スーパーフラット LAN ケーブルを切り分けてみる
REPORT
スーパーフラット LAN ケーブル
自分は複数台のパソコンを所有しているのですけど、そうなると引き回している LAN ケーブルも意外と馬鹿にならないのです。
そんななか、そういえば無線 LAN もだいぶ安くなってきたな…、と思ってお店に行ってみたのですけど、PC 用のレシーバーってすごいかさばりそうでちょっとためらってしまいました。ノート用だと PC カードですっきりな感じなのですけど…。
どうしたものかな…。決めかねつつも店内を歩いていると、なんとやけに細い LAN ケーブルが売っているではないですか。
自分はいつも最小限の長さにまで加工して使うのが好きなのでどうしようかまよったのですけど、ならば加工できるか実験してみたらどうだろう…、ということで一番安かった 10m のものを買ってみることにしました。
購入したのは Elecom 社の スーパーフラットLANケーブル - LD-CTFSシリーズ です。こちらさまのサイトの写真をみてもいまひとつ細さがピンとこないかもしれないですけど、実物を見れば一目瞭然。機会があったらぜひぜひ比べてみてください。
加工してみる
一般の LAN ケーブルを加工する道具はそろっているものとして話を進めてしまいます。
まずはニッパーでばっざりと、1 メートルくらいに切り出します。…、と、切り出してみてそのすごさというか、難しさを理解した気がします。とにかく切断面が小さすぎるのです。
LAN ケーブルの加工具についている、表面のビニールを切るカッターを微妙に操作しながら、慎重に線をむき出してみると…。でてきました、意外ときれいにむけるものですね。
そしてでてきた線なのですけど、あれ、4本…。一般的な LAN ケーブルは8本なので切断してしまったかとも思ったのですけど、切断面を見る限りはそんなことはなさそうでした。そしてよく調べてみると、袋に 「ストレート4芯」 と書かれているではないですか。なにはともあれ一安心です。
うまくいきそうな予感がしつつ、いよいよ加工です。配線は、きりとった元の線を見ると次のような感じでしょうか…。
#1 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 橙白 橙 青白 - - 青 - - 青白の線には若干橙が混じっていてよくわからず、けっきょく元のコネクタを分解して調べてしまいました。おそらく間違いないので、もう片側のコネクタから 1m ほどをもう一度切り出して製作開始です。
この線の感じだと…、 1cm くらい、気持ちそれより長めにわたって銅線をむき出せばよさそうです。
これがなかなか加減が難しく、力任せにやると何本か線が飛びます。まずは必要最小限の切込みが入ったことを確認して、その刃の間隔を維持しながら、工具ではなく線の方を、ゆっくりと慎重に引き抜く…、そんな感じでむきます。
無事むけたら RJ45 の金具に差し込むのですけど、このときの線の長さに注意する必要があります。
隣り合っている、橙、橙白、青白は同じ長さでいいのですけど、少し離れている青は、それを考慮して少し長めに、といっても 1mm かそれくらい長ければ十分なのですけど、線を切りそろえます。
そうしたら、RJ45 の爪を上側として、上記の順番で配線をおこないます。
それぞれの線がしっかりと番号どおりにみぞにはいり、かつRJ45 の先端にまで届いていることを確認したら、工具を使って金具と線とをつないであげれば完成です。
ただ、配線にあたって、ケーブル内部の線自体も、一般の LAN ケーブルと違って細いせいか、実際にとめてみると接触不良な感じが見られました。よほど状態が良くないと LINK が絶たれてしまいます。
なので、線の細さを補うために、RJ45 コネクタに紙を一枚挟むことにしました。はさむのは手ごろな大きさにきったコピー用紙を2つ折にしたものです。それを挟んだ上で金具を閉めてみたところ、(線が切れない程度に) 手荒に付け根の部分を上下させても、LINK が絶たれずにすみました。
慣れてしまえば、普通の大きさの LAN ケーブルを加工するのとそれほど大差なくできるものですね。むしろ、ビニールの中には4本が平行に入っていることが保障されてるので、切る際にとても把握しやすいです。
そしてなにより、配線周りがすっきりしてとてもいい感じなのでした。
8芯のスーパーフラットケーブル
さて、とりあえず加工できることがわかったので、もっと長めのものを買い置こうかとおもったのですけど、買いに行ってみると 20m 以上のクラスは 8 芯のケーブルになっているようです。
もっと長いのを買おうかとおもったのですけど、8 芯も 4 芯のように加工できるかどうか不安だったのでとりあえず 20m のものを買ってみました。
まずは配線の確認です。
#1 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 橙白 橙 緑白 青 青白 緑 茶白 茶
そしていざ分断し、4 芯のときのように加工をしてみると…。
思いのほか覆われているビニールの強度が強いのでした。4 芯のときのように力を抜いて引き抜くようなことはできず、力が余計にかかってしまって導線が何本も飛んでしまいました。
何度やっても無理そうだったので強行突破を…。切断面を見るとわかるのですけど、導線は 2 本ずつ対になって計 4 箇所にまとまって収まっています。少しでもビニールの強度を弱くするために、この 4 箇所それぞれを分断します。
分断の仕方は、 (#1 #2) | (#3 #4) | (#5 #6) | (#7 #8) という感じで、それぞれの間にニッパーで切り込みを入れます。切り込みの入れ方はもはや勘ですけど、平行に、導線を傷つけないように慎重に切込みを入れます。
あとは 4 芯のときの感覚で、いやそれよりは若干気を利かす必要がありましたけど、無事、導線をむき出すことができました。そうしたらまた、2つ折にしたコピー用紙を挟んで、工具で締め付ければ完成です。
その後なんどかケーブルを作成していくうちに、わざわざニッパーがなくても何とかなることがわかりました。
カッターで引っ掛けたまま引き抜くと、その加減が難しくて刃によって余計に切り取られてしまうのですけど、切込みを入れた後、地道に手でビニールの部分を引っ張ってあげると、なかなか大変ですけど何とか上手くむき取ることができる感じでした。硬いようならば両サイドに少しだけ、導線に触れないように切込みを入れてあげれば、なお簡単にむきとることができる感じです。
こうやって考えてみると、フラットケーブルに限らず、刃では切込みを入れるだけで後は手で引き抜いてしまうのが確実だし楽そうな感じがしますね。いまさらながらそんなことを思ってみた自分でした。