TechRAMEN 2025 Conference とその後日祭に参加してきました。

勉強会

北海道の旭川で開催された TechRAMEN 2025 Conference に参加してきました。


なんか、心が揺さぶられる —

ここしばらくは何年にも渡って心が鎮まっているように思えていて内心『歳を重ねて少しは自分も成長したのかな』みたいに思って安堵してたのですけれど。それはどうやら勘違いみたいで、ここ数年のとりわけ今年あたりから特に、見聞きする景色が懐かしくて大切な記憶をなにかと思い起こされてくれては、それに心が揺さぶられる心地。その感情にはときに苦しい感じなこととかいろいろあっても自分にとって悪い感じは何もしなくて。そしてそんな感情は、今回の TechRAMEN そのものものにまで、まっすぐ続いていたみたい。

自分のブログは完全にポエムです。特に今回は全力でいきます。

TechRAMEN 2025 Conference

そんなことを感じるに至った思いとしては、今回、北海道は旭川リサーチセンターで開催された TechRAMEN 2025 Conferenceその後日祭 に参加したことが主目的であることは間違いないのですけれど、その中だけでなく、そこへ至る道のりとなった新千歳空港〜札幌〜旭川のすべてを通して得られる感情がたくさんあって、とてもとても TechRAMEN Conference の体験だけでは綴るに綴れません。

そもそもの自分にとっての TechRAMEN は不思議な縁で巡り合わせた心地がしていて、それについては 前回に参加した様子 に思い出として残してあるのですけれど、今になって読み返してみると、そのときから既にそんな感情は火種となって静かに灯っていた感じがします。

TechRAMEN Conference の好きなところ

ポエムに振り切る前の理性が残っているうちに、TechRAMEN 2025 Conference のカンファレンスとしての好きなところを綴っておきます。

TechRAMEN は「技術の知見」と括りが大きいのが特徴な気がしていて、それ故に、さまざまな話題がさまざまな人から持ち寄られる — それはそもそもの北海道という大舞台とが相性がさらなる多彩な話題を生み出してくれる感じがして。そんなところからも、なんか自分が「技術」よりも「感情」に豊かな心地を覚える所以だったりするのかなって思います。

そこに主催者である tomio さんの、根っからの純粋に技術にまっすぐなコミュニティー活動の息吹が加わって、日本のほかの地域では絶対に出せない特色が紡ぐカンファレンスになっているように感じて。地域コミュニティー活動を、そのまま大きくした感じ — 自分にとってとても理想に思う在り方なのも、TechRAMEN 2024 Conference を気に入って、今年も来たいと思わせてくれる大きな理由のひとつです。

予定はすこし立てにくかった印象

振り切る前にもうひとつだけ。今回の TechRAMEN は、昨年の最後に開催予告がされたのを受けて開催の時期を心待ちにしていたのですけれど、今回はなかなか具体的な日取りが窺えなくて、神奈川県民な自分としてはなかなかハラハラする印象でした。

具体的な日程告知から開催日までの日数がそこそこなくて、飛行機やホテルを選びづらかったのと、周辺イベントも開催予告はあっても、具体的な情報がチケットが販売された後からだったのと。日程告知からチケット販売までの間も長くて、旅程は押さえたもののチケット売り切れて買えなかったらどうしよう — みたいな心配もあったりしました。

ちなみにここに入手できたチケットがあります。一般参加チケットが A-1 で、懇親会チケットは Z-1 とか — チケット取得への焦りが垣間見れます。

もっとも、今回の旅程の中で自分がやりたいことは決まっていたので、チケットがちゃんと確保できてからの日程調整が慌しかった程度で幸いなことに思い描いていたすべてを予定に入れられたので普通に大丈夫ではありましたけれども。そこでの唯一の誤算としては、イメージしていた日程に加えて、翌日午前の「RDRA 要件定義体験」に参加できたこと。翌日は日程的に「午後いっぱいまでは居られないなー」と思って本祭までで帰る予定でいたのですけれど、直前にそんなイベントが組まれてくれて、これだけ参加して帰ろう〜と思えたのは嬉しい誤算でした。

楽しい — の大切さを、強く感じて

そろそろポエムに戻りましょう。そんな今回に特に強く感じたことは「楽しい」と思う気持ちの大切さでした。

そんな思いは、今回の新千歳空港・札幌・旭川、そして TechRAMEN と、それぞれの中で会えた人たちそれぞれからの趣の違う「楽しい」気持ちに触れられる機会を通して、もともと自分は幼い頃からずっと「楽しい」気持ちを大切にしてきた気がするけれども、そんな何気ない思いがはっきりと自分に意識づけられた心地がしたのが、今回の TechRAMEN とそれに係るすべての中から得られた大切な収穫でした。

そんな出会えた人たちは「楽しい」気持ちに真っ直ぐで、その「楽しい」を感じるためにすごく頑張ってらして。そんな気持ちに触れられて、たくさんの元気を分けてもらえる心地がしました。そういう人たちってみんなとても素敵ね。そんな人たちだけに囲まれて生きていけたら理想かなって思ったり、そう在れるためには自分ももっと頑張っていかないといけないなって、少しばかり身の引き締められる思いもしながら。

楽しい — が止めどなく溢れる心地で

そんなふうにしてはっきりと「楽しい」を意識してみると、身の回りにほんとにたくさん「楽しい」が溢れているのに意識が向いて、だからこそなおさらそれを大切にして生きていきたい心地がしました。

TechRAMEN を通したすべての旅の全工程が終わった今になってもそんな気持ちが支配していて、ちょっとばかり「楽しい」という言葉をいつにも増して使いすぎてるかもしれない自分の存在を感じていたりもするところです。ただしそんな気持ちが増してしまったからか、それから日常との乖離が些か激しく感じる … そんな少しばかりの苦しさも一緒に連れて帰ってきちゃったみたいです。

今年を迎えて些か心が弱くなっているかもしれない心地もする。もしかして元気で何気なく耐えられていただけで、10年間とかそれくらいの規模感とかで「楽しい」気持ちを守ろうと葛藤してたりしたのかなって、近頃そして今回の旅程を通して思い出させてくれた記憶の中からその片鱗をちらほら感じるような気がして。元気でいると気がつけない — そんなふうに思うのもまた弱いからこそのおかげかなって、ちょっとありがたく感じてみたりもしながら。ちなみに弱って感じるものの、まったく病んではないのでぜんぜん平気。どちらかというと感性が昔みたいに豊かになっている感じに近いかもしれない。

ついでにちょっと占ってみると、たしかにここ長らく心が鎮まっていたのは、ほかでもないそれまでの年月を頑張ってきた成果であるとも言えそうで。そして節目というのか今から先を形づくり支えてくれるための準備とも思える3年前の出来事それが急速に TechRAMEN の縁を描いて、思い返せば何気なく葛藤が強まっていってた気のする昨年、そして今年の気持ちの在り方を思うと、それはたしかに今みたいな感情で居るのも不思議はないよね — みたいな心地。とりあえず残りの今年半分を使って、とりあえずこれからはじまるしばらく続く季節の中で、今の心の中にある大切にしたいことの存在を感じていくことが唯一のできることのように思えたりして。

今回の TechRAMEN は、今年のちょうどど真ん中。そんな季節に、これまでに生きてきた自分の中で大切にしたいもの原点とも思える「楽しさ」そして「純心」に気持ちを導いてくれるための存在だった感じがします。完全にポエムです。

意欲に満ちた人たちが素敵

今回の TechRAMEN 2025 Conference を通して、集うみんな全てが意欲に満ちてて素敵だなーと思えたりしたのも心に残る出来事でした。それにしても今回は特にその意欲が満ち溢れているような気がして。

なんでしょうね、この凄まじく健康的な勢いは。この大規模で、ここまでの透き通った感じはこれまで見たことのないような。未来がとても明るく感じて、旭川に奇跡を見た心地がしました。

旭川駅から眺めてた景色

さてそんな今回の中、TechRAMEN 2025 Conference 当日とその翌日の両方で、朝にちょっと旭川駅でゆっくりできる時間が持てたので、駅からすぐの辺りを眺めてみてました。

初日の朝はちょっと散歩も兼ねて、木々の見える側をちょっと歩いてみたりしてましたけれど、ときおり小雨の降る天候の朝を歩くのが気持ちよかったです。翌朝は、旭川駅でも大満喫を確定しておきたい気がしてさらに早めの時間に訪れて、静かな駅構内のしっかり綺麗な椅子に腰掛けながらのんびり過ごしていたのですけど — ときおりしっかりと降る雨が座席の広い窓越しに窺えて、とても落ち着く心地がしました。

そういえば、自分は子どもの頃から、静かな部屋からただ雨の降る外の景色を眺めるのが好きだったんですよね。高校の3年間は誰もいない教室の空気感が好きで、誰もいない早くから学校に行くのが日課でした。そんなある日が大雨で、誰もいない教室で濡れた制服を拭っていたら、野球部の朝練で準備をしに来た友達が「すごい雨だね」って声をかけてくれた言葉、そのときの教室の空気感と一緒になぜだかずっと覚えてたりして。

そんな感性豊かな頃っていろんなことを考えながら、一生懸命生きていたものね — そんな、むかしの好きな感じの記憶を思い起こさせてくれる出来事が今年はとても多い気がする。今回の旭川でも不意にそんな心地に浸れたりして、豊かに思えるひとときでした。

駅を出てすぐのところを歩いていると、雨に濡れながら佇んでらしてる凛々しいカラスもいらして。そういえば自分も、これくらいの小雨に濡れながら歩くの好きです。

旭川でひとり、過ごしているときの透明感

そんな今回の旭川では、カンファレンスに参加しているときを除けばひとりでいる感じでしたけれど、ときおり心にもたげる気持ちはあるとはいえど、それを踏まえてもどこかに気持ちが落ち着くみたいで、ただただ透明な自分で居られる心地がしたのも印象的な出来事でした。

なんだろうこのニュートラルな感覚は。なんとも表現するのが難しい、でもなんかとても楽にも思える感覚。とりあえずこれが何かはわからないものの、とりあえず記憶の中で大切に留めておきたい感覚のように思えたのでした。これも完全にポエムなのですけれども、TechRAMEN 2025 Conference がなければ得られていなかっただろう感覚なのには間違いなくて。その観点で TechRAMEN の感想に入れてもバチは当たらないと思うのでした。カンファレンスもそうですけれども、プログラミングでもなんでも、こういう日常を含めた全部が繋がっていると自分は思ったりしています。ポエムもそうね、その人にとっての大切な日常 — それもきっと「楽しい」のひとつね。

うーたんさん、楽しすぎる

TechRAMEN 2025 Conference 懇親会での出来事です。

その話をする前に、今回の全旅程を終えて自宅で何気なく 𝕏 を眺めていたら、不意に自分の技術同人誌「プログラマーのための新千歳空港入門 」を、技術図書館さんというラジオでうーたんさんが紹介しているというのが目に止まったのでした。

ちょっと待って、公開されてるの金曜日じゃん! TechRAMEN は土曜日だったよね? 懇親会でうーたんさんを呼び止めてたくさんお話ししてましたよね? そのとき1ミリも聞かされなかったんですけど!! — まったくもって知らされてなくて、その衝撃が楽しすぎました。

ちなみにこういうの、自分は好きです。

そんなラジオを聴いていて、自分の書いた技術同人誌をきっかけにしてあれこれお話しされている様子がとても楽しそうだったのと、そこから本の内容そっちのけにそれぞれの新千歳空港愛に話が弾んでいく感じもまた、聴いていてとても嬉しい豊かな心地に包まれました。

何も聞かされなかったですけれども、そんな素敵な出来事に逢えてなんかとても嬉しく思えて。歳を重ねて思えるようになったんですけど、こういうふうに自分のぜんぜん知らないところで、自分がした何気ないことが誰かの心に残ってくれている — こういうのこそがいちばん嬉しいことなのかなって思ったりしていて。

もちろん直接的に感想を届けることも素敵だし、素敵な何かに心を動かされたのならぜひぜひ届けてあげてね!って思う気持ちは変わらないけれども、それだけじゃない自分の知らないところで思いもしないほかの誰かが幸せな心地に包まれている — そんな気持ちを支えに生きていけたら豊かな自分になっていけると思ったりするから。

蘇る、新千歳空港入門の思い出

そんなふうにして今回の旅程を通して、プログラマーのための新千歳空港入門を書いて良かったなーって思い返させてくれる出来事にたびたび恵まれて。

そもそものところ 昨年の参加レポート でも綴ったとおりに、この本を書いていなければ、千歳ゆるい勉強会に関心を寄せなかったかもしれないですし、それから間もなくの湯村さん卒業研究展を知る機会もなかった可能性は濃厚で。その2つで連続して tomio さんに出会ったことが昨年の TechRAMEN 参加に繋がり、すっかり気に入って今回も — という流れがかたちづくられているので、この本がなかったら今日の自分は絶対になかった。

このところ、自分の本業的なところとも言える「プログラミングで繋がった人」と、この本を書いたことで新たにできた「新千歳空港入門で繋がった人」も増えて嬉しいなって思ってはいたところでしたけれども、そんな2つを機会にして繋がれることがどれほど豊かなものであるかを、今回の TechRAMEN を通して再確認、ようやく実感が湧いてきたような心地がします。

そんな感じで、自分にとっては TechRAMEN と切っても切れないプログラマーのための新千歳空港入門 — 今回を通して改めてそれに対する自分の想いみたいなものがしんみりと湧いてきたところなのですけれども、それについてをここで長々と語っていくのは流石にちょっと場違いな感じに思えて。それでもそんな気持ちに浸れたりしたのは、今回の TechRAMEN のおかげに間違いはないから、そんな気持ちを綴った 𝕏 への連投ポストだけ貼っておくことにしますね。

まさかの棚ぼた、旭川ラーメン

今回はなんだかんだで、旭川ラーメンを食べる隙間はなさそうかな?と思っていたのですけれども、翌日のイベントに午前中だけ参加しようと思ったことが、まさかの旭川ラーメンへと自分を導いたのでした。

午前中の参加だけなら帰りの飛行機まで充分余裕はあるものの、午前中の参加だけだったので、お弁当はせっかくなら午後まで続けて参加する人たち同士がきっと良いよねって思ってお昼の申し込みはしなかったのですけど、そうしていたらまさかの tomio さんに提案頂きまして、サクッとお昼を食べに行こう!という運びで、まさかの旭川ラーメンにありつけることとなりました。

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そんなおかげで感じられることもまたあって、お弁当をみんなに行き渡るように用意をしつつも無駄にもならないようにとご自身でマージンを作ってらしたり。それだけではなく別のところでも、調整が必要なときにはご自身の身をそれに当てる — カンファレンスに平凡に参加させていただいている身としては、そういうのを感じられる機会って何気なく無くて、最後の最後で思いがけずにそんな心意気にも触れられたのがとても幸せに思えるひとときでした。こういう人に自分もなれたらいいなと思う。

お邪魔しましたイベントに少しばかりの感想を添えて …

さてさて最後に、今回の TechRAMEN 2025 Conference でお邪魔したイベントとその感想を、参加した順番で綴っておこうと思います。

入門 灼熱エンジニアリング by 米内 貴志

灼熱 — 小学生の途中のころからともすると「楽しい」だけを頼りにしてここまで生きてきた気がする自分としては、共感とともにどこか重たい心地も感じさせてもらえるキーノートでした。

内的動機 — それだけにしか興味がないかもしれない自分がいる。思い返せば、外的動機を考慮するのは好きではなかった感じがしていて、利益にも興味が持てた記憶がない。モチベーションは「楽しい」から生まれて、それが疲れで消耗することはなさそう。楽しいは外的要因から削られていくような感じがしていて。

所詮自分の分析なので、そんな気がする — 程度の話ですけれども、そういえばこの頃、似たようなことを考えることがときおりあった気がして、そんなんで … いいのかな? みたいに思ったりもしていたところもあって、なんか考えさせられました。それを通して思うこととしては、語られていた「灼熱状態」を満たせばたしかに最強な状態には在れそうな気はして。自分はぜんぜん灼熱状態にはほど遠そうだ。

そんなふわふわとした状況の中でも、共感するし好きな言葉が「心が訴えてるなら作ればいいじゃん」というその言葉。そんな言葉がとても好きだし、勉強会や同人誌こそそれが最も具現化されてる世界のように思えるけれども、そこに自分の作ったものと客層のミスマッチとかは主催側の意図に反していない限りは気にしなくていい — というか、そうである方が数は少ないかもしれないけれども思いがけない素敵な縁に繋がったりする印象があるから、あながちそれに意義がないと決め込んでしまっているほうがもったいない気が自分はする。

実践要件定義 RDRAを使って実際の要件を定義する by 神崎善司

要件を RDRA という手法で定義する方法を体験できるワークショップでした。このイベントは TechRAMEN の長い時間を占めているから、これを選ぶか、ほかのセッションを選ぶかで少しだけ迷ったのですけど、嬉しいことに観たいと思っていた LT とは時間が被っていなかったのと、自分はこれまで要件定義と縁がほとんどなかった気がして、日常の中ではこういうのってなかなかしっかり学習できる機会ってない感じがしたから、この機に体験してみようと思ってこれに決めて — 終わってみればとても良かった感じがします。

2人1組になって要件定義を模索するのが主な時間で、それに先立って RDRA の考え方を聞かせてくれて。話を聞けばわかる感じがするんですけど、いざ自分たちで手を動かすと、何をどこに当てはめたらいいのかわからないときがたくさんあって。定義された言葉をしっかりイメージできるようになれたらもっと適切な定義ができるようになるとは思いながらも、そこまでは至らず時間になって終了となりました。

でもそれも神崎さんの狙ったとおりのようで、その試行錯誤の体験をしてもらうことが今回の目的だった様子です。たしかに試行錯誤を2人で重ねていくうちに、だんだんと「これはここに当てはまるのでは⋯!」みたいに思えてはしっくりくる体験が増えていって、それがまるでパズルを解いてるかのようで楽しかったです。これがもし、RDRA をより理解して要件定義を完成させられるレベルを目指して構成されていたら、試行錯誤するための時間がぜんぜん少なくなっていたと思うし、わかったつもりが増えるばかりで結果として理解も低く留まっていそうで。

RDRA の仕組みやツールもとてもよくできている印象で、それのおかげで「ヒアリングをもとに、登場した何をどこに当てはめていくか」それだけに意識を専念できた心地がしました。分からなくなってもスプレッドシートを見渡せば、どんなものを決めてそれらを関連づければいいかが窺えてくる — そんな迷子にならないで考えられる安心感もすごくいいなと思えたのでした。

通勤をゆたかにする技術 ~通勤中に耳でSwiftを学んだら5kg痩せて精神が安定した話~ by えび

考え方がとても素敵だなって思いながら聴いていて。通勤を楽しくするために、道中でぬいぐるみと記念撮影 — って、聞くと普通に微笑ましくて「たしかに!」みたいに思えるけれども、その思考に自分だったらきっと至れない気がして、そんなところもお人柄・取り柄がなせるわざな心地を感じました。

そしてもうひとつ大きく感動したのが、通勤時間を勉強会動画を見る場にするという発想で。私はやれるだけのことはやっている — たしかにそれがしかも毎日じわじわ積み重なって自信になるって、それを閃くのはもちろん、認識できるところまでちゃんと続けている — それってすごいことのように思って。そしてそんな話を聞いていたら、自分が自信がないときだったらついつい焦って登れもしない何段も先の階段に足をかけようとしてしまいがちだけれども、思い返せば自信ってそうやってつけてきたものだなーって意識で感じられたの、とても大きなことの気がして。これからのどこかで自分が自信をなくしたときには、聞かせてもらったこのお話を思い出せるように心に刻んでおきたい。

そんな LT のお話は、嬉しいことに ブログにもまとめてくださっている ので、幾度と読み返させていただきますね。

そしてところで連れていらしたぬいぐるみの居場所がやけにきわどかったのが、ハラハラしつつも微笑ましく思いながら観覧してた。

咲けない場所にさよならを ~自分を知って、咲かせる未来~ by jnkykn

今にいる場所がすべてって、自分もかつて思っていたことがあった気がします。そこで頑張って打開することこそが正統みたいな。

それはそれで正しいときもあれば、そうでないときもあると思って、そのどちらであるかは結局誰にも分からないのかなっていう気はして。もしかするとどちらであっても「不貞腐れないで在りなさい」みたいなことを言いたいのかなって、最近の自分は思ったりする。

場所という観点で言えば、自分は勉強会とかでよく感じるけれど、何かをするとみんなが「すごい!」と喜ぶ様子を見せてくれるし、自分もそんなふうにしてみんなの話を聞きながら喜んでいられる、そういう場所が自分はとても好きだなって思う。でもちょっと場所が変わるだけでも何かをするたび水を差されるみたいな場所もあったりするから、咲ける場所って成功できる場所というより、自分を育んでいける場所のことなのかなって、こちらの LT を通して思ったりしたひとときでした。

ジョッキでミルクを飲む最強のLT会 #JMLT by umiwatarin

イベントを乱発できる — そんな言葉に魅力を感じて。いろいろ大胆な話が繰り広げられていたと思うのですけれど、思い返すと司会者さんの「牛乳の致死量」を心配する様子が心に残り過ぎてて…もはや思い出せない。でも楽しい。

ちなみにそんな司会者さんとは、懇親会で "はじめまして" をしたのですけれど、観覧していた LT の時間でたびたび平和で面白すぎるコメントを挟むものだったからかそのお姿が強く印象に残っていたみたいで、あれ、よく知ってる感じがしますよ … 既に知り合いですよね … みたいな心地に包まれたのも楽しかった。

メロンはどのように作られるか by くろさん

すごいね、メロン — そんな印象を持った LT でした。メロンって国民的な果物だから、何かの機会に普通に食べていたけれど、その栽培の様子を垣間見れたらなんかぜんぜん違う世界に感じたりして。そういえば自分が小型船舶免許を取ったときも、身近に普通に存在していた海なのにぜんぜん知らない世界が広がっていて驚きの連続だったのを思い出したり。

日常って奥深いものね。すぐ近くにも知らないことがたくさんある — そんなわかっているつもりになっていることを改めて感じさせてもらえた気のするひとときでした。

ゆるいエンジニア相談室 ~あずましいエンジニア人生のおくりかた ~ by myou

昨年もあったと思うパネルディスカッション企画、こういうのって質問に相談者の熱い想いが込められていたりもするし、自分自身も何かを思うきっかけになるからけっこう好きです。

技術そのものに楽しみを見出したきっかけ

いろいろ想いを馳せさせてくれる素敵な題材だった気がする。そんな中でいちばん思ったことのは、プログラムを楽しいと思うのがプログラマーのあるべき姿と思っていそうにも感じたところ。プログラムと楽しいとを結びつけようとして苦しむみたいな、そういうのってもったいないことな気がして。

自分はコードを捏ねくり回すことに喜びを感じる側の人間だけれど、これまでに出会ってきたプログラマーの中には、コードを書くのは好きじゃないけど、アプリでアイデアを形にするのが好きという人がいたことあって。テストコードを書くのが好きな人とか、お客さんの要望を汲み取って理想のものを提案するのが好きな人とか。プログラミングをきっかけにコミュニティー活動の楽しさを知って、それこそその運営として活動するのに楽しみを覚えることがあったとしたら、それも立派なプログラミングの楽しみと括ってしまっていいんじゃないかなって思ったりして。

楽しいって思う気持ちって不思議ですよね。なんで楽しいって思うものを見たときに、楽しいって思うんだろう。まるでそれが最初から楽しいものと知っていたみたいな。そう思うとなんか、かわいいものを見てかわいいって思う、それと近しいものかもしれなくて。

とりあえず「楽しい」と「プログラミング」とは直接関係ないものと捉えて、今にいる場所で心の赴くままにいろいろやって、楽しいなって思えたことを楽しむみたいな、そんな心持ちでいいのかなって思えたりして。プログラミングの間に飲むお茶が楽しかったりするかも知れないですしね。ちなみに自分はプログラミングをしていたら、新千歳空港が好きになっていました。

そういえば自分の体験したかもしれないお話として、今回の TechRAMEN で RDRA による要件定義のワークショップに参加したのですけれど、たぶん自分は要件定義にとりわけ「楽しい」気持ちを抱かないのではないかと思うのですけれど、それでも RDRA の手法に従って要件をスプレッドシートに落とし込んでいく作業が「パズルを解いているみたいで」楽しかった体験をして。楽しいってきっとこういうふうに転がっているものな気がする。

あずましさを失う瞬間もあるのでは

たしかそんな話題の中で出てきた話だったと思うんですけど、地方にこだわる意義、東京には強いプログラマーがいる — みたいなお話。これを聞いて思うところとしては、東京だって若手もそれこそベテランとされる人であっても話にならないプログラマーもたくさんいるのは忘れてはならないところな気がして。地域に依らず勉強会で好んで発表している人たちが特異点みたいな気持ちでいると実際ちょうど良いくらいなのかもしれなくて。

悩み出すと目の前が真っ暗になってしまうのはよくあるけれど、少し歩けば眩いくらいに明るい場所に出たりすることも普通な話で。だからと言ってそういう真っ暗なときに、そんな光は当事者にとって何かを言われて見えるものでもないから、真っ暗なのはそのままでいいからまずはその中でできることを手探りしていくつもりで在れたら理想的なのかなって思ったりしたり。

あずましさを失う瞬間って、きっと誰でも、生きている中で何度か普通に訪れるものよね。ときに失う瞬間があっても普通にいいんじゃないかな。そのときは苦しいこととは思うけれども。

それと承認欲求のお話もこの辺りだった気がするけれど、自分的な感覚としては、承認欲求って湧いてきたらとりあえず見なかったことにしておくくらいでちょうど良いというか、そうしたときが思いのほかに "あずましい" 自分に会えたりするからむしろお勧めしたい心地で。湧いてきた承認欲求を掃き捨てたところで、自己肯定感に影響することない気がするから、慣れると案外気軽にできると思う。

ゆるく Cursor の Agent を使った RDRA 要件定義を体験しよう

そして翌日に開催された RDRA 要件定義を AI を使って体験しようというイベントにも参加しました。こちらは TechRAMEN 本編当日に選んだワークショップの別アプローチ版だったこと、そして日程的にもいいなと思って選んだイベントでしたけれども、参加してみてほんとによかった心地のイベントでした。

当日のワークショップにて、手作業で頑張って作ってみた要件定義を、ここでは AI に任せてみよう — そんな感じで進めるワークショップでしたけれども、神崎さんによって作られた AI に指示するためのプログラムを使って、要件定義ができていく様子には感動を覚える心地さえしました。特に自分は本編当日のワークショップで、各者の要望を見ながら要件定義を作っている体験を手作業でしていた体験もあって、RDRA の初歩的なところの知識がいくらかあった状態で AI が何をやってくれそうなのかを想像しながら様子を眺められたのがよかった感じがします。

生成 AI と、コーディング

ところでそんな AI については、このところは世間的に「AI でコード生成をしよう」という機運が高い印象を持ちます。そうした中には出来上がったコードのことはわからないまま、動くものを普通に作る人たちも普通に存在していくのかなって思ったりもして。

そういう時代にプログラマーとして生まれたばかりながらも、AI の力ばかりに偏ることなく「基礎が大切と言われるけれど、まさにその良例」と — 楽しそうにそんな言葉の綴られた技術同人誌に最近に出会ったことが、素敵な在り方に思えて嬉しい心地がしたのと、この日に神崎さんが見せてくれた AI の扱い方とが重なります。

基礎ってとても大切。それをいつまでもとことん大切にしていく人は、きっと AI が席巻した時代になっても圧倒的な実力を見せつけてくれている — そんな素敵な姿が脳裏に浮かぶ心地です。

自分にとっての TechRAMEN 閉幕を迎えて

そんな RDRA 体験会、この日に初めて参加した人たちを考慮しながら、予定していた時間以上に時間を作ってくれていたのも嬉しい心地がしました。

お昼を迎えて午後にも続行することになり、午前だけの参加な自分はここで終了となりましたけれど、前日に参加したのもあって午前中でおおよそ雰囲気は掴めていたのと、ひととおり体験を進める上での資料が丁寧に用意してくれていたおかげで、充実感 100 点満点な心地の中で自分にとっての TechRAMEN 2025 Conference は終了の運びとなりました。

もっともこの後、既に綴っておいたみたいにイレギュラーな旭川ラーメンを食べにいくイベントが発生しまして、そここそが自分にとっての真の閉幕でしたけれども。

まとめ

今回はなんだか少し不思議な心地の TechRAMEN 参加で得られた学びとなった感じがします。それは今の自分が探していたもののような気がして、旅程を含めたぜんぶを通してそれを感じられたこと、まさしく大満喫のひとときでした。

次回の TechRAMEN は、来年の秋 — 願わくばまた訪れたいものです。だだ、秋というのが少し気がかりで、自分はプログラミング以外にも行動圏が若干ながらも広がっていて、秋ってなにかと出展・発表・参加をしたいイベントが多い印象です。技術書典、おもしろ同人誌バザール、旅チケット、TAMAコミ、千歳科学技術大学 稜輝祭、そして来年に増えているかもしれないほかのなにかと。もしも予定が重なっちゃったら、どれを取ればいいんだろう。

— どれを選んだらいいかわからないときは、自分がやるべき方を選んでおくんだ —

こんなときには決まってアニメ「十二国記」で楽俊が言ったそんな言葉を思い起こす自分。指針としてはすごくわかるのですけれど、いざその選択のときになると自分にはそれがなかなかわからないんですよね。やるべき方って、いったいどっち⋯!