JASRAC に BGM 利用許諾を申請してみる

勉強会

勉強会で手持ちの CD を BGM として流せるように JASRAC に BGM 利用許諾を申請してみました。


勉強会でふと会話が途切れたときにまったくの無音になるのを避けたいなと思って、手持ちの音楽 CD を BGM として流せるように JASRAC に BGM 利用許諾を申請してみることにしました。

自分の場合は、申し込みを開始したのが 2015 年の 6 月で、半年ほどしてようやく許可が降りましたけど、これは JASRAC の人が率先してより適切な契約がないか練ってくれたおかげです。そんな検討をしている間も、音楽を使いたい時期を考慮して問題ないように話を進めてくれて、個人的に JASRAC への好感度アップです。

そんなこんなで話を進めて、最終的には一般的な BGM 利用許諾に近い形で落ち着いたので、今回はそれを中心に BGM の利用について綴ってみたいと思います。

手持ちの CD を BGM で使うには

自分で買った音楽 CD を BGM として流したい場合、それが JASRAC が管理している楽曲であれば、一般に JASRAC に 各種施設でのBGM の利用申し込みをすることになるようです。

料金は店舗面積によって決められていて、 現在では、たとえば 500 ㎡ までの店舗で年間 6,000 円になっています。

ちなみに JASRAC では 音楽を流す ことを、CD から流すこと場合も含めて 演奏 と表現するようです。そう聞くと何だか『演奏者を呼んで、弾いてもらう』みたいなのを連想してしまって最初は不思議な感じがしましたけれど、慣れてしまえば確かに普通な表現なのかもしれません。

個人的にはお得な印象

個人的な感覚ですけど、プロの楽曲を1年間 BGM として使う権利が 6,000 円って、ずいぶん安くないですか?

自分で自由に使える BGM を用意しようと思ったら、著作権フリーの音楽を探すか、自分で作るかくらいしか想像できないですけれど、どちらにしても自分が理想的に感じる楽曲を探そうと思ったら半端ない苦労が目に浮かびます。

それがこの権利なら、まさにプロが手掛けた曲をそのまま使わせてもらえますし、しかも JASRAC 管理の曲であればどれでも自由に選んで良いのも嬉しいところです。

今現在では街中で耳にするほとんどの曲が JASRAC 管理と思うので、みんなそれぞれ、その中で気に入ってる曲っていくつもあったりしますよね。

JASRAC としてはお高いらしい

自分的にはそんな感覚だったんですけど、いざ BGM の利用許諾を申し込んでみたところ、自分が想定する勉強会みたいな、月に1回とか数回程度とか、そんな風に開催される会で使うには JASRAC としては 頂きすぎ と感じるのだそうでした。

そんな理由で今回の場合は JASRAC さん自ら、規約という檻の中であれこれ知恵を働かせてくれた訳なのですけど、ともあれ今回の『各施設での BGM』というプランは、飲食店とかでお店を構えて、開店から閉店まで毎日ずーっと恒常的に BGM を流し続けるみたいな、そういうのを想定しているのだそうでした。

たしかにそれと比べれば、ずいぶん 差し上げすぎ なのかもしれませんけど、自分で気に入った BGM を用意するとなったらそれこそお高い、至難のワザです。

軽微な利用

ちなみにそんな『各施設での BGM』の利用にあたっては 軽微な使用 という規定もあって、これに合致する利用方法であれば、当分の間、利用料を免除してもらえたりもするそうでした。

今回の自分の場合は参加費を来てくれた人から頂く都合、この『軽微な利用』には該当しないようでしたけど、JASRAC の担当支部に連絡すれば快く相談に乗ってくれたりするのが嬉しいです。

各施設での BGM 利用は住所で固定

そんな『各施設での BGM』利用ですけど、先ほども記したように、もともと店舗等での許諾を目的としたものな性格なためか、許諾の単位が『住所』に大きく縛られるところが、個人的にはネックでした。

自分みたいな、ともすると開催場所が変わるかもしれない場合、住所に縛られる契約はちょっと勝手が悪いです。さすがに2箇所での契約となると途端に倍額になるので、気軽にそうする訳にもいかないですしね。

住所さえ固定されれば、もしかすると施設の規模にも依るかもしれないですけど、今回の場合は同じ施設内で開催の部屋が変わる分には問題ないとのことで、それについては助かりました。

ともあれこの住所縛りを緩和する良いプランがないか、JASRAC の人も検討してくれたんですけど、少なくとも今回の利用用途においては、住所に融通を利かせることは難しかった様子でした。

各施設での BGM 利用を申し込む

そんな感じの『各施設での BGM』利用でしたけど、個人的にはやっぱり価値がありそうだったので、申し込んでみることにしました。

申し込みは 申込書類のダウンロード(演奏等) からダウンロードできる『BGM 利用申込書』に必要事項を記載して、利用開始前に JASRAC の担当支部へ FAX で送付することになります。

遠慮なく相談できる印象

申し込み書が 振込用口座振替用 とで分かれていたり、そもそもこういう手続きに慣れていないと申込書をどう書いたらいいか悩んでしまったりしますけど、そういう辺りは JASRAC の担当支部に電話すると、丁寧に教えてもらえます。

なんとなく、むしろ普通は『電話で相談してから申し込む』みたいな流れを想定している印象でした。

Web サイトに掲載している以外にも幾つか契約のスタイルがあるそうなので、まずは気軽に相談してみるくらいの気持ちで連絡するくらいでちょうど良さそうでした。

申し込みから利用までの感覚

ちなみに申し込みの期限的な感覚としては、各施設での BGM 申込書の送付自体は、とりあえずそれを実施する前日までに提出すれば大丈夫だそうでした。それから申し込み手続きが完了するのに1ヶ月くらいの期間を有するのが一般的な目安なのだとか。

もしかすると条件等によって変わってくるかもしれないので、実際に利用日がはっきりしてきたら、いったん JASRAC に連絡を入れてみるのが安心かもしれません。


自分もけっこう利用開始日のギリギリくらいに申込書を送付して、それから事前に聞いたくらいの感覚で手続きが進んでいきました。

自分の場合は事前の相談をほとんどしなかったせいか、その後 JASRAC の人から追加で良い提案を頂いたため、申し込み完了までさらに時間がかりましたけど、その間もいろいろ計らってくれて支障なく利用を始められました。

カルチャーセンターにおける演奏等

ちなみに、今回の自分の状況には合致しなかったのですけど、楽曲の利用許諾には カルチャーセンターにおける演奏等 という種類もあるとのことでした。

こちらは、次のような場面を想定しているようです。

カルチャーセンター、文化教室、オープンカレッジその他設備を設け、教養、技能、技芸、運動等の複数の分野の講座を恒常的に開設し、教授する事業を行う施設において、当該事業とともに著作物を演奏等する場合

このような場合、講座1回の受講料や受講者数などによって、利用料が設定されている様子でした。

申し込みは1回ごとに、規模と曲目を記載して申し込むことになるようなので、手続きはその都度必要なものの、代わりに実質的に場所に縛られるようなことはなくなること、回数が少なければ安い金額に設定されている、みたいな特徴はあるようでした。


今回は該当しなかったプランなので、あまり細かいところはわからないですけど、とりあえず、JASRAC の担当支部に相談するとこんなプランも含めて適切なものを検討してくれるので、どんな風に音楽を使いたいかをイメージできたらとりあえず相談してみるのが良さそうです。

JASRAC の担当支部

JASRAC は地域によって担当支部が分かれているようです。どの地域をどの支部が受け持つか、そしてその連絡先は 支部連絡先一覧 に掲載されています。

自分の住む神奈川県の場合は JASRAC 横浜支部 が担当することになっていて、今回もとってもお世話になりました。

JASRAC 管理楽曲を調べる方法

ちなみに楽曲が JASRAC 管理のものかどうかを調べる J-WID という作品データベースがあります。

これを使うと、目的の楽曲が JASRAC で管理されているかどうか、つまりたとえば『各施設での BGM』利用を契約したら流せる曲かどうかを調べることができるのですけど、サーバーの年末年始メンテナンスをしているらしくて、今日は検索できませんでした。

普段はここから作品名とかで検索できたはずなので、目的の曲が JASRAC 管理かわからないときは、普段ならこれを使って検索すると良い感じのはずです。