courier-imap 0.32 のインストール
SERVER
qmail の Maildir 形式に対応した IMAP サーバ、courier-imap のインストールを紹介します。
courier-imap
courier-imap は、qmail の Maildir 形式に対応した IMAP サーバです。
IMAP は、サーバにてメールを管理しますので、POP3 のように、ひとりで複数台のコンピュータを利用するような場合でもサーバからダウンロードしてしまうことがないので、気兼ねなくメールの受信ができます。
クライアントコンピュータの再インストール時も、メールのバックアップは必要なくなるので、使い方しだいでなにかと便利だと思います。
インストール前の準備
courier-imap のインストールは少し複雑です。
インストール直前までは root 権限をもたないユーザで作業を行い、インストール時に root 権限をもったユーザをつかいます。
今回は、root のほかに、tmp-user という名前の一般ユーザを用意してあるとします。
まず、root 権限でログオンしたら、
su tmp-user
と入力して一般ユーザの権限になります。
続いて courier-imap のプログラムをダウンロードします。ソースファイルは http://www.inter7.com/courierimap/ からダウンロードできます。
courier-imap-0.32.tar.gz を tmp-user のホームディレクトリへダウンロードして作業を行うことにします。必ず、コンパイルするユーザが読み書きできるディレクトリで作業を行いましょう。
tar xvzf courier-imap-0.32.tar.gz
と入力してファイルを展開します。展開後に出来上がった courier-imap-0.32/ のディレクトリへ移動したら次のような手順でコンパイルを行います。
./configure
make
make check以上で courier-imap のコンパイルが完了です。
もしも、root 権限のユーザでこれらの手順を行ってしまった場合には、必ず途中でエラーが出ます。
その後、一般ユーザでコンパイルするときは、一度 courier-imap-0.32 のディレクトリを削除して、再び courier-imap-0.32.tar.gz の展開からやり直したほうが安全です。
また、courier-imap-0.32 のインストールには Perl が必要です。もしも Perl をインストールしていない場合は、あらかじめ Perl をインストールしておかないと、途中でエラーが発生します。
あと、これは courier-imap 1.3.12 をインストールする際にわかったのですけど、checking whether build environment is sane... configure: error: newly created file is older than distributed files! というエラーが出る場合もあります。
これは、公開されたアーカイブの日付よりも、システムの時間が古い場合に発生するようで、Linux の時刻設定をちゃんとあわせることで回避できました。
imap のインストールと起動
コンパイルが終わったので、続いてインストールです。
インストール作業には root 権限が必要ですので、exit と入力して tmp-user を終了して root 権限に戻ります。
make install
と入力すればインストールは完了です。courier-imap 1.3.12 で確認したのですが、はじめてインストールして、設定ファイルがまだ何もない状態の時には make install-configure とすることで、すぐに起動できる状態になるようです。
courier-imap の起動は、
/usr/lib/courier-imap/libexec/imapd.rc start
で行うことが出来ます。
Linux の再起動後に自動的に起動できるよう、/etc/rc.d/rc.local に記述しておくと安心です。
場合によっては、inetd によって既にほかの imapd が動くようになっているかもしれません。その場合はそれを無効にします。
/etc/inetd.conf ファイルの中身を見て、imap というプロトコルが記述されている行があった場合は、その行をコメントアウトして保存した上で、kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid` と入力し、inetd を再起動します。
以上で courier-imap の設定は完了です。
注意事項
上記でも述べましたが、courier-imap は、その生成の過程で Perl スクリプトを利用してます。
よって、Perl スクリプトが実行できる必要があります。Perl の入っていない Linux は珍しいとは思いますが、気づかずにはまると大変なので、気にとめておきましょう。
また courier-imap の設定ファイルは、/usr/lib/courier-imap/etc/imapd.config にあります。
ここで、最大同時アクセス数などの設定が可能です。この設定ファイルを書き換えたら、kill -HUP `cat /var/run/imapd.pid` と入力して、imapd を再起動します。
Microsoft Outlook 2000 を使用してたくさんの IMAP アカウントを設定してみたのですが、どうしても2つぐらいしか正常に接続できませんでした。
上記の設定ファイルの中の MAXPERIP という項目の数値も増やしてみたのですが回復しませんでした。
この値は、同一の IP (同一コンピュータ) からの同時アクセスをどれくらい許可するかを設定するものなのですが、増加させても改善される気配はありませんでした。
しょうがないので、Outlook Express 5 にて同様の設定をしてみたところ、こちらでは何の問題もありませんでした。
Microsoft Outlook 2000 で IMAP アカウントを使う場合には、最大でも2つくらいまでにとどめたほうがよさそうです。なお、IMAP アカウント1つだけならば何の障害もないみたいです。