VMware GSX Server 2.5 を試してみる:その3 (成功編)
SOFTWARE REPORT
VMware GSX Server 2.5
VMware は、日本では 株式会社ネットワールド が 販売しているソフトウェアです。これを利用すると 1 台の PC 上で複数の PC を仮想的に動かすことができるので何かと便利です。
今回試そうとしている VMware GSX Server 2.5 というのは、販売されているいくつかの種類の中で、サーバの一元管理といった感じの目的に利用するものです。複数の仮想 PC を遠隔で操作・管理するための機能が搭載されていたりして、何かと便利そうなのです。
前回、お気に入りのディストリビューションである Slackware 9 にて GSX Server 試用版の導入を試みたのですけど、辛くも玉砕。さらにシステム要件に挙げられていた RedHat Linux 9 へインストールして、とりあえず使い勝手を見てみようと思ったのですけど、これまた玉砕。
プラットフォームが VMware workstation 3 だったのが影響しているのでしょうか…。ということで、今度は MacOS X の Virtual PC 6 にて実験してみることにします。
実験環境
今回の実験では、RedHat Linux 9 を利用することにします。インストールするコンピュータは Mac OS X の Virtual PC 6 です。
なお、仮想マシンの基本構成は次のとおりです。 そういえば Macintosh のメモリを減らしてしまっていたため、今回は 256MB の容量で実験です。なので、GSX Server でどうこうするというのではなく、単に GSX Server を起動、管理できそうかどうかを調べるといった感じになります。
メモリ | 256 MB |
---|---|
C ドライブ | 5 GB |
CD/DVD | 標準の IDE 構成 |
ネットワーク | バーチャルスイッチ |
USB | 有効 |
なお、この実験はいままでに2回失敗しています。それらを踏まえての実験ですので、不足の部分はそれらを参考にしてください。
RedHat Linux 9
まずは RedHat Linux 環境の整備です。
公式サイトよりダウンロードしようとも思ったのですけど、CD-ROM イメージが見つからなかったので本屋さんで雑誌を探すことにしました。 そして見つけたのが 株式会社ローカス さまの Red Hat Linux 9 入門という雑誌でした。
インストール開始
Virtual PC 6 でのインストールは非常に快適でした。
X Window によるセットアッププログラムが起動したのですけど、これがテキスト版よりだんぜんいい感じでした。基本的にはさっさかとスムーズに設定が進んでいったので、気になった点、注意した点などだけを書いてみようと思います。
Language Selection は [Japanese] で、インストールの種類は一応 「サーバ」 を選択しておくことにしました。パーティションは自動パーティション設定です。設定されたパーティションは次のような感じになりました。
デバイス | マウント | タイプ | 容量 | 開始 | 終了 |
---|---|---|---|---|---|
/dev/sda1 | /boot | ext3 | 102M | 1 | 13 |
/dev/sda2 | / | ext3 | 4252M | 14 | 553 |
/dev/sda3 | swap | 761M | 556 | 652 |
ネットワークはとりあえず DHCP による IP 取得で、セキュリティレベルは 「中」 を設定することにしました。ただし、リモートで GSX Server を利用することを想定して、902 ポートはあけるようにしました。これは、「他のポート」 というところに 902 と指定します。 なお、Virtual PC 6 のビデオカードは、S3 Trio64 です。
パッケージはすべてインストールしようとすると大変なことになるので、次ぎのものを選択することにしました。
- X Window System
- GNOME デスクトップ環境
- エディタ
- グラフィカルインターネット
- テキストベースのインターネット
- サーバ設定ツール
- ネットワークサーバ
- 開発ツール
- カーネル開発
- X ソフトウェア開発
- GNOME ソフトウェア開発
- 管理ツール
- システムツール
インストール終了後、起動プロセスにおいてエラーは発生しませんでした。いままで散々だったエラーはどうやら VMware workstation 3 との相性だったみたいですね。
IP アドレスも DHCP サーバから正常に取得してくれているようです。
ただ、X Window の設定が甘かったのか、非常に不自然な表示で起動しました。横に4倍といった感じでしょうか…(表示は乱れてます)。かろうじて文字が読めるので、X Window の設定を再調整してみました。
するとどうやら 800x600 の数千色がいいようでした。
ついでに Virtual PC の機能拡張をインストールしようと思ったのですが、なにやら Windows 版のような CD-ROM イメージがマウントされてしまいました。のでこのあたりは今回は遠慮しておきました。
GSX Server 2.5 のインストール
GSX Server 2.5 は現在 (2003/07/05) 、30 日限定の無償評価バージョンを入手することが出来るようになっています。 これについては VMware GSX Server 2.5 を試してみる (失敗編) を参考にしてください。
また GSX Server のインストール作業は VMware GSX Server 2.5 を試してみる:その2 (失敗編) と同じ方法を行いますので、こちらも参考うにしてください。インストールしたパッケージは RPM 版です。
Windows から接続してみる
とりあえずサーバ待ちうけは出来ているようなので、まだ仮想マシンも登録していませんけど、Windows クライアントから接続してみようと思います。クライアントは Windows XP Professional を利用してみることにします。
クライアントソフトウェアのインストール
ダウンロードした Windows 用のクライアントソフトウェア VMware-gsx-server-win32-client-2.5.1-4968.zip を展開して、"VMware-console-2.5.1-4968.exe" を実行します。
手順はそう難しいことはなく、普通にインストール作業を進めることが出来ました。
VMware Remote Console の起動
「スタート」 メニューから、「すべてのプログラム」 → 「VMware」 → 「VMware Remote Console」 と選んで、リモートコンソールを起動します。
すると、接続用のダイアログボックスが表示されます。
Server | 接続するサーバ名を指定します。ホスト名 ( IP 等) のほか、ポート番号と仮想マシンのパスも指定できるようです。 |
---|---|
User | ユーザ名を入力します。 |
Password | パスワードを入力します。 |
ユーザ名とパスワード…、何を入力したらいいかわからず、とりあえず Linux ユーザアカウントを入力してみたりしました。サーバとして Linux の IP アドレスを指定して接続…。
すると正常に応答が返ってきました。
"Connect to VMware Virtual Machine" という名前のダイアログボックスが表示されました。まだ仮想マシンの登録とかは行っていないため、選択肢には当然リストアップされていないですけど。
どうすることもできないながらも、とりあえず無事、GSX Server へ接続できることが出来ました。
Management Interface を使ってみる
導入に当たって、RedHat Linux 8.0 の場合は libdb.so.3 をインストールする必要がある、とのことだったので、念のため このファイルがあるか調べてみたところ、RedHat 9 にもこのファイルはないようでした。
なのでこれらを含め、Web ブラウザから GSX Server を管理するためのツール、マネージメントインターフェイスをインストールしてみようと思います。
/usr/local/src/VMware/ ディレクトリに VMware-mui-2.5.1-4968.tar.gz を用意して、展開、インストールを行います。
tar xvzf VMware-mui-2.5.1-4968.tar.gz
cd vmware-mui-distrib/
./vmware-install.pl
You must read and accept the End User License Agreement to continue.
まずはじめにエンドユーザ同意契約書を参照する必要があるようです。enter キーを押して契約書の内容を画面に表示させます。そして同意するか ( Do you accept ? ) を尋ねられるので、yes を入力して次へ進みます。
Where would you like to install the VMware Management UI [/home/vmware/mui]
マネージメントインターフェイスをどこへインストールするか指定します。ディフォルトでは /home/vmware/mui となっているので、これを指定してみることにします。
これらの質問に回答すると、あとは自動的にインストールを行ってくれます。が、さてここで、libdb.so.3 が見つからないというエラーメッセージが表示されます。
エラーメッセージによると、新バージョンの Red Hat (8以上) には libdb.so.3 がディフォルトでは組み込まれないので、インストール CD-ROM にある compat-db-3.3-<###>.rpm という RPM パッケージをインストールしてくださいとのこと。
この RPM パッケージは、Disk 2 に、RedHat/RPMS/compat-db-3.3.11-4.i386.rpm として保存されていますので、これをインストールします。今回は一応、このファイルを /usr/local/src にコピーしてからインストールしてみました。
rpm -Uvh /mnt/cdrom/RedHat/RPMS/compat-db-3.3.11-4.i386.rpm
インストール後、次のようにして Management Interface を起動させます。
/home/vmware/mui/apache/bin/apachectl start
これで無事、Web サーバがスタンバイされたようです。
ただどのポートで待ち受けているかとかがわからないので、/home/vmware/mui/apache/conf/httpd.conf ファイルの内容を覗いて見ることにしました。
すると、そのファイルには Port 8222 という記載があったので、どうやらこのポートで待ちうけを行っているようです。Slackware で実験したときもこのポート番号だったので、ディフォルトでは 8222 固定なのかもしれないですね。
なお、この Management Interface も、インストールすれば再起動時にも自動的に起動するようになっているようです。なので、Slackware のときのような起動スクリプトの編集は不要でした。
ブラウザで接続してみる
マネージメントインターフェイスをインストールしたので、ためしにブラウザを使って接続してみることにします。
Windows XP Professional の IE6 にて、http://192.168.0.1:8222/ といった感じで Management Interface への接続を試みます。もちろん 192.168.0.1 は、今回実験している GSX Server の IP アドレスのつもりです。
接続するとログイン画面になるので、Linux アカウントでログイン、無事、Manamgement Interface に接続することが出来ました。
Management Interface の画面には、"No virtual machines are registered with this system. Click Add Virtual Machine to create one." というメッセージが表示され、"Add Virtual Machine" というボタンがあわせて用意されていました。
この感じだと、どうやらここで仮想マシンの一括管理および新規作成が出来そうですね。それと比べるとクライアントソフトウェアは仮想マシン1台を操作するためのプログラムな感じです。
なので、遠隔でサーバを一括管理という場合には、Management Interface はインストールしておいた方がよさそうですね。
なにはともあれ、GSX Server の使い勝手は確認できたので、次ぎの機会には再び、Slackware にての動作が確認できたらいいなと思いつつ、今回の実験はこれにて終了です。