Mac OS X インストール!! UNIX ファイルシステムは使わないほうが無難かも…

SOFTWARE REPORT


Section1.Mac OS X

2001年3月24日、ついにMacユーザーとしては待望のMac OS Xが発売されました。今まで何かあればMacは不安定だからと騒がれてきたMac OSですが、UNIXの技術をベースに開発された新OS 「Mac OS X」の安定性に期待したいものです。

筆者の場合、Mac OS X Public Betaのユーザーであった(実際には、Mac OS X Public Betaのあまりの重さのせいで全く使わなかった)ので、Apple Storeから特別価格で購入できました。しかも発売日に到着という気の利きようがまた嬉しいものです。

早速箱を開けて見ると驚いたことにMac OS X CDと一緒にMac OS 9.1 CDも入っていました。それとMac OS X Developer ToolsというCDの3枚です。Mac OS Xでは、Classic環境としてMac OS 9.1を使用するので、無償で付属しているそうです。Mac OS 9を使っていて9.1にアップグレードしようと思っていた筆者にとっては、2倍得した気分でした。箱の側面を見ると、その他にも「Java2」や「Unicode」、「BSDネットワーキング」、「Apache によるWeb共有」、「PerlおよびBSDシェルコマンド」など、今までになかった目をひく機能がたくさん搭載されているようです。

 

Section 2.Mac OS X インストール

それでは第一回ということで、Mac OS Xのインストールを行いたいと思います。筆者の使用している環境を以下に示します。

Power Macintosh G3(初代DVD搭載モデル)
CPU PowerPC G3 350MHz
内蔵メモリ 288MB
ハードディスク ATA Master QUANTUM 20GB(増設)
ATA Slave QUANTUM 6.4GB(標準搭載)
PCI SCSIカード(2枚)
ディスプレイカード(DVDデコーダ搭載)
OS Mac OS 9.0日本語版


この環境のATAのMasterドライブをMac OS 9.1用に10GB、Mac OS X用に10GBの2つのパーティションに分けました。

説明書を読むと、「Mac OS Xをインストールする場合、必ずMac OS 9.1にアップグレードしてからインストールを行ってください。」とあるので、まずは既存のシステムをMac OS 9.1にアップグレードするところから作業をはじめます。

 

Section 3.Mac OS 9 を Mac OS 9.1 にアップグレード

  • Mac OS X付属の「Mac OS 9.1 CD」をCD-ROMドライブ(筆者の場合はDVD-ROMドライブだった)に挿入します。
  • 「Mac OSインストーラ」アイコンが現れるのでダブルクリックします。
  • 「Mac OS 9.1インストール」ウインドウが表示されるので「続ける」を選択します。
  • ソフトウェアをインストールするディスクを尋ねられるので、Mac OS 9.1をインストールしたいディスクを選択します。筆者の場合は、現在Mac OS 9が入っている「MacOS 9 HD(10GB)」を選択しました。ここではオプションとして新規インストールをするか否かを設定できます。新規インストールをチェックすると、選択したハードディスクに既にMac OSがインストールされていた場合であっても、上書きインストールはしません。既存のMac OSを残したまま、新たにMac OS 9.1をインストールしてくれます。筆者の目的は、Mac OS 9.0のアップグレードであるので、新規インストールはしません。
  • 「大切な情報」が表示されます。ここでは、インストール前の確認事項や互換性に関する情報、注意事項やトラブルシューティングが記載されています。内容を読んで「続ける」を選択します。「大切な情報」は必要に応じて、保存やプリントをすることができます。
  • 「ソフトウェア使用許諾契約」が表示されます。内容を読んで「続ける」を選択します。すると使用許諾に同意するか否かを尋ねられるので「同意します」を選択すればインストールが続けられます。
  • インストールの確認画面に移るので、「開始」を選択してインストールを開始します。ここではインストール内容をカスタマイズすることができます。デフォルトのままで問題ないと思います。筆者の場合もデフォルトのままインストールを行いました。
  • インストールを実施するかどうか確認するダイアログが出るので、問題なければ「続ける」を選択します。

いよいよインストールが始まりました。ところがその直後に「ハードディスク用ドライバを更新できません。」というダイアログが表示され、インストールを中止するかどうかの選択を迫られてしまいました。これはMac OS 9.1をインストールしようとしているハードディスクがApple標準のフォーマットソフト(ドライブ設定)でフォーマットされていないために表示されますが、たいていの場合は、「警告を無視」を選択してインストールを続行して構いません。もし不安であれば、ドライブ設定で再フォーマットを行ってからインストールするのがいいと思います。筆者の場合は、「Bユs Crew 4」のドライバのため更新できなかったと思われますが、インストール後もなんの問題もなく動作しています。

ファイルのコピーが始まりました。筆者のマシンではおよそ8分でインストールが終了しました。

  • インストール作業が終了したというダイアログが表示されたので「再起動」を選択しMac OS 9.1で再起動させました。

これで、Mac OS 9.1へのアップグレード作業は終了しました。

 

Section 4.Mac OS X のインストール

Mac OS 9.1にアップグレードも済ませ、これでいよいよMac OS Xをインストールする準備が整いました。早速、Mac OS Xのインストールを始めることにします。

  • Mac OS X CDをCD-ROMドライブ(筆者の場合、実際にはDVD-ROMドライブ)に挿入します。
  • 「Install Mac OS X」アイコンが現れるので、ダブルクリックして起動します。
  • 再起動する必要があることを知らせるダイアログが出るので、「Restart」を選択します。Mac OS 9.1が終了し、自動的にMac OS X CDから再起動が始まりました。
  • 「言語の選択」ウインドウが開かれます。やっぱり日本語を使うことにします。リストの中から「主に日本語を使用する」を選択し、「続ける」を選択します。
  • 「Mac OS Xをインストール」ウインドウが開きました。ここにはMac OS Xをインストールするための簡単な説明が記載されています。内容を確認して「続ける」を選択します。
  • 「使用許諾契約」が表示されます。内容をよくよんで「続ける」を選択します。
  • 使用許諾契約に同意するかどうか尋ねるダイアログが現れるので、「同意します」を選択すればインストールを継続できます。
  • インストール先を選択します。Mac OS Xに認識されているボリューム一覧が表示されています。この中からMac OS Xをインストールするボリュームを選択します。筆者の場合は、Mac OS X用にあらかじめ作っておいた、「Mac_OS_X(10GB)」を選択しました。ここではインストール先のハードディスクを初期化する設定もできます。フォーマット形式として、「Mac OS拡張」か「UNIXファイルシステム」を選択する事ができます。筆者の場合は、ここで「UNIXファイルシステム」を選択しました。しかしこの設定のおかげで、後のインストール作業に膨大な時間をかけることになってしまいました。もし、ここでフォーマットをするつもりならば「Mac OS拡張」を選択してください。UNIXファイルシステム上にはMac OS Xをインストールできないようです。
  • UNIXファイルシステムでフォーマットを指定したので、「インストール先のボリュームの内容はすべて消去される」という警告が表示されました。「続ける」を選択して、インストール処理を続けます。
  • 「簡易インストール」を行うのか、「カスタマイズ」してインストールするのかを選択します。とくに必要と思わなければ、簡易インストールのままでかまいません。筆者の場合も、デフォルトのまま簡易インストールを行うことにしました。「インストール」をクリックしてインストールを継続します。
  • ところが「準備中」と表示されたものの、いつまでたってもインストールが開始されません。10分が経過してもそのままなので、本体の再起動ボタンで再起動をしました。たまたまトラブっただけだと思ったので、もう一度同じ手順で、Mac OS Xのインストールを行いました。先程と同じところで再び停止し、20分以上まったが結果わ変わりませんでした。なんどかこの動作を繰り返してみたものの、結果は変わりませんでした。
  • しかしながら、UNIXファイルシステムへのフォーマットは完了しているようなので、今度はインストールボリュームのフォーマットをせずにインストールを試みました。すると無事にインストールが開始されました。無事インストールが終了し、ほっとして再起動をかけたのですが、今度はハッピーマックアイコンが表示されたまま一向に起動しません。内蔵しているSCSIカード等を全部抜いてもダメでした。しょうがないので、もう一度インストールをし直したりしましたが、やはり結果は変わりませんでした。
  • インストール前の注意事項を読んでいると、軽く「通常、Mac OS Xを入れるボリュームはMac OS拡張フォーマットにする」と書かれていたので、Mac OS拡張フォーマットでインストールを行ったところ、あっさりと初期化から、インストールが継続して行われました。起動するか心配しながらの再起動も問題なく行われ、無事Mac OS Xのインストールが終了しました。しかしながら、UNIXファイルシステムでフォーマットしてはいけないとは書いていないので、筆者の環境でたまたま起こっていることなのかもしれません。

 

Section 5.Mac OS X の初期設定

無事に再起動が完了すると、セットアップが開始されます。セットアップにしたがって値を設定していくだけで、初期設定は完了します。なんといっても、Aquaをイメージして作られたこのセットアップの外観は素晴らしいです。Public Beta版や雑誌等でAquaのデスクトップを見慣れてしまっている人でも、このセットアップ画面には感動すると思いますよ。

  • 「国名の選択」です。ここは日本なので、「日本」を選択しました。
  • 「基本環境」です。リストには「ことえり」しかなかったので、ことえりを選択しました。
  • 「ユーザー登録情報の入力」です。氏名は住所、職業などのユーザー登録に必要な情報を入力します。
  • 「ローカルアカウントの作成」です。Mac OS Xでは、起動時に「ユーザー名」と「パスワード」を入力しないとセキュリティの面からそのコンピュータを扱うことができない設計になっています。その「ユーザー名」と「パスワード」をここで設定します。
  • 「インターネットの設定」です。ここではインターネットにつなぐための設定を行います。インターネットに接続しない人や、インターネットに接続していない人は、この設定をする必要はありません。インターネットの設定については、各自細かな設定内容が異なるのでここでは省略します。

 

Section 6.最後に

これでインストールは完了しました。しかし、このOSはとっても重いです。筆者が使っているのは初代G3の350MHzなので決して速いマシンではないのですが、それにしても遅すぎです。Mac OS 9を使っていたころは、OSの重さについてはなんとも思いませんでしたが、Mac OS Xにしてみた感想としては、「メニューが止まって見える。」です。

しかも2001年4月現在では、Mac OS X対応のソフトはほとんど出回っておらず、せっかくMac OS Xをインストールしたものの、何をしていいのかわからない状態になってしまいがちです。

まあ、Classic環境があるのでMac OS 9.1以前のソフトもほとんど使用できるのですが、Connectix社のVirtual PCについては、起動もできないので、Virtual PCを頻繁に使う筆者にとっては致命傷です。そのため、Virtual PCがMac OS Xに対応するまでの間、Mac OS 9.1を使っていくつもりです。

今後も、Mac OS Xの魅力的な新機能については追って報告します。