Time Capsule で Mac を自動バックアップする
HARDWARE REPORT
Time Machine と Time Capsule
なにやら未来的な名前ですけど、Time Machine と Time Capsule というのは、Mac を自動バックアップする仕組みです。
Time Machine というのが Mac のバックアップをほぼ自動化してくれるシステムで、システム構成も保存してくれるので、データが残されている限り(バックアップ先の容量の許す限り)、好きなタイミングまでさかのぼってシステムを復元することができます。
個々のファイルを単体でも戻すことができるので、Windows の「以前のバージョン」に復元みたいなこともできるようになります。
この Time Machine 自体は、USB などの外付けハードディスクを用意すれば Mac OS X 10.6 以上ならすぐに利用できるようになっていますけど、今回は Time Capsule という、無線 LAN 親機 "AirMac Extreme" にハードディスクが搭載された機械を使ってみることにしました。
いちばんの理由としては、外付けハードディスクでのバックアップの場合だと何らかの事情でどのハードディスクにバックアップを保存してあったかわからなくなることもあるかもしれませんけど、Time Capsule なら間違いなく「そこ」にバックアップを取っていることが判るためです。
それと、バックアップに良さそうな外付けハードディスクが手元になかったこと、ちょうど無線 LAN 親機が壊れかけていたのも理由です。
Time Machine で使用するハードディスクは、バックアップしたい機械のハードディスクの 1.2 倍くらいの容量があればとりあえず機能を成してくれるらしいので、今回は 2TB の Time Capsule を用意してみました。
今使っている Mac mini のハードディスクは 500GB なので、十分ゆとりのある容量です。保存される過去の状態はバックアップハードディスクの容量に依るので、これならけこう前の状態にまで戻せるかもしれないですね。
もしこの容量で足りなくなっても、Time Capsule には外付け USB ハードディスクを増設できるらしいので安心です。
Time Capsule を設定する
Time Capsule を設置する
Time Machine でのバックアップに先駆けて、まずは Time Capsule の設置を行います。
Time Capsule は、Wi-Fi (11a, 11b, 11g, 11n) の他にも LAN (10M, 100M, 1000M) にも対応しているので、今回は 1000M での接続にしてみようと思います。最初のバックアップは特に時間がかかるので、最初だけでも 1000M で接続するのが良さそうです。
Time Capsule の電源を入れる前に、LAN ケーブルを使って Time Capsule を LAN に接続します。
そして Time Capsule に電源ケーブルを接続すると、Time Capsule の電源が ON になりました。電源ボタンが無いのが今となっては逆に不安ですけど、ともあれ正面のインジケーターが緑色の点灯になれば起動完了です。
細かく言うと、オレンジ色の点滅になった段階で起動は完了していて、Time Capsule がネットワークに接続できた(全ての準備が整った)段階で緑の点灯になるそうです。
ちなみに、システムの起動に問題が生じた場合は、オレンジと緑の点滅になるとのことでした。
ネットワークを設定する
Time Machine の電源を入れてインジケーターが緑に落ち着くのを待っていると、しばらくして "AirMac ユーティリティ" が自動で起動しました。
そして Time Capsule を見つけてくれるので、ここで初期設定を行います。
最初の画面は "この Time Capsule でネットワークを作成" するための設定画面になってました。
ここでいう "ネットワーク" というのは、Wi-Fi アクセスポイントのことを言うみたいです。これを新規作成するか、既存のものと置き換えるかといったことが選べるようになっているようです。
今回は、既存の Wi-Fi アクセスポイントと交換する予定だったので、試しにここで【その他のオプション】ボタンをクリックして、【既存の装置を置き換える】を選んでみることにしました。
そうして次へ進んでみると、既存の装置が AirMac かどうかを尋ねられますが、使用しているアクセスポイントは BUFFALO 社のものだったので【Apple 製品以外のルーター】を選択して次へ進みます。
すると…、少しだけ画面は違うものの、なにやら最初の画面に戻ってきてしまったようにも見えます。
とりあえず、ネットワーク名に既存のアクセスポイントの SSID 等を設定してみようと思います。
ネットワーク名 | 無線 LAN の SSID になるようです。 |
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ベースステーション名 | この Time Capsule に付ける名前です。 |
パスワード | この Time Capsule の設定で使用するパスワードと、無線 LAN に接続するのに使用するパスワードになるようです。 |
そして、次へ進むと、ゲスト用の Wi-Fi ネットワークの作成画面になりました。
今回はゲスト用のネットワークは必要ないので、【ゲストネットワークを使用】にはチェックを入れずにそのまま次へ進めます。
すると、ISP (インターネットのプロバイダ)の設定画面になりました。
ただ、今回は別のルーターでインターネット接続をやっているので、ここでは念のため "接続" を【手動】にするだけにして、アカウント名などは空欄のまま次に進んでみることにします。
すると、これで設定はひとまず完了のようです。
設定された内容としては、先ほど入力した "ネットワーク名" と "パスワード" とで、WPA2 パーソナルの Wi-Fi アクセスポイントが作成された感じで、これだけでは思ったような設定はできませんでした。
今回は "ブリッジモード" での接続にしたいところだったので、結局、残りは手動で設定することにします。
"AirMac ユーティリティ" で、今設定した Time Capsule を選択したら、インターネットの "接続方法" を【DHCP】にして、ネットワークの "ルーターモード" を【切(ブリッジモード)】 に設定します。
それ以外の、ベースステーションの設定や、ワイヤレスの設定は、先ほどの手順の中で設定できていたので、これで Time Capsule の設定は完了です。
ちなみに、もし Wi-Fi の SSID を周囲に知らせたくない場合には "非公開ネットワークの作成" にチェックを入れれば大丈夫でした。
Time Machine でバックアップする
Time Capsule が設置できたら、後は Mac での Time Machine の設定です。
Launchpad から "Time Machine" を起動すると、バックアップの場所がまだ設定されていないことを知らせるメッセージが表示されました。
ここで【Time Machine を設定】ボタンをクリックすると、Time Machine の設定画面が表示されました。
ここで、【ディスクを選択】ボタンをクリックすると、先ほど設定した Time Capsule の "Data" ボリュームが認識されるので、これを選択して【バックアップディスクとして使用】ボタンをクリックします。
そして保存先のディスクを選択したら、これで Time Machine が有効になりました。
自動でバックアップされるデータは、過去 24 時間以内は 1 時間毎のバックアップが、過去 1 ヶ月間は 1 日毎のバックアップが、それよりも前なら 1 週間毎のバックアップがされるとのことで、これはなかなか使い勝手が良さそうです。
Time Machine での復元
Time Machine に入って復元する方法
Time Machine でのバックアップを行っていると、アップルメニューから Time Machine のバックアップへアクセスできるようになります。
Time Machine に入ると、好きなフォルダーの好きなファイルを、時系列に沿って過去へと辿り、好きなタイミングでのデータを取り出して保存することができます。
過去からファイルを選んで右クリックして、メニューからファイルを復元すると、そのファイルを保存する場所を尋ねられました。
このような感じで簡単に、過去の時点のファイルをピンポイントで取り出すことができるようになりました。
Time Capsule をマウントして復元する方法
または、わざわざこのようなインターフェイスを使用しなくても、Time Capsule を Finder にマウントすることで、簡単に過去のフォルダーへアクセスすることもできるようになっていました。
Time Machine での定時バックアップの際には Time Capsule が自動的にマウントされるようですけど、バックアップが終わるとマウントを解除して閉じてしまうので、復元したいファイルを探すようなときには、いったん手動でマウントしてあげる必要があります。
Time Capsule をマウントするには、まず、Finder の【移動】メニューから【ネットワーク】を選択します。
すると Time Capsule が表示されるので、それを開いて行くと少しして、コンピューター名がつけられた "スパース・ディスクイメージ・バンドル" (*.sparsebundle) ファイルにたどり着きます。
これをダブルクリックすると、Time Machine がデバイスとして Finder にマウントされました。
マウントされた Time Machine は、その中身を時間毎のフォルダーで確認できるようになっていました。
これなら普段の Finder 操作と同じ方法でファイルの復元(ドラッグアンドドロップしてコピー)ができますし、ファイルの更新日時などのプロパティも確認できるようなので、どのファイルを復元したら良いかも判りやすくて良い感じです。
この方法の注意点としては、Time Machine を Finder にマウントしている間は、そこへのバックアップは行えないところです。
マウントしたまま Time Machine でバックアップしようとすると "バックアップディスクイメージ (*.sparsebundle) はすでに使用中です" というエラーになってしまうので、必要なファイルを復元した後には必ず Time Machine のアンマウントを忘れないようにする必要があります。
ちなみに Time Machine のアンマウントは、Finder の "デバイス" のところに表示された上向きの三角ボタンをクリックするか、そこの Time Machine を右クリックして【"Time Machine バックアップ" を取り出す】を選択することで行えます。
システムツールを使う方法
Mac OS X をゼロから復元したい時にも、この Time Machine バックアップが使えるそうです。
Mac OS X のインストールディスクを使って "C" を押しながら起動すると、ディスクから Mac OS X が起動するので、ユーティリティメニューから "バックアップからシステムを復元" を選ぶことで、システム全体を簡単に復元することができるそうです。
また、"移行アシスタント" を使用すれば、必要な項目を選んで復元することもできるとのことでした。