いろいろとこだわりつつ眺めていると、赴いたお店では候補が 2 つに絞られました。
- InterLink MP-XP741 製品情報 [Victor JVC]
- 製品情報 レッツノートR3 (CF-R3E) Panasonic [Panasonic]
ひとつは Victor JVC の InterLink MP-XP741 というもの、そしてもうひとつが Panasonic の Let's note CF-R3EW1AXR だったと思います。どちらもモバイル PC という位置づけのものでした。
比べてみると、Let's note の方がバッテリーの駆動時間が長いし、全体的に僅かに大きいながらも十分小さいし、大きめなのでキーボードも打ちやすいしで実用面では問題がなさそうでした。それに 30cm ほどですけど、それほどの高さからの落下にも耐えられる設計というのもなかなか魅力でした。
一方の InterLink の方はというと、標準バッテリーでは 5 時間程度で、画面は 1,024x600 とまあまあながらも縦が狭いのがやや気になるところでしたけど、サイズは A5 サイズと手ごろに小さいし、やや小さいキーボードもそれほど打ちにくい感じはしなかったしで、こちらも実用に耐えうる感じでした。
他に大きな違いといえば、まずはポインティングデバイスでしょうか。
Let's note の方のホイールパッドは、ノートパソコンでほぼ一般となっている感じの平らなパネル上で指を滑らせてマウスポインタを動かすものです。さらに Let's note は、パネルのふちが円形になっていて、そこを指で円を描くように操作するとウィンドウのスクロールが出来るようになっているとのことで、なかなか便利そうではありました。
本来はこのパネルの方が使いやすいのかもしれないのですけど、個人的に大学の頃に貸し出された TOSHIBA 制のノートパソコンが初めて使ったノートパソコンなのですけど、それに採用されていたのが InterLink のと同じスティック型のものでした。
スティック型のポインティングデバイスは、キーボードの真ん中辺りにちょんと付いている感じで、それを傾けてあげるように指で押してあげると、マウスポインタが動くのでした。指の力がスムーズに乗ってくれる感じで、慣れてくるとパネルよりもずっと操作しやすい気がします。
パネルのように場所もとらないから、その分 PC も小さくなるし、そういう面でも良い気がします。
あとはどちらも、無線 LAN も通常の LAN も搭載されているし、Windows XP Professional だしで、機能面では大差ない感じだったのですけど、もう一つ小さな気になることとしては、USB ポートが InterLink の方は右側についているということでした。
以前に使っていた VAIO は左側に USB ポートが付いていたのですけど、USB マウスをつけたりするときなど、左側だと線をぐるっと右側へ回さないといけなかったりで、僅かに面倒な感じがしました。テンキーも右側ですし、コネクタに何かを指すにも右手でやるほうが慣れているので、些細な事ながら個人的にはけっこう大きい違いでした。
最後まで引っかかっていたのは、画面の大きさと、バッテリーでの駆動時間だったのですけど、画面については PDA のかわりをこなすには十分すぎる広さだし、バッテリーについては 2 つ持っておきたかったのでそのときに大容量のものを買っておけば Let's note に近い駆動時間になるので、最終的には Victor 社の InterLink MP-XP741 の購入に至ったのでした。
MP-XP741 を動かしてみる
バッテリーを充電してみる
付属品を確認しつつ説明書を眺めていると、バッテリーの充電に関するお話が書かれていたので、まずは付属のバッテリーを取り付けて充電しながら、説明書を読み進めておくことにしました。
出荷時に取り付けられているジャンパーピンを取り除いて、バッテリーを装着して、AC アダプタでコンセントと本体を繋いであげれば充電開始です。アダプタを挿したときから、手前側のインジケーターがオレンジ色に点灯していれば充電中であるそうです。
MP-XP741 には先ほど取り付けた外付けバッテリーの他に内蔵バッテリーも備わっていて、容量の小さい方のバッテリーから先に充電が始まるとのこと。最初は [ 1 ] と書かれた方だけがオレンジ色に点灯していることから、内蔵バッテリーから充電が始まっていて、外付けはまだ空っぽの状態の様子が伺えます。
なお、このインジケーターは AC アダプタで駆動しているときのみ点灯し、バッテリーでの駆動時は消灯するとのことでした。
また、説明書の中でバッテリーに関して触れられていた部分がありました。
バッテリーは使って行くうちに持ちが悪くなるようなのですけど、その際に "リフレッシュ" を行ってあげることで改善されることがあるとのことでした。
AC アダプタによる電源供給が行われている状態で PC を起動して、"Victor" のロゴが表示されているときに [Alt] + [F2] を押すと BIOS 画面に移り、その中の [Power] → [Start Battery Calibration] を選択すると、リフレッシュ手続きに入るそうです。
手続きは、バッテリーの充電 → 放電という流れで行われていったん PC の電源が落とされたあと、もう一度この手続きを行うことでリフレッシュが完了するとのことです。
このリフレッシュ作業、バッテリー容量がすぐ空になってしまう場合のほか、バッテリーパックを新規に交換した場合にも行うように書かれているのですけど、説明書の最初の方の、セットアップの流れの中では触れられていないのですけど、今はまだやらなくて良いのかは良く判りません…。
起動してみる
充電中のまま、ともあれ MP-XP741 を起動してみることにしました。
電源ボタンを押してみると Victor のロゴが表示された後、すぐさま Windows XP の起動が始まりました。ただ初回起動のモードのようで様子は若干異なり、2 分くらいでしょうか、しばらく待たされることとなりました。
しばらくすると "Microsoft Windows へようこそ" という画面が表示されました。
とりあえず [次へ] 進んで、使用許諾契約に同意したあと、コンピュータの自動更新の有効/無効の選択となりました。自動更新は安全といえば安全なのですけど、作業の途中に再起動を要求されると何かと不便だったりするので、ここでは設定しないでおいて、あとで通知だけする設定にしようと思います。
そしてコンピュータ名を設定して、[次へ] 進んでみると、少しばかり待たされた後、インターネット接続の設定になりました。うちの環境は LAN 接続なので、そのように設定して行きました。
ネットワークが有効だからか、Microsoft 社へのユーザ登録を行うかとの問いが表示されましたけど、"任意" ということもあるし、さほど興味がないので登録しないで置くことにします。
あとはユーザ名を登録して、準備完了となりました。
これでもう、普通に使えるようになったみたいです。
説明書には InterLink オリジナルソフトウェアのインストール方法についても書かれていましたけど、ざっと見る限りではそれらのソフトウェアは既にインストールされているような感じがします。あまり興味がないので詳しくは調べていないのですけど…。
ともあれ 「コンピュータの管理」 を起動して、アカウントのパスワードを設定しておきました。それとマウスポインタの移動速度が少し遅い感じだったので、その辺りも調整しておきました。
あとは Windows ドメインにこの PC を参加させつつ、Windows Update を実行して最新のセキュリティパッチを充てて、とりあえずの設定は完了しました。
あとは使い心地を確かめつつ、ふと液晶部分を倒してみると、Windows がスタンバイモードへと自動的に移行しました。
こういうのには慣れていなかったので一瞬なんだか面倒そうに思えたのですけど、復帰も早そうですし、これはこれでなかなか良いかもしれないですね。ただ昔の話かもしれないですけど、スタンバイから復帰したときに動作が不安定になるような気もして、そこだけが気になるところですけど。
… と、リモートデスクトップ接続で操作中にうっかり液晶画面を倒してしまうと、そのままスリープしてしまうのはちょっと厄介かもしれないです。
ともあれざっと使った感じ、メモリこそ、タスクマネージャを見ると 200MB くらい使用している状態だったので、もう少し増やすのも悪くないかと思いつつ、体感速度的には非常に快適で、とても良い感じでした。
持ち運びもしやすいでしょうから、国語辞典とか英和辞典とか、地図とか路線検索ソフトとかをインストールしておくと、かなり重宝しそうです。
気になったことや調整など
イベントログがいっぱいに
Windows Update を実行したりしてまもなく、ログオン時のダイアログに、イベントログがいっぱいだという知らせが表示されているのに気づきました。
「管理ツール」 の 「イベントビュア」 で確認してみると、どうやら多数のエラーとかと言うのではなくて、"セキュリティログ" の特権の使用まわりが記録されているようでした。
量が随分多いのが気になりましたけど、どれも自分のアカウントだったりシステムアカウントだったりして、とりあえずは Windows Update やら、ドメイン参加などなどの都合で増えたのかもしれないです。
いったん消した上でしばらく様子を見てみましたけど、その後はそれほど急激に増えることもなかったので、今のところは問題にはならなそうです。
ウィルス対策ソフトの設定
他に symantec. 社のウィルス対策ソフト Norton AntiVirus 2004 もバンドルされていました。
何回かの起動のあと有効期限が切れていると表示され、いろいろと設定中だったのでそのまま再起動してみたりなどしていたら、ちゃんとした有効化手続きのウィンドウが表示されたので、有効化しておくことにしました。
使用許諾契約に同意して、サービス期間を確認したら、それで手続きは完了でした。有効期間は 90 日間で、それ以降は改めて 1 年の契約更新を行う必要があるようです。
閉じたままでも動作できるようにする
リモートデスクトップにて操作を行うときに、ディスプレイを閉じたときにスタンバイ状態に移行してしまうのは何かと不便なので、閉じたままでも動作できるように電源周りの調整を変更してみることにしました。
「コントロールパネル」 から 「電源オプション」 を選択して、表示されたダイアログボックスから [詳細設定] タグを選びます。そして [ポータブル コンピュータを閉じたとき] の状態として設定されていた "スタンバイ" を "何もしない" に変更します。
これで液晶を閉じても、そのまま駆動し続けるようになりました。
うっかり電源を切り忘れてしまった場合はバッテリーの浪費などにも繋がるでしょうけど、バッテリー駆動中は同じく電源管理で 5 分後にスタンバイするように設定されていますし、目立たないながらも正面にインジケータが付いているし、そもそも閉じたらスタンバイするという状態に慣れていなければ、さほど問題にはならないことでしょう。
ソフトウェアをインストールする
スタートメニューを眺めていたら、"はじめに実行してください" という InterLink 印のアイコンがあったので、ある程度調整し終わってからですけど、実行してみました。
すると InterLink 用のオリジナルソフトウェアのインストール手続きとなったようなので、進めてみました。
途中に 「ハードウェアのインストール」 ダイアログが現れてドライバをインストールするか尋ねられますけど、それらを 「続行」 して行くと、インストールが完了して再起動となりました。
実際のところは、ターミナルサービスで接続した状態でインストールを行ったらエラーとなってしまったのでした。予期しないエラーだったようなダイアログボックスだったのですけど、とりあえずそれはダメだっただろうとして、そのまま進んでしまった感じでした。
再起動後には "はじめに実行してください" というアイコンがなくなってしまっていたので、いろいろ探してみて "C:\DRIVERS\" 内の "setup.exe" を実行するとオリジナルソフトウェアのインストールが始まったので、それだけ行っておきました。これだけで十分なのかは分からないですけど、もしまた何か都合が悪くなることがあったなら、その都度必要そうなものを探してみることにします。
何にせよ "はじめに実行してください" アイコンは、リモートデスクトップ経由ではなく、ちゃんと PC そのものにログオンした状態で実行するように注意した方が良さそうでした。