64 ビット版 Windows 7 で PDF に電子署名する(その2)
SOFTWARE REPORT
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64 ビット版 Windows 7 で "サムポローニア neo 電子認証システム(単体版)" を使って電子署名を行う
64 ビット版の Windows 7 で電子署名を行うに当たり、EZ-NET: 64 ビット版 Windows 7 で PDF に電子署名する に記した方法で、法務省が無償提供する PDF 署名プラグインを使ってみたのですけど、どうにも勝手が良くない感じでした。
そこで、以前に EZ-NET: 法務省の電子証明書を取得する の時に購入した 株式会社ピスク 様の "サムポローニア neo 電子認証システム(単体版)" に付属している "ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインを使用して、Adobe Acrobat 9 Standard 上で電子署名を行ってみることにしました。
今回使用する "サムポローニア neo 電子認証システム(単体版)" は、平成 21 年 7 月頃の製品だったので、その頃はまだ Windows 7 が登場していませんでした。さらには 64 ビット環境もまだ幕が開けたばかりで、この製品自体も 64 ビットには対応していなかったため、今回の Windows 7 (x64) は、まさに想定されていない環境です。
そのせいもあってか、少し微調整が必要でしたけど、とりあえずなんとか利用できるようになりました。
まず、"サムポローニア neo 電子認証システム(単体版)" のインストールを行います。
まずは通常の手順通り、"サムポローニア neo 電子認証システム(単体版)" の CD-ROM を光学ドライブに挿入して、インストーラー "setup.exe" を起動します。そして画面の手順に従って、今まで通りインストールを行って行きます。
インストールが完了して、これで Adobe Acrobat 9 で "ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインが使用できるようになればいいのですが、どうやら Windows 7 (x64) 環境では、そのままではうまく使えないようでした。
具体的には、Adobe Acrobat 9 を起動しても、"eXPDFSign" プラグインが認識されていない状態です。
この理由を調べてみると、どうやら肝心の "eXPDFSign" プラグインが、Adobe Acrobat 9 のプラグインフォルダーにインストールされていない様子でした。
そこで、"サムポローニア neo 電子認証システム(単体版)" をインストールしたフォルダー内に保存されていたプラグインファイル ("C:\SumEX\SumEXSV\Bin\Plug_ins\" フォルダー内の "EX41598.API" 及び "EX41599.DLL" の 2 つ) を、Adobe Acrobat 9 のプラグインフォルダー ("C:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 9.0\Acrobat\plug_ins\") にコピーしてみることにしました。
これらの "ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグイン構成ファイルをコピーして、Adobe Acrobat 9 を起動させてみたところ、"ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインを利用することができるようになりました。
"ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインなら、管理者権限がなくても電子署名を行うことができましたし、署名の検証機能もついているので、署名された内容の正当性を検証することもできました。
IC カード形式の証明書も PKCS#12 形式(拡張子 p12)の証明書もすぐに切り替えて使用できますし、パスワードも電子署名ごとに本来のパスワードを求められるので、以前に EZ-NET: 64 ビット版 Windows 7 で PDF に電子署名する で使用した 登記ねっと からダウンロードできる無料の PDF 署名プラグインと比べて、使い勝手がとても良い感じです。
Adobe Acrobat 9 で電子署名の環境設定を行う
もし、署名に使用するプラグインのディフォルトを別のものに設定している場合には、次のようにして "ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインを利用できるようにする必要があると思います。
Adobe Acrobat 9 の場合、システムメニューの【編集】から【環境設定】の中にある【一般】を選択して、電子署名の環境設定を行うことができます。Acrobat のバージョンによってはけっこう設定方法が違うようなので注意してください。
そして、表示された "環境設定" ダイアログの、分類から "セキュリティ" を選択して、"電子署名" のところの【詳細環境設定】ボタンをクリックします。
すると、電子署名の詳細環境設定を行う画面が表示されます。
ここで "文書の署名及び暗号化時に使用するディフォルトの方法" として、"署名時に確認" または "eXPDFSign" を選択することで、電子署名の際に "ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインを使用することができるようになると思います。
eXPDFSign プラグインで "IC カード(公的個人認証)" が選択できない場合
"ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインを使用して電子署名をしようとした際に、"IC カード(公的個人認証)" が選択できない場合がありました。
これは、公的個人認証サービス ポータルサイト で提供されている "利用者クライアントソフト" がインストールされていないことが原因でした。
平成 23 年 4 月 22 日の時点で提供されている公的個人認証サービス利用者クライアントソフトは、Windows 7 の 64 ビット版に対応しているようですので、特に難しいことはなく、手順に従ってインストールを行えば、住基カードに記録した公的個人認証サービスの電子証明書を使用して、電子署名ができるようになりました。
eXPDFSign プラグインで署名イメージを画像で指定できない場合
"ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインで、署名イメージとして画像ファイルを指定した場合に、電子署名に失敗することがありました。
画像ファイルを指定して電子署名を実施すると、IC カードを読み込んでいる様子で少し待たされたあとで、何もなかったかのように署名がキャンセルになってしまう感じです。
同じ形式の別の画像で試すとうまく行ったりしたので、何かの相性かと思って調べてみると、どうやら GIMP というフリーの画像加工ソフトで作成した 24 ビットビットマップを指定した時に、このような症状が発生してしまうような感じでした。
GIF 形式なら GIMP で作成しても大丈夫でしたが、ビットマップ形式であれば、ペイント等で新規に張り付けなおして保存する必要があるようでした。圧縮されないビットマップ形式なのにファイルサイズが大きく変わりましたので、GIMP では何か余分な情報が付加されていたのかもしれません。
ちなみに GIF 形式のファイルを使って "ex電子証明書" (eXPDFSign) プラグインで電子署名を行うと、白の部分が透明化されて表示されるような感じでした。ビットマップの場合には白の部分はそのまま白で塗りつぶされるので、場面に応じてこれらを使い分けてみると便利になるかもしれないです。