PJE 0.1.5 で Slackware を日本語対応に
SOFTWARE REPORT
Slackware と PJE
Slackware は Linux のディストリビューションのひとつです。
インストール直後は日本語を扱うことが出来ませんので、PJE ( Project Japanese Extension ) という日本語化パッケージをインストールします。
PJE には、コンソール上で日本語を扱えるようにする KON や Kterm、日本語対応のエディタである、vi クローンや Mule といったソフトが含まれています。
あと個人的に重要と思われるのが、日本語 106 キーボード用のキーマップです。これによって、日本語キーボードに対応します。
補足
以下で PJE をインストールしたのちに、日本語 106 キーボードへの対応を書いてありますが、もしかすると日本語 106 キーボード対応だけならば PJE は不要かもしれません。
Slackware 7.1 で試したのですけど、これにははじめから日本語キーボード用の配列が入っている様で、すぐに loadkeys jp106 で大丈夫みたいでした。
PJE の入手
PJE は、http://www.pje.linux.or.jp/ にて情報が提供されています。
今回は PJE_0.1.5 をダウンロードして、Slackware 7.0 へインストールしてみることにします。
PJE のインストール
PJE のセットアップに先立って、コンソール上で日本語が利用できるようになる KON 等の PJE を導入する上で必要なプログラムをインストールします。
Linux へ root でログインして、ダウンロードした PJE_0.1.5 ディレクトリの中へ移動します。
そしてその中の tgz/install/ フォルダの中へ移動して、
sh jeinst.sh
と入力して ENTER を押すとインストールされます。
インストールが完了したら、コンソール画面で kon と入力して ENTER を押すと、日本語が使えるコンソールが起動します。
ただし、Slackware 7.0 などでフレームバッファコンソール (高解像度のコンソール) を利用している場合、PJE 0.1.5 に付属の KON を利用することは出来ませんので注意してください。
その場合、この先のインストールは日本語で進めることは出来ませんが、下記の ezinst を ezinst -e と置き換えれば、英語版の PJE セットアップを起動することが出来ます。
pje_0.1.5 のディレクトリの中の tgz/packages/ ディレクトリへ移動して
ezinst
と入力します。
「Linux/PJE の世界へようこそ!」 というメッセージとともに PJE のセットアッププログラムが開始されます。
次へ進むといくつかのメニュー項目が現れます。
- パッケージ選択
- インストール
- 終了
セットアップの流れは、まず 「パッケージ選択」 でインストールするプログラムを選択してから、「インストール」 を行って実際にコンピュータへファイルをインストールして 「終了」 です。
パッケージ選択
パッケージ (インストールするソフトウェアセット) を選ぶ方法もいくつかの方法が用意されています。
- パッケージリスト
- ルール
- マニュアル
- 選択内容を初期化する
パッケージリスト
あらかじめ設定されたパッケージを簡単に選択することが出来ます。
いくつかのパッケージリストが用意されていて、選択するパッケージリストに応じて、自動的にインストールするパッケージが選択されます。
その後で 「ルール」 や 「マニュアル」 等のメニューからインストールするパッケージの微調整を行うことも可能です。
ルール
依存関係を考慮に入れたパッケージ選択を行います。
たとえば、このパッケージには別のパッケージも必要というような配慮を自動的に行ってくれます。
マニュアル
ひとつひとつのパッケージを、各自でインストールするかどうか設定できます。
選択内容を初期化する
これを選択すると、インストールするパッケージがなにも選択されていない状態になります。
選択をやり直す場合などに利用します。
インストール
パッケージの選択が終わったらインストールを開始します。インストールにもいくつか項目があります。
- パッケージの確認
- インストール開始
パッケージの確認
選択されているパッケージの一覧が表示されます。
インストール開始
選択されているパッケージのインストールを開始します。
念のため 「パッケージの確認」 を選択してインストールするパッケージを確認したら、「インストール開始」 を選択してインストールを行います。
以上で PJE のインストールは完了です。
日本語キーボードへの対応
PJE のインストールが完了すると、日本語キーボード用のキー配列マップが用意されています。
日本語 106 キーボードを使用している場合は、コマンドライン上で
loadkeys jp106
と入力すると日本語キーボードの表記どおりの入力が可能になります。
Linux 再起動のたびに自動的に日本語キーボードに対応させるには、上記のコマンドを rc.local 等の起動時に実行されるスクリプト内に記述します。
Slackware の場合は、/etc/rc.d/ ディレクトリ内に、rc.keymap というファイルを用意して、その中に
loadkeys jp106
と記述しておきます。
そしてコマンドラインから、
chmod +x rc.keymap
と入力して ENTER を押します。
こうしておくことで、再起動時に自動的に rc.keymap が呼び出されて日本語キー配列が有効になります。