Lynx に Proxy を設定する

SETUP

テキストベースのブラウザ Lynx で、プロキシサーバ経由で接続できるように設定してみました。


Lynx

Lynx は、テキストベースの Web ブラウザです。

テキストベースですので、Linux などを SSH などのターミナルで処理しているときでも使用することができます。プラットフォームも Linux のほかに Windows 版もあるようですけど、今回は Linux 版でのお話です。

今回は Lynx を HTTP プロキシ経由で Web サーバへ接続するように設定してみることにします。プラットフォームは Linux Slackware 8、標準搭載の Lynx を使ってみることにしました。

 

bash の設定

まずは Lynx の設定ファイルの場所をシェルに伝えなくてはなりません。使用しているユーザは bash をシェルとしていますので、シェルは bash であるものとして話を進めていくことにします。

 

Lynx の設定ファイルの場所は、LYNX_CFG という環境変数に記録する必要があります。Slackware 8 だと、LYNX_CFG はあらかじめ設定されていることはないようなので、このあたりの設定から入ります。

今回は ~/.lynx を、Lynx の設定ファイルにすることにします。一般的には /etc/lynx.cfg のようですけど、今回はホームディレクトリへ格納することにします。

環境変数を登録する場合、export 命令を使用して次のように行います。

export LYNX_CFG=~/.lynx

これで LYNX_CFG という環境変数に対して ~/.lynx という値が設定されます。けれどこれだと Linux にログインするたびに設定しないといけないので、ログイン時に自動的に有効になるようにしてみることにしました。

 

bash にログインしたときに自動的に設定を行うために、ホームディレクトリに .bash_profile というファイルを用意します。そしてその中に上記の export 命令を書いておくと、ログインしたときに自動的に export 命令が呼び出されて、LYNX_CFG の値が有効になります。

 

Lynx の設定

Lynx の設定を行います。今回は ~/.lynx というファイルを使いますので、そのファイルを次のように編集します。

http_proxy:http://192.168.0.1:8080/

https_proxy:http://192.168.0.1:8080/

ftp_proxy:http://192.168.0.1:8080/

こうすることで、Lynx を使用して HTTP や HTTPS、FTP にアクセスしようとしたときに、自動的に http://192.168.0.1:8080/ をプロキシサーバとして利用してくれます。

もしプロキシを使用したくない URL がある場合には、次のような行を追加することで回避できるようです。

no_proxy:ez-net.jp

以上で Lynx の設定は完了です。

ほかにもいろいろなパラメータが用意されているようですけど、今回はとくに調べませんでした。

 

Lynx の STARTFILE 設定 (余談)

ひとつだけ気になったのが、STARTFILE というパラメータ。

Lynx 起動時に接続される URL を指定することができるのですけど、指定しないと外部の Lynx ホームページにつながるため少々待たされてしまいます。なので、これもすこし調整したほうがいいのかもしれません。

 

通常は http:// からはじまる URL を設定するのですけど、ほかにも file://localhost/etc/ みたいにしてローカルのファイルを指定することもできるようです。

また、ローカルを指定する場合、file://localhost/etc/start.html のように設定しなくても、単純に /etc/start.html のように指定することができるようです。

そうすれば、~/ とか ./ といった相対パスも利用できます。ただ、./ のばあい、lynx を起動した場所をカレントとするのであまり実用性がなさそうですけど。

STARTFILE:~/test.html

 

ただ、わざわざダミーの HTML ファイルを用意するのもなんだし、起動時になにも表示しないようにできないものでしょうか…。

調べてみましたが、IE の 「空白の使用」 のようなのがあればいいのですけど、ちょっと調べてみたところでは見つかりませんでした。けれどまぁ、Lynx を開くたびに待たされず、そして設定自身にも手間がかからない方法が見つかりました。

STARTFILE:.

このように設定すると、Lynx が起動するたびに起動したところのディレクトリインデックスが表示されるようになります。

もちろんローカルファイルですのですぐに表示されますし、どこであれかならずカレントディレクトリは存在しますので、Lynx がエラーを出して停止してしまうという心配もありませんね。