技術系同人誌即売会で気を配りたいところ・出展者編

同人誌即売会

IT エンジニア界隈で盛り上がりを見せている技術系同人誌即売会への出展ですけれど、馴染みのなかった分野なのもあってどんなあたりに気を配って出展するのが良さそうかわからないこともありそうです。

そこで自分がこれまでに気づけたことを中心に、気配りしたいように思えることを幾つか綴ってみます。


自分が主に参加している同人誌即売会は技術書系のものですけれど、その歴史はおそらく浅い方で、特に 2020 年を過ぎてから、これまでにそもそも一般的な同人誌即売会を訪れたことのない人もどんどん出展者として参加するほどの活気を見せているように思います。

そのような初々しい時代の中で、ブース内で立つことに慣れていなかったり、そもそも同人誌即売会というものを訪れた経験のない人も多く、いざブースの内側に立ったときにどんなあたりに気を配ったらいいかわからないこともありそうです。そこで今回は、とりあえず自分がこれまで見てきた中で気づけた "気配りしたいところ" を幾つか綴ってみます。 その中で共感できるところがあれば、参考にしてみてもらえたら嬉しいです。

マナーというより、心配りとして

ところで、このような話は一般に「マナー」として扱われがちなところですけれど、これを書くにあたって念のため同人誌即売会でのマナーについて少し調べてみました。そうしてみると、技術同人誌即売会は独自の進化を遂げているのか、歴史の深い二次創作系同人誌即売会に対して語られているマナーではダメとされていることでも、技術同人誌即売会では歓迎されていることもあったりするようです。

そもそものマナーは暗黙的な側面もありますし、個々の価値観に依るところも大きい上に相手に強いる感も強い気がして、そう易々と触れられるものでもなさそうです。そこで今回は、マナーとまではいかないような、もっと普遍的で多くの人が共感してくれるかもしれない点に絞って紹介してみることにします。 それを相手に求めていくより、まずは自分自身のこととして気を配っていけたらいいのかなって思います。

技術系同人誌即売会で、気を配りたいところ

それではさっそく、自分が思うブースに立つときに気をつけると良さそうなことをいくつか綴っていきます。

これから綴ることはもちろん、自分が勝手に思って気を配っていることには違いないので、最終的には当人とそれを取り巻くお相手たちが良しとするならそれを尊重するのが良いのでしょう。

自ブースの範囲を常に意識する

出展者としてブースの内側に立ったとき、机の上はお隣のエリアに侵蝕しないように気を配ると思うのですけれど、忘れがちなのが床のスペースです。 床面積については出展時に示されることはないですし、イベントの運営側からも率先して指示されることもなくて、つい忘れがちになってしまいますけれど、周囲の皆が平等に使えるように心がけると良さそうです。

たとえば灰色で示す机配置になっていた場合、自分の区画からそのお隣にはみ出してしまわないように注意したいところです。このとき、荷物を何気なく隣のブースに侵蝕させてしまったり、逆に侵蝕してきていることはありがちです。

他にも気をつけたいのが、ブース番をする人です。1名のときは滅多に侵蝕しないのですけれど、これが2名で、特にそのうちのひとりがサークル主をときどき補佐する感じでの参加だったりすると、サークル主が中央を陣取り、ときどき手伝いにくる人がその傍に立つついでに隣のエリアに侵蝕することはよく見る光景に感じます。3名になるとなおさらで、よほど注意しておかないと簡単に隣に干渉してしまうかもしれません。

背方向の範囲も意識する

先ほどの話と同じなのですけれど、左右の広さは意識していても、背後の広さを意識し忘れることもままある気がします。

背後が広く取られた配置であればどうやっても大丈夫な感じになるのですけれど、技術系同人誌即売会では背の側にあまりスペースがないこともある印象です。そうしたときに、特に荷物を多く持ってきていると、いつの間にかに背後空間の半分以上を自分の荷物が占有してしまっていたりします。

たとえ後ろのサークルさんがそこまで使っていなかったとしても、背後が狭めな会場の場合、思いのほか窮屈感を与えてしまう感じがします。そうなると迷惑にも繋がってしまうので、自ブースについたらまずは背後に(後ろのサークルさんと均等に使ったときに)どれくらいの空間があるかを確認した上で、荷物を広げるようにするとだいぶ安心です。

背後にポスターを設置するとき

先ほどの背後空間が狭い話にもつながるのですけれど、自サークルの背後に大きなポスターを掲載するようなときは、後ろのサークルさんの迷惑にならないように気をつけると良いかもしれないです。

ポスターを背後に大きく掲げるときは、ポスタースタンドを使うことになったりしますけれど、それがなかなか場所をとるもので、後ろギリギリに配置していると、後ろのサークルさんが席を離れるときなどの通行に若干干渉したりすることもある感じがします。それでも自ブースの範囲内であればそうそう嫌がられるまではないと思います。

背後とジャンルが大きく違うときは特に注意かも?

ただ、これはマナー的な話になってしまうのですけれど、掲げているポスターが両面仕立てのときは、その裏面が相手の表側に面することを意識するのが良いかもしれません。

これは自分の体験談なのですけれど、ブースに与えられる背後空間の狭い同人誌即売会に出展したとき、後ろのサークルさんが両面仕立てのポスターを掲げていることがありました。両面仕立てにすることで前後どちらからでもそのサークルさんの存在が認識できる効果はありますし、限られた時間の中で目に留めてもらおうと、そうしたい気持ちも理解はできます。 ただし不幸にも背後空間に余裕がないものだから、まるで自サークルのポスターのように見えてしまっていそうな感じでした。

そうとは言ってもそのポスターは後ろのサークルさんのエリアに置かれているのもあって、それだけならまあしょうがない — で済むところではあるのですけれど、勝手ながらも困ったことに、そのポスターが欲望的なアニメ風のイラストで、些か品の良くない絵柄のものだったのでした。

絵柄はさておき、自分の掲げたくないイラストが自サークルに訪れる人に目立つ(ともすると自サークルのものと誤認される)かたちで掲げられている状況、しかもそれが開催中の最初から最後までずっとというのは、なかなかの苦しみでした。

後ろのサークルさんはなにも悪いことをしていないので、これは自分の勝手な理想の話ですけれども、背後に掲げるポスターを両面仕立てにする場合には、裏面は無難かつ後ろのサークルのポスターであることが認識しやすいデザインにしてもらえると個人的に助かる印象でした。 そんなことから自サークルで両面ポスターを作る際には、裏面は無難な作りにするか、思い切って片面だけで我慢するなど、何かしらの心配りはしてみても周囲に優しいポスターになるかもしれないです。

正面の範囲にも注意を向けて

自分のエリアを越えないようにと心がけるとき、ついついブースの内側ばかりに注意が入ってしまいますけれど、ブースの外側にも注意を向けるのも大切になってくるかもしれません。

来客を自ブース前に誘導する

決して有名サークルでなくても、ときおり自分のブースの前に多くの人が立ち寄ってくれる場面があります。そんなときにやりがちなのが、来客の一部をお隣のブース正面に立たせたまま見本誌を読ませてしまうケースです。

なにも人が多く立ち寄った場合に限らなくても、1名でもたまたまそんなあたりに立ち止まって見本誌を読む人も普通にいます。

いずれにしても、これは比較的短時間の一過性であるのと、ときにはなかなか思うように誘導できないこともあるので、ある程度はお隣のサークルさんも許容してくれる傾向はあると思うのですけれど、それに甘んじて、もしくはそもそもお隣のスペースを侵蝕していることに気づかずに、繰り返すのは避けたいように思います。

もしもそういう場面になったときには、せめて出来る範囲で、来てくれた人に「自分のブースの前で読んでね〜」って誘導するようにして、お隣の邪魔にならないように心がけると良さそうです。ここで大事なことですけれど、来てくれた人が隣のブース前で見本誌を読み始めるのは良くあること、来客側には何も落ち度はないので快く自然な感じに自ブース前へと導いてあげれば大丈夫です。

売り子はブース前に立たない方が無難かも

正面に気を配る点ついてはもうひとつ、これは特に気をつけておくと良いかもしれないことが思い浮かびます。 こちらもマナー的な話に近いかもしれないですけれど、自ブースの前に売り子さんを立たせるのは、よほど出展に慣れるまでは避けておくのが無難だったりするかもしれません。

売り子が隣への視界を遮る

売り子さんが自ブースの前に立つとき、通常は真正面の空間を開けてサイドに立つと思います。 そうしたときにその隣のブースへの視界が売り子さんで遮られてしまいます。

来客がいるときに視界が遮られるのももちろんで、この場合は売り子さんの有無に関わらず生じるものではありますけれど、これは誰もが平等に致し方ないところではあります。ただ、これが売り子さんだと来客がない間もずっと立っていることになり、半ば理不尽な感じで視界が遮られ続けることになります。

しかも売り子さんはその人自身のブースに注意が向きがちになるため、来客を招き入れるためにも隣のブース側に身を寄せて、そのままはみ出す機会は多くなります。加えて、純粋に売り子さんがいる分だけ隣に立ちづらい状況ができてしまう側面もあるため、実質的にお隣のスペースをさらに侵蝕してしまうことに繋がります。

その上、混雑し始めると売り子は隣へ

それだけでも悩ましいところなのですけれど、ここに来客が集中すると状況はさらに悪化しがちです。ブース前に来客が集中するとどうなるでしょうか — 油断をすると、売り子さんが隣のブース前にまで移動してそこで待機してしまったりします。

これは滅多に見ないことではあるものの、うっかりこういう流れになってしまうとそのお隣はかなりの窮屈感に迫られてしまう感じがします。売り子さんがブースの外に立ってはいけないルールみたいなのは聞かない気はするものの、うっかりでもこのようなことにならないためにも、売り子さんはブースの内側で活動するのが安心なのかもしれません。

真ん中に立っても微妙かもしれない

それなら売り子は真ん中に立てば、ブースの前にいてもお邪魔にならないのでは — そういうふうに思うこともあるかもしれないですけれど、これもやはり僅かながらにもお隣のお邪魔にはなる感は拭えないように感じます。

売り子さんが中央に立つと、来客が訪れたときには必然的に来客の後ろに立つことになります。そうするとその分だけ通行する人の視界から隣のブースが見えにくくなってしまいます。来客がいないときでも、売り子さんの姿がそこにあるため、僅かだとしてもお隣への視界は悪くなってしまいます。しかも来客と違って一過性な状況ではないため、お隣にストレスを与え続けてしまうかもしれません。

自サークルの内側スペースを大切にして

こんなあたりが個人的に、技術系同人誌即売会で気を配ったら良さそうに思うところでした。

最後のお話とかは個人の主観が大きく出ているところでもあって、そこまでは思われないことも普通にあるとは思うのですけれど、ブースの外は来客も含めた皆の共用スペースでもあると思うので、あまり占有しないようにしておくことは悪くない選択ではないかなって思っています。

それを抜きにしても特に大事なところは、自分のブースに割り当てられた区画はどこまでなのか。当たり前のようで、イベントを楽しむうちにうっかり忘れがちになってしまうのは誰でもよくあることなので、ときおり思い出しながら、楽しい時間を過ごせるように心がけられたら素敵なのかなって思うのでした。