Virtual Server 2005 Standard Edition を使ってみる
SERVER
Microsoft Virtual Server 2005 Standard Edition
Microsoft Virtual Server 2005 は、Microsoft 社が提供している仮想マシンソリューションです。
Windows 上に仮想マシンを構築し、あたかも別のパソコンが存在しているかのような環境を作り出すことが出来ます。これだけなら Microsoft Virtual PC でも可能なのですけど、Virtual Server の方は効率よく運用・管理を行うためのさまざまな機能が搭載されているとのことでした。
他にも Virtual Server 2005 と Virtual PC 2004 とでは、仮想マシンの仕様において、基本的には同じながらも若干の違いがあるそうです。
Virtual Server 2005 Virtual PC 2004 サウンドカード × ○ SCSI サポート ○ × CD-ROM ドライブ 複数台 1 台 サウンドカードは Virtual Server 2005 ではサポートされず、登録されているとそのプラグアンドプレイ機能によって支障をきたすことがあるらしいので、両方で利用したい場合にはサウンドカードを設定からはずす方が良いそうです。
また SCSI については Virtual Server 2005 のみでサポートされているため、SCSI ディスク構成の仮想マシンを Virtual PC 2004 にて起動しようとすると、その時はそれらのドライブは無いものとして振舞われるらしいので注意が必要です。
CD-ROM ドライブは、Virtual PC 2004 では 1 台しか利用できないものの、Virtual Server 2005 では複数の CD-ROM を実装することが出来るようになっているそうです。この都合で、両方での利用を想定する場合は、CD-ROM ドライブを 1 台のみとした上で、それを "セカンダリチャネル 0" に接続させる必要があるとのことでした。
また Virtual Server 2005 は 2 つの Edition が存在します。
これらの違いは利用可能な CPU 数だけだそうで、Standard Edition は最大 4 CPU を、Enterprise Edition は最大 32 CPU を搭載した PC をサポートしているとのことでした。
Virtual Server 2005 の動作環境は、基本的に Windows Server 2003 とのことです。Windows XP Professional へもインストールする事は出来るとのことですけど、この場合は実運用環境では利用していけないとのことでした。
また Windows Server 2003 へインストールした場合でも、その Virtual Server 2005 上で動作している OS へアクセスするユーザは、仮想マシンの OS アクセスライセンスのみならず、ホストである Windows Server 2003 へもアクセスするライセンスを有する必要があるらしいので注意が必要です。
さて、今回は MSDN ライブラリの Enterprise Subscription に契約すると、2005/03/31 まで限定で特別にダウンロードすることが出来るようになっていた Virtual Server 2005 を試してみることにします。なお、ダウンロード期間は 3 月いっぱいでも、使用に関してはそれ以降も問題ないとのことですので、存分に使用することが出来ます。もっとも MSDN 製品ですので開発用途での利用のみとなりますけど。
1 CPU の Windows Server 2003 Standard Edition をインストールした PC にて実験してみようと思うので、とりあえず Standard Edition としましたけど、必要ならば Enterprise Edition も公開されていましたので利用することも可能です。
ダウンロードしたファイルは ISO ディスクイメージですので、それを CD-R へ書き出すか、またはマウントできる環境なりを用意しておく必要があります。個人的には 株式会社アーク情報システム の CD 革命 Virtual 6.5 という仮想 CD-ROM ソフトにマウントして利用しました。
では、さっそくインストール作業へ移りたいと思います。
Virtual Server 2005 のインストール
必要環境
Microsoft Virtual Server 2005 をインストールするに当たってのシステム要件がファーストステップガイドに載っていたので、確認もかねて挙げておくことにします。
CPU は L2 キャッシュを搭載した 550MHz 以上の x86 系とのことでした。推奨は 1GHz 以上とされています。また、CD-ROM ドライブと Super VGA (800x600) 以上の解像度を備えたモニタを推奨とのことでした。
他にもメモリやハードディスクの容量についても触れられていましたけど、これは仮想マシンとして用意したい環境によって大きく異なるので、ここでは特に触れないでおくことにします。ただ Virtual Server 2005 で使用するハードディスクは、NTFS にてフォーマットされていることがほぼ必須だそうです。
使用許諾契約とか
CD-ROM を挿入すると、"Microsoft Virtual Server 2005 セットアップ" が起動します。そして表示されたウィンドウの "Microsoft Virtual Server 2005 のインストール" をクリックするとインストール作業の始まりです。使用許諾契約に同意したら、続いてユーザ情報と Product Key を入力します。
MSDN 版の場合は My Product Keys にてキーを入手する必要がありますので、期間限定の特別提供ということもあり、もしかするとキャンペーン終了後にはキーも手に入らなくなる可能性があるので気をつけておきましょう。
セットアップの種類 - カスタムセットアップ
続いてセットアップの種類の選択です。特にこだわりが無ければ "完全" セットアップで良いのでしょうけど、今回はとりあえずインストールディレクトリを変更しておきたいことと、どんな機能がインストールされるのかを確認しておきたいので、"カスタム" を選択しておきました。
インストールセットとその説明は次のとおりでした。
Virtual Server サービス 34 MB Virtual Server サービスがインストールされます。 ドキュメントおよびデベロッパー リソース 5484 KB Virtual Server とともに使用するソフトウェアの開発用ライブラリおよび参照ファイルが含まれています。 バーチャル マシン リモート コントロール クライアント 388 KB スタンドアロンのバーチャルマシンリモートコントロールクライアントがインストールされます。 Virtual Server Web アプリケーション 5066 KB Virtual Server Web 管理アプリケーションがインストールされます。 この感じだと "Virtual Server Web アプリケーション" をインストールしなくても、別の PC へ "バーチャルマシンリモートコントロールクライアント" をインストールすれば、Virtual Server 2005 の遠隔管理が出来そうですね。
ともあれ今回は、すべてをインストールしておくこととします。
コンポーネントの構成 - Virtual Server Web アプリケーション
"Virtual Server Web アプリケーション" をインストールする場合、そのアクセス先となる "Virtual Server 管理 Web サイト" が IIS へ追加登録されるとのことでした。今回の PC には既に IIS をインストールしてあったのですけど、そうでない場合はここで追加されるのかもしれないですね。
ここでは登録する Web サイトのポート番号を指定するとともに、そのサイトがどのユーザ権限で実行されるかを指定します。今回はディフォルトのまま、ポートは "1024" の、権限は "認証されたユーザーとして実行するように構成する" を使用することにしました。
ファイアーウォール経由での利用を想定している場合、ちゃんとこのサイトへ接続することが出来るように、あとでこのポート番号を通過できるよう調整する必要があります。
インストール
必要な情報を入力したら、あとは "インストール" ボタンを押せばインストール処理が始まります。
そして少しだけ待ってインストールは完了となりました。
なお、最後の方でいったんネットワーク接続が途切れますので、ターミナルサービスを用いてインストールしている場合は止まって見えるかもしれないです。自分がそうだったのですけど、その場合でもすぐに復帰していますのでターミナルサービスクライアントの画面をちょっとクリックでもしてあげれば、すぐに正常に完了したことを示す画面へと切り替わりました。
インストールが終わって、とりあえず早速どんな感じかを試してみようかと思ったのですけど、【スタート】 メニューの中に "Microsoft Virtual Server" という項目はあるものの、その中には説明書とクライアントツールくらいしか見当たりませんでした。
なので 【管理ツール】 の 【サービス】 に登録されていないか調べてみたところ、"Virtual Server" サービスが登録されていて、しっかりと自動起動していました。あとはこれに接続して、仮想マシンの登録など、いろいろと設定してゆくことになるのでしょう。
そのすぐ上に登録されている "Virtual Machine Helper" サービスも、Virtual Server 2005 に関するプログラムとのことでした。
Virtual Server 2005 を利用する上での留意事項
"Virtual Server" サービスは NETWORK SERVICE アカウントで起動し、各仮想マシンはそれに割り当てられたアカウント権限で起動するとのことでした。なるべく低い権限で仮想マシンを動かすようにと文書に書かれていたので、安全のため Guest アカウントでも作成して、それに従うと良いかもしれないですね。
なお、作成したアカウントに最低限必要な権限は次のとおりとのことでした。
.vmc ファイルが保存されたフォルダ フォルダの一覧を取得、およびファイルの書き込みと作成権限を与えることで、仮想マシンの状態を保存することが出来るようになるとのことです。 .vmc ファイル 仮想マシンの構成ファイルには、データの読み書きおよび実行を行える権限を与える必要があるとのことです。 .vhd ファイル 仮想ドライブを構成するファイルには、データ・属性・拡張属性の読み取りと、データの書き込み権限を与える必要があるとのことです。 .vnc ファイル 仮想マシンが仮想ネットワークへ接続するために、データ・属性・アクセス許可の読み取りと、ファイルの実行権限を与える必要があるとのことです。
またネットワークは独立しているようで、ホスト PC のファイアーウォールやウィルスチェックプログラムは、仮想マシンのネットワークには影響を及ぼさないようなので、そのあたりも覚えておくと良さそうです。
Virtual Server 2005 へ接続してみる
Web 管理サイトへ接続してみる
まずは簡単そうな Web 管理サイト経由での Virtual Server 2005 への接続を試してみます。
とりあえず Virtual Server 2005 をインストールした PC から "http://localhost:1024/" へと接続を試みてみたのですけど、すると "Directory Listing Denied" エラーとなりました。説明書で調べてみると "http://localhost:1024/VirtualServer/VSWebApp.exe" とするのが正しいそうで、これでアクセスを試みたところ、今度はちゃんと接続できた様子ではあるものの、別のエラーとなりました。
"パラメータが間違っています。" とのことで、ISAPI がエラーを返してしまっているようでした。
たぶん "localhost" 宛で接続しているのが問題なのでしょうと、とりあえずコンピュータ名に設定してある名前を使って接続してみましたけどこれもダメ、続いてドメインも含めたフルコンピュータ名として登録されているものを使ってアクセスを試みたところ、ようやく Windows 認証を促すダイアログが表示されるようになりました。
よくよく見てみると、スタートメニューの "Microsoft Virtual Server" の中の "Virtual Server 管理 Web サイト" をクリックすれば簡単に接続できたのですけど。ともあれこちらも、フルコンピュータ名による URL 指定となっていました。
とりあえず Administrator 権限を持ったアカウントにて認証を通過してみると、Virtual Server 2005 の機能を統括する管理ページがブラウザに表示されました。
仮想マシンの作成や管理やその一覧のほか、仮想ディスクや仮想ネットワークの設定や、Virtual Server の各種設定が簡単に行えるようになっていて、とっても勝手が良さそうです。まだ登録していないものの、仮想マシンすべての起動状態や CPU 利用率も一覧で確認できるようになっているようです。
VMRC へ接続してみようとする
Web 管理サイトを操作して行けば問題なく利用することが出来るのでしょうけど、今回はもうひとつのクライアントツールである "バーチャル マシン リモート コントロール クライアント" にても接続して、どちらが自分好みか比べてみようと思います。
ファーストステップガイドを参照してみると、どうやらこれで接続する場合は VMRC (Virtual Machine Remote Control) サーバを有効にする必要があるそうです。
この VMRC は最初は無効に設定されているそうで、Web 管理サイトから簡単に有効にすることが出来るようになっています。
出来れば今回は Web 管理サイトがインストールされていないことと仮定して、それ以外の手段で VMRC を有効にしてみようと思ったのですけど、どうやらそれは簡単にはできなそうでしたので、管理サイト経由で設定を行ってみることにします。
その後で IIS が不要だったとするならば、それ自体を停止しておけばいいですしね。
Virtual Server 2005 の管理ページへ接続して、VMRC を有効にしてみます。
"Virtual Server" から "サーバーのプロパティ" を選択すると、サーバのさまざまな設定が行えます。その中の 【バーチャルマシンリモートコントロール (VMRC) サーバー】 を選択すると、VMRC の有効化および調整を行うことが出来るようになっていました。
「VMRC サーバー」 の項目にチェックを入れて、待ちうけ IP アドレスとポート番号を設定します。他にも認証方法に NTLM と Kerberos とが選べたりとか、SSL 関連の設定が行えたりなどありましたけど、とりあえずは簡単な設定にしておきました。
Virtual Server 2005 の VMRC が有効になったら、さっそくそれに接続してみます。
とりあえず Virtual Server 2005 が稼動しているコンピュータにて、スタートメニューから "Microsoft Virtual Server" → "バーチャル マシン リモート コントロール クライアント" を実行してみました。すると、次のような書式で仮想マシンへの接続を行ってくれとの表示がなされたダイアログボックスが表示されたのでした。
vmrc://computer.subdomain.domain.com:5900/virtual machine
どうやらまずは管理サイトで仮想マシンの登録を行っておかないといけないようです。
仮想マシンを登録する
一通りは眺めてみたので、いよいよ仮想マシンの登録を行っています。
Virtual PC 2004 とは違って Virtual Server 2005 は Web 管理ページで作業を行う必要があるので、そのあたりの勝手がどう変わってくるかが気になりつつ、とりあえず Virtual Server 2005 の管理サイトへ接続してみました。
そして左側のメニューから、”バーチャルマシン” の ”追加” をまずはクリックしてみます。
というのも、今回は Virtual PC 2004 で作成した仮想マシンを持っていたので、それを登録してみようと思ったのでした。それがない場合は ”作成” を選んで、メモリ容量やディスク容量を設定したりして、仮想マシンを作成することとなるようです。
さて、追加ページへ進んでみると、「既知の構成ファイル」 または 「ファイルへの完全修飾パス」 を指定して、仮想マシンの構成ファイル (.vmc) を指定するとのことでした。前者はプルダウンメニューで、後者は単純なテキストボックスです。
テキストボックスでも良いのですけど、とりあえずは既知の構成ファイルの一覧を使用できないかやってみようと思います。
この一覧に候補を載せたい場合、”Virtual Server の検索パス” ページにて適切な指定を行う必要があるようなことが書かれていたので、まずはそれをやってみます。この管理ページへ移動してみると、「既定のバーチャルマシン構成フォルダ」 および 「検索パス」 という二つのテキストボックスがありました。
この検索パスの方へ仮想マシンを配置しているフォルダを指定すれば良いということなのですけど、今回は検索パスではなくて既定の方を変えてみることにします。
C:\Virtual\
たとえばこんな感じに、物理パス指定で書き込めば良いみたいです。
こうした上でまた ”追加” ページに戻って、既知の構成ファイル一覧を確認してみたところ、先ほど指定したパスの下に含まれる仮想マシンがしっかりとリストアップされました。あとは目的の仮想マシンを選択してあげれば、これで追加は完了です。
上でも少し触れましたけど、多くの場合で Virtual PC 2004 と互換性がありますから、特に問題なく登録完了となりました。注意する点としては、ネットワークアダプタが割り当てなしに設定されていましたので、その PC にインストールされている LAN インターフェイスを改めて指定するくらいでした。
ついでだったので Virtual PC 2004 にはない SCSI アダプタについても少し実験してみました。
SCSI ドライブは、管理ページからまずは "SCSI アダプタ" を組み込めばすぐに登録することができるようになります。ディスクイメージは SCSI と IDE とで共通みたいなので、好きなときに交換できそうですし、足りなくなったら SCSI の導入も検討するということもできそうです。
サーバ用の仮想マシンソフトではないのですけど、以前に使っていた Networld 社が販売している VMware というソフトウェアがあったのですけど、これも仮想 SCSI 対応ながら、SCSI と IDE とでディスクイメージが違って何かと不便だったので、Virtual Server 2005 の SCSI はなかなか手軽に使えて良さそうです。
仮想マシンを動かしてみる
登録した仮想 PC を早速動かしてみることにします。
動作させるには PC の絵の描かれたアイコンをクリックすれば良いとのことなので、それをクリックしてみたところ、なにやらやけに小さい縮小画面のまま、しかも Web ページのリロードを待ちながら、動作しているような感じでした。隣には CPU の利用率が表示されつつ…。
こうやってバックグラウンドに動作するだろうことはわかっていたつもりなのですけど、いざそうなってみると、次はどうしたらいいのやら迷ってみたりでした。
とりあえず、ためしに縮小画像をクリックしてみると、なにやらちゃんとした画面が見れそうなページへジャンプしました。
第一回目の起動だからなのでしょう、”Virtual Server VMRC ActiveX Client Control” のインストールが促されるので、それをインストールしてみると、どうやら上手く接続することが出来たようです。SSL による暗号化を設定していないので、注意事項が促されますが、今回はとりあえずそのまま先へ進んでみます。インターネット経由などで運用する場合は、途中で画面を覗き見される可能性もあるとのことなので、SSL にて暗号化したほうが良さそうです。
ともあれこれで、デスクトップ画面が表示され、操作可能となりました。Virtual PC 2004 の時と同じように [右 Alt] + [Delete] で Ctrl+Alt+Delete が送信できるので、それを踏まえてログオンしたりなんなり、普通に利用することが出来ました。
別の PC から VMRC にて接続してみる
Virtual Server 2005 への仮想マシンの登録が完了したので、あらためて VMRC クライアントソフトによる接続を行ってみようと思います。ただし今回は、前回どうようではあまり面白くないので、他の PC から VMRC を利用して接続するという感じですけど。
まずはクライアントソフトをインストールしようと Virtual Server 2005 の CD-ROM を使ってインストーラーを起動してみたのですけど、その PC には Virtual PC 2004 がインストールされていまして、インストーラを起動するなり、Virtual PC 2004 を終了してくれと言われてしまったのでした。
ということは Virtual PC 2004 をアップグレードしようとする感じなのでしょうか…。
なんだかそこまでするのも大げさなので、簡単に VMRC クライアントがインストールできないか調べてみました。
CD-ROM の内容をみてもそれらしいインストーラはなかったのですけど、説明書を読んでみると、VMRC クライアントはそれ単体で機能するプログラムとのことで、それをコピーしてあげれば、そのまま利用可能とのことでした。
なのでさっそくバイナリファイルを探してみると、"C:\Program Files\Microsoft Virtual Server\VMRC Client\" というフォルダの中に "VMRC.EXE" というファイルがひとつ存在していました。それをコピーしてきて起動してみるとしっかりダイアログが現れたので、書式にしたがって PC を指定してみます。
すると…、なんだか上手く表示されませんでした。
画面の中央に 「接続なし」 という表示がなされたまま、それ以上はうんともすんとも言わないのでした。でも Virtual Server 2005 の管理サイトを参照してみると、トップページには VMRC の表示を取得しようとしたようなことを示すイベントが記録されていたりして、とりあえずサーバ自身への接続は上手くいっているようですけど、どうやらすぐに切断されてしまっているようですね…。
特にファイアウォールの設定などもしていないし、何のせいなのだかよく判らずです。
なのでまずは Virtual Server 2005 をインストールしてある PC から VMRC クライアントを使用して接続してみることにしました。
同じように VMRC を起動して、仮想マシンを指定してみると…、サーバ上では問題なく接続することが出来るようです。とすると何らかのセキュリティ設定か、または何らかのネットワーク的な要因が発生しているのかもしれないですね……。
などと思いつつよく確認してみると、なにやら仮想マシンの指定の、ドメイン名の部分が間違っていることが判明しました。というか、サーバ上で実験したときと同様の間違いだったりしたのですけど…。なんで同じ間違いをしていたのか、サーバ上の管理ページに記録が残っていたのか、なんだかよく判らないところもありますけど、ともあれ問題なく接続できていい感じでした。
さて、ちょっと使っていて気づいたことなのですけど…。
当たり前ながら、リモートデスクトップとは違うので、OS の再起動等を行った場合にはいわゆる BIOS 画面から全部が VMRC クライアントにて確認できました。
遠隔管理の場合、再起動に失敗してよく判らないなんていうことが意外とあると思うので、もちろんホストが落ちたら意味ないですけど、そうでなくて仮想マシンが停止してしまったり、メンテナンス等の場合に、これはかなり役に立ちそうな気がしました。
また、VMRC クライアントで Virtual Server 2005 のドメイン名までを指定した場合、登録されている仮想マシンの稼働状況の確認および、停止中の仮想マシンの起動を行うことが出来ました。新規登録こそ管理サイトで行う必要があるものの、それ以外は VMRC クライアントでだいたい事足りそうな感じです。
VMRC で必要となるポート
ドキュメントをあさっていたときに、Virtual Server 2005 で VMRC を利用する上で必要となるポートが掲載されていましたので、今後に必要になる可能性もありますし書き出しておくことにします。
5900 TCP VMRC サーバの既定ポート 1024 TCP 管理 Web サイトの既定ポート 137 TCP,UDP NETBIOS ネームサービス 138 TCP,UDP NETBIOS データグラム 88? TCP,UDP Kerberos V5 チケット保証機関 Kerberos V5 チケット保証機関については、ポート番号が明示されていなかったので良くわかりませんでした。インターネットで調べた限りでは 88 番のような気もするのですけど、決定的な情報を見つけることは出来なかったため間違っているかもしれないです。
Virtual Server を管理できる権限を調整する
Microsoft Virtual Server 2005 は、ディフォルトでは Administrators 権限を用いての管理のみが許可されています。
それ以外のアクセス権で管理サイトへアクセスすると、管理サイト自体へは接続できるものの、トップページの Virtual Server の一覧が表示されなかったり、調整なども行えず、最近のイベントをチェックすることも出来ません。
他の権限でも Virtual Server を管理できるようにするためには、まずは Administrators 権限を用いて管理サイトへアクセスします。そして、左のメニューの "Virtual Server" から "サーバーのプロパティ" をクリックして、"Virtual Server のセキュリティ" を選択します。
すると、現在登録されているアクセス許可エントリが表示されるので、「エントリの追加」 ボタンを押して、"ユーザーまたはグループ" へ権限を与えたいアカウント名を入力してその他の詳細情報を調整し、「OK」 ボタンを押せば登録完了です。
こうすることで、そのアカウントを用いて Windows にログオンして管理サイトへアクセスすれば、Virtual Server の登録や、その他の設定を行うことが可能になります。また、管理サイトだけでなく、VMRC による接続も問題なく出来るようになります。
無線 LAN をネットワークアダプタとした場合
Microsoft Virtual Server 2005 のネットワークアダプタとしてホスト OS の無線 LAN を割り当てた場合、利用できないことはないのですけど、なんだか応答速度が体感的に遅いような気がしました。
しかも、そのときは USB 2.0 接続の無線 LAN アダプタだったからなのかもしれないですけど、USB 2.0 ハードディスクを接続してローカルハードディスクとの間でファイルのコピーを行っていたりしたところ、ゲスト OS はおろか、ホスト OS ともなかなか通信できないという状況が発生してしまったのでした。
PCI 接続の有線 LAN アダプタに切り替えてみたところそういう問題はなくなったので、無線 LAN はあまり向かないかもしれないです。