Windows NT Workstation 4.0 のインストール

SOFTWARE REPORT


Virtual PC 3.0.3

Virtual PC は、Connectix 社 が提供する、Macintosh 上で DOS/V コンピュータをエミュレーションするソフトウェアです。

これがあれば、Macintosh 上で、MS-DOS や Windows, Linux などの DOS/V 用の OS を動かすことができるようになります。ただし、すべての OS が動くとは限らないので、そのあたりをよく注意しておきましょう。

 

今回は Virtual PC は、3.0 日本語版で、IBM PC DOS がプリインストールされているものを使用してみました。それにさらにアップデートプログラムをあてた、Virtual PC 3.0.3 が今回のインストールで使用するコンピュータとなります。

インストールする OS は、Microsoft Windows NT Workstation 4.0 です。

 

インストール開始

フロッピーディスクドライブに、Windows NT Workstation 4.0 PC/AT 用の起動ディスクをセットして、Virtual PC 3.0.3 を起動します。CD-ROM ドライブには Windows NT Workstation 4.0 の CD-ROM を挿入しておきます。

画面の指示に従って、Disk #2 に交換します。しばらくすると、セットアッププログラムが開始されます。

 

◆ セットアップへようこそ

Windows NT Workstation のセットアップが始まりました。今回は新規インストールなので、[Enter] キーを押して次へ進みます。

 

◆ 大容量記憶装置の検出

すると、大容量記憶デバイスの認識を行うための前段階になります。もしも Windows NT が標準でサポートしていないような記憶メディアをインストール時に使用する必要性がある場合には、ここで [S] キーを押して、メーカーが提供しているデバイスドライバをインストールする必要があります。

今回の Virtual PC では、そのようなデバイスがないので、[Enter] を押して次へ進むことにします。

フロッピーディスクドライブへ Disk #3 を挿入して [Enter] を押します。するとデバイスの検出が始まります。検出されたデバイスは画面に順次表示されていくようです。

検出処理が終わると、再び検出し忘れがないかを尋ねられます。ここでも [S] を押してデバイスを追加することができるようです。今回の場合は、IDE CD-ROM (ATAPI 1.2)/PCI IDE Controller が認識されていればそれでいいので、[Enter] を押してそのまま次へ進みます。

 

◆ Windows NT ライセンス契約

Windows NT Workstation 4.0 を使用するための許諾契約書が表示されます。[page down] キーを用いて文書の一番下まで目を通します。そして表示されたライセンス事項に同意した上で、[F8] キーを押して、ライセンス許諾契約に同意して次へ進みます。

 

◆ キーボードの種類の特定

キーボードの種類を選択します。今回の Macintosh には、日本語 106 キーボードが接続されているのですが、[半角/全角] キーが存在しないので、[S] キーを押して型を選択することにします。

表示されたキーボードの種類の中から、”106 日本語キーボード” を選択して [Enter] を押します。すると選択されたキーボードの確認画面が現れます。画面に表示されているキーボードの種類が、”106 日本語キーボード” であることを確認して、[Y] キーを押します。

 

◆ 構成の確認

コンピュータのハードウェアおよびソフトウェアの構成が簡単に表示されます。通常は特に変更することはないと思いますので、”上記の一覧は使用中のコンピュータと一致します。” を選択して [Enter] を押します。

 

◆ インストールパーティションの選択

Windows NT をインストールするパーティション(ディスク領域)を選択します。今回はディスクを複数のパーティションに分けずに、1つの領域として準備します。

念のため、Virtual PC が作成した C: FAT (PC DISK) をいったん [D] キーを押して削除して、新たに未使用領域すべてに Windows NT をインストールすることにします。

”未使用の領域” を選択して [Enter] キーを押します。

 

◆ パーティションのフォーマット

インストールするパーティションの初期化方法を指定します。通常、Windows NT の本来持っている能力を生かすならば、NTFS ファイルシステムを使用してパーティションをフォーマットします。従来の Windows 95/98/Me のフォーマットがいい場合は、FAT ファイルシステムを選択します。

ここでは NTFS を選択することにしました。

なお、既に初期化されているパーティションをインストールに使用する場合には、既存のパーティションをそのまま初期化しないで使用することや、FAT 形式でフォーマットされている場合には、NTFS へ変換することができたりします。

 

◆ インストール先の指定

Windows NT のインストール先のフォルダを指定します。通常は、\WINNT となります。特に不都合がないようならば、これをそのまま利用しましょう。

 

◆ ハードディスクの検査

続いてハードディスクが壊れていないか等の検査が行われます。ついでなので、[Enter] を押して詳細な検査も行っておきましょう。詳細な検査が必要ないならば [Esc] キーを押してとばすこともできます。

 

◆ ファイルのコピー

ディスクの検査が終わると、いよいよハードディスクへのデータコピーが始まります。コピーが終了したら、フロッピーディスクから起動ディスクを取り出して、[Enter] キーを押します。

 

◆ インストールの続き

再起動をはさんで、再び Windows NT のセットアップが続きます。NTFS にてパーティションをフォーマットした場合には、再起動直後にファイルシステムの変換プログラムが起動して、またもう一度だけ、コンピュータが自動的に再起動されます。

 

◆ Windows NT セットアップ

いよいよ本格的なセットアップの始まりです。これから先は Windows らしい、ダイアログを使った設定になります。

【次へ】 ボタンを押して、コンピュータに関する情報収集を開始します。

 

◆ セットアップ方法

インストールの準備が行われ、セットアップ方法を選択する画面が現れます。今回は、”標準” を選択して 【次へ】 ボタンを押すことにしました。

 

◆ 名前と組織名

Windows NT の利用者名などを入力します。入力したら 【次へ】 ボタンを押して次へ進みます。

 

◆ 登録

CD キーの入力です。Windows NT Workstation 4.0 の CD-ROM ケースの裏面にかかれている番号を入力して 【次へ】 ボタンを押します。

 

◆ コンピュータ名

ネットワークで複数のコンピュータを接続した場合などに、コンピュータを特定するための名前を登録します。ネットワーク上で名前がダブらないように注意しながら、適当な名前を付けます。

 

◆ 管理者アカウント

このコンピュータの全設定ができる管理者アカウントのパスワードを設定します。

Windows NT は、強力なセキュリティで保護されるようになっていますが、管理者アカウントはその制限に束縛されることなく行動することができるユーザです。

ユーザ名に administrator、パスワードにここで指定したパスワード。これで Windows NT にログオンすることができます。セットアップ完了後は、まずこのアカウントでログオンすることになります。また、このパスワードを忘れてしまうと、Windows NT のインストールしなおしにもなりえますので、忘れないように気をつけましょう。

 

◆ システム修復ディスク

Windows NT が壊れてしまったときなどに使用する、Windows NT を修復するための情報がかかれたフロッピーを作成するかどうかの選択です。

修復ディスクはいつでも作成することができますし、Windows NT Service Pack 6 を当てたりすると、また修復ディスクを更新する必要があるので、ここでは作成しないことにしました。

”いいえ” を選択して、【次へ】 ボタンをクリックします。

 

◆ Windows NT コンポーネント

Windows NT にインストールするコンポーネント(部品)を選択できます。自分で選択することもできますが、今回は ”標準的なオプションをインストールする” を選択して、Windows NT にすべてを任せてしまうことにします。

 

◆ Windows NT セットアップ

続いて、ネットワーク関連の設定です。【次へ】 ボタンを押して、ネットワークの設定を開始します。

 

◆ ネットワークの設定

まずは、ネットワークに参加するか否かの選択です。今回インストールしている Virtual PC は、ネットワークに接続されていますので、”ネットワークに参加する” にチェックを入れます。

接続形式はネットワークアダプタ (LAN カード) によるものなので、”ネットワークに接続” にチェックを入れておきます。なお、モデムなどのリモートアクセス接続は行わないので、そちらは選択しませんでした。

 

続いてネットワークアダプタの設定に移ります。

Virtual PC 3.0.3 に搭載 (エミュレート) されている DEC 21041 というネットワークアダプタは有名どころなので、自動的に検出されると思います。【検索開始】 ボタンを押して、Windows NT に検出させます。

検出されてネットワークアダプタの欄に、DEC PCI Ethernet DECchip 21041 が表示されたらば、【次へ】 ボタンを押して次へ進みます。

 

ネットワークプロトコルの設定です。おのおののネットワークでつかうプロトコルを選択します。今回のネットワークでは TCP/IP によってネットワーク中のコンピュータが会話していますので、TCP/IP を選択しました。

 

◆ ネットワークコンポーネントのインストール

ネットワークの設定で選択されたシステムに必要なコンポーネントのインストールを始めます。【次へ】 ボタンを押して、コンポーネントのインストールを開始します。

◆ DEC DECchip 21041 ベースのアダプタセットアップ

ネットワークアダプタ固有の設定を行います。特に変更するひつしょうがないので、【続行】 ボタンを押して、DEC 21041 のセットアップを完了します。

 

◆ TCP/IP セットアップ

DHCP サーバを用いて TCP/IP の設定を行うかを尋ねられます。

DHCP は、あらかじめネットワーク管理者によって決められたネットワーク設定を、設定情報を格納したコンピュータから自動的に取得して、自分のネットワーク設定を完了するという仕組みです。これを使用するためには、あらかじめネットワーク設定を定義した DHCP サーバが存在している必要があります。

今回のネットワークでは、DHCP サーバが存在してるので、DHCP サーバを使用して TCP/IP の設定を行うことにしました。

 

◆ ネットワークを起動

これでネットワークを起動する準備が整いました。

【次へ】 ボタンを押してネットワークへ接続します。もし設定に間違いがあったりすると、正常にネットワークを開始することができません。その場合はもう一度、もどって設定を見直すなどの対処を行います。

 

ネットワークの起動に成功すると、続いてどのようなメンバーとして参加するかの設定に入ります。

選択できるのは、ワークグループのメンバーか、ドメインのメンバーです。ドメインのメンバーになるためには、同一ネットワーク上に Windows NT Server 等によって NT ドメインが構成されている必要があります。

今回はワークグループのメンバーとして設定しておきます。

 

◆ 最終セットアップ

これでほぼすべてのセットアップが完了しました。

【完了】: ボタンを押して、のこったセットアップを続けます。日付と時刻の設定では、自分の住んでいる地域を選択して 【閉じる】 ボタンを押します。画面の設定では、自分の好みに合った解像度や発色数などを選択します。

最終的なファイルのコピーが終わって、セキュリティ設定が施され、Windows NT のセットアップが完了します。再起動ボタンをクリックして、Virtual PC を再起動します。

 

S3 Trio32/64 のインストール

Windows NT Workstation 4.0 は、Virtual PC 3.0.3 に搭載 (エミュレート) されている S3 Trio32/64 というディスプレイアダプタを完璧には認識できないようです。

そこで、自動認識された ”S3 互換ディスプレイアダプタ” を、完璧な S3 Trio32/64 へ交換してみることにします。S3 のホームページへいって、Downroads から、More S3 Graphic Chips へとリンクをたどっていきます。

そのページ内の、Trio32 732 をクリックします。表示されたページから、Drivers をクリックしてダウンロードのページを表示します。そしてそこから、Windows NT 4.0 Production 用の Trio32/64 (732/764) 用のドライバプログラム、732768_nt40_20018.zip をダウンロードします。

このファイルを、Lhasa などの ZIP 形式の解凍に対応したソフトウェアを使って解凍します。次に、デスクトップの何もないところで右クリックして、”プロパティ” を選択し、画面のプロパティ設定ダイアログを呼び出します。

そして、【ディスプレイの設定】 の中の、【ディスプレイの種類】 ボタンをクリックします。そして、アダプタの種類のなかの 【変更】 ボタンを押して、ディスプレイの変更ダイアログボックスを表示させます。

【ディスク使用】 をクリックして、先ほど 732768_nt40_20018 を展開して得られた S3 を選択します。そしてあらわれた、S3 Incorporated Display Driver v2.00.18 を選択して 【OK】 ボタンを押します。

 

サードパーティ (メーカー側から提供されている) ドライバをインストールしてもいいかを尋ねられますので、【はい】 を選択してインストールを続行します。

S3 Incorporated Installation DISK (VIDEO) ディスクを挿入してくれといわれるので、【OK】 ボタンを押して、もういちど、732768_nt40_20018 を展開して得られたファイルが格納されているフォルダを指定します。

あとは必要なデータがハードディスクへコピーされて、グラフィックドライバのインストールは完了です。コンピュータを再起動すると、新しいグラフィックドライバが有効になります。

 

Windows NT 4.0 Service Pack 6a

現時点で、Windows NT 4.0 の機能強化やバグフィックスの差分ファイルが、Service Pack 6a として、Microsoft 社から提供されています。

Service Pack 3 以上は、Windows NT が大きくパワーアップするようですし、あとでインストールする予定の Internet Explorer をインストールする際にも必要ですので、ここで Service Pack をあてることにします。

 

Windows NT 4.0 Service Pack 6a は、Microsoft 社のホームページからダウンロードすることができます。相当なデータ量ですのでダウンロードする際は気をつけましょう。Windows 2000 が発売される前ならば、Windows NT 系の雑誌の付録としてついていたりしましたので、可能ならば CD-ROM 版を入手することをおすすめします。

今回は、ダウンロードした Service Pack 6a を使用します。

 

ダウンロードして展開した Service Pack 6a のフォルダの中から、update フォルダ内の Update プログラムを実行します。

すると Windows NT 4.0 Service Pack 6 セットアッププログラムが起動され、画面に ”追加使用許諾契約書” が表示されます。それに目を通したら、「同意する」 にチェックをいれて、【インストール】 ボタンをクリックします。

これで必要なファイルが更新されて、Service Pack 6a の適用が完了です。コンピュータを再起動すれば、いわゆる最新の Windows NT 4.0 となりました。

 

Active Desktop でもっと使いやすく

Windows NT 4.0 は、標準では Windows 95 と同等のデスクトップ機能です。ただし、Acitve Desktop というプログラムをインストールすることで、Windows 98 と同等の、使いやすいデスクトップに帰ることができるようになります。

ここではその、Active Desktop のインストールを行ってみることにします。

Active Desktop は、Microsoft Internet Explorer 4.0 のオプション機能のような感じで付属してきます。よって、Internet Explorer 4.0 をインストールする際に、Active Desktop をインストールするように選択すればいいわけです。

注意しなくてはいけないのが、Internet Explorer 5.0 以上には Active Desktop がついてこないということです。よって、Internet Explorer 5.5 を使用したい場合でも、Active Desktop を使用したい場合には、まず Internet Explore 4.0 と Active Desktop をインストールしてから、あらためて Internet Explorer 5.5 をインストールする必要があります。

 

Internet Explorer 4.0 も、Microsoft のホームページから入手することができますが、今回は 日経ネットナビ 1998.10 号の付録としてついていた Internet Explorer 4.01SP1 を使用することにします。

CD-ROM 内の、MSIE4SP1 フォルダを開いて、IE4SETUP.EXE を実行します。

 

◆ セットアップの開始

Internet Explorer 4.01 SP1 のインストールが始まります。以前のバージョンの Internet Explorer との共存はできないようです。【次へ】 をクリックして、次のページへ進みます。

 

◆ 使用許諾契約

Internet Explorer を使用する上で、同意する必要のある内容が表示されます。一通り目を通して、「同意する」 にチェックを入れて次へ進みます。

 

◆ インストールオプション

どのようなコンポーネントをインストールするかを指定します。標準インストールか、完全インストールかを選択します。今回は ”標準インストール” にしておきました。

 

◆ デスクトップのアップデート

ここが、今回の目玉です。ここで、「はい」 を選択することで、Windows NT 4.0 のデスクトップが、Active Desktop にアップデートされます。Windows 98 のデスクトップ並みの機能になりますので、あのデスクトップが嫌いでない方には絶対におすすめです。

個人的にも Windows 98 のデスクトップの方が使いやすいので、「はい」 を選択して次へ進みます。

 

◆ Active Channel の選択

とりあえず、「日本」 を選択します。

 

◆ インストール先フォルダ

Internet Explorer をインストールするフォルダを指定します。特に標準でも問題ないと思います。好みにあわせて変更しましょう。

 

◆ セットアップの準備

選択した内容に応じて、セットアップの準備がはじまります。

 

準備が終わると、Internet Explorer のインストールが始まります。すべてのコンポーネントがインストールされ、コンピュータを再起動すると、Active Desktop が利用できるようになります。

はじめは若干、Windows NT らしいところが残っている Active Desktop ですが、”フォルダオプション” の設定を調節すれば、Windows 98 と同様の振る舞いをしてくれるようになります。

 

Sound Blaster のインストール

Windows NT Workstation 4.0 は、Virtual PC 3.0.3 に搭載 (エミュレート) されている Creative Labs Sound Blaster 16 というサウンドカードを自動認識しないようです。

「マイコンピュータ」 の 「コントロールパネル」 を開いて、「マルチメディア」 をダブルクリックします。表示されたダイアログの 「デバイス」 を選択して、【追加】 ボタンをクリックします。

ドライバの一覧の中から、Creative Labs Sound Blaster 1.X, Pro, 16 を選択して 【OK】 ボタンを押します。Windows NT Workstation の CD-ROM を挿入しろといわれるので、CD-ROM ドライブへ Windows NT の CD-ROM を挿入して、【OK】 を押します。

ベース I/O アドレスの設定は、220 を選択して 【続行】 ボタンをクリックします。割り込み (IRQ) は 5、DMA チャネルは 1、DMA チャネル(16 ビット) は 5 というように設定します。MPU401 I/O アドレスは、無効 に設定します。

上記のように設定できたら 【OK】 ボタンを押します。そして Windows NT を再起動すれば、音がなるようになります。