Vista 64bit に法務省オンライン申請システム利用環境を整えてみる

SOFTWARE REPORT


法務省オンライン申請システム

法務省オンライン申請システム というのは、PC とインターネットを使って自宅から、法務省への申請や届出などを行うことができるサービスです。

この法務省オンライン申請システムを利用するにあたっては、Windows PC とインターネット環境も然ることながら、その他いくつかの環境を PC に構築する必要があります。その環境の構築方法については、法務省オンライン申請システムの事前準備 のページに記されていますので、それに沿って準備を進めて見ようと思います。

ただ、注意事項として、ソフトウェア環境に 64bit 版は除くと記されているところが、気になるところです。今回は Windows Vista Ultimate 64bit にインストールして行きますが、仮に動作したとしても、法務省のサポート外の環境であるということは留意しておく必要があります。

ちなみに、今回の自分の環境を大雑把に書くと、Microsoft Windows Vista Ultimate 64 bit 版 + Internet Explorer 8.0 となっています。

 

PC 必要環境についての確認

まず、法務省オンライン申請システムの利用に必要な環境を確認してみることにします。

平成 21 年 7 月 12 日現在の情報ですけれど、まず、OS は Microsoft Windows 2000 SP4 以上 Windows Vista までとなっています。但し、64 bit 環境は除くと明示されているので、気になるところではあります。他、ブラウザも Internet Explorer 8 が対象となっていないので、どうなるか気になるところではあります。

また、Internet Explorer 7.0 であっても、法務省の関連サイト (https://shinsei1.moj.go.jp 及び https://shinsei2.moj.go.jp の 2 つ) を信頼済みサイトとして登録しておく必要があるとのことでした。また、ポップアップブロックの設定で、前記 2 つのサイトを許可サイトとして登録しておく必要があります。

 

その他、Java 実行環境 (JRE) も必要となるとのことでした。この JRE なのですが、法務省よりバージョンが指定されています  (http://shinsei.moj.go.jp/cautions/java.html) 。平成 21 年 7 月 12 日現在、JavaTM 6 update13 が必要なようですが、それ以外のバージョンがインストールされている場合には、それをいったんアンインストールの上、適切なバージョンをインストールする必要があるとのことです。

なお、本日の時点での最新版は Java 6 update 14 のようです。

 

法務省オンライン申請システム利用環境をインストールする

政府共用認証局自己署名証明書のインストール

まず、政府共用認証局自己署名証明書のインストールが必要となります。

自己署名というくらいですので "本人が安全だと言っている" 証明書であり、厳密にはその証明書を発行した機関が信用できるかは各自が判断するしかなく、他の Web サイト等でも、この部分で評価が分かれるところがありました。

そんな政府共用認証局自己署名証明書でしたけど、平成 21 年 7 月 12 日現在、Windows Vista または Windows XP 上で Internet Explorer を使用している場合には、Windows Update により、この政府共用認証局自己署名証明書が自動的に取り込まれるようになったとのことです。

 

実際に Internet Explorer の 「インターネットオプション」 から 「コンテンツ」 → 「証明書」 と辿って確認してみると、信頼できるルート証明機関として "ApplicationCA" を発行者とする "Japanese Government ApplicationCA" の証明書がインストールされていることが確認できました。この証明書の拇印フィールドの値は "7F 8A B0 CF D0 51 87 6A 66 F3 36 0F 47 C8 8D 8C D3 35 FC 74" となっており、有効期限は "2017/12/13" となっています。

この政府共用認証局自己署名証明書がインストールされている場合には、法務省オンライン申請システムの自己署名証明書のインストール手続きは行う必要はありません。むしろ安全のためにも、行わない方が良いように思います。

もし、インストールされていない場合に限り、法務省が掲示している手順 に従ってインストールを行いましょう。

 

Java 実行環境 のインストール

法務省オンライン申請システムソフトウェアを利用するにあたり、平成 21 年 7 月 12 日現在、Java 実行環境 (Java SE Runtime Environment) 6 update 13 が必要になるとのことです。

これよりも新しいバージョンの Java 実行環境も公開されていますけれど、不具合が発生する可能性もあるようですので、特に問題がない限りは、指定されたバージョンをインストールしておくのが良いでしょう。

 

今回、自分の PC を確認してみると、既に Java 6 update 13 がインストールされていました。どのバージョンがインストールされているかは、コントロールパネル内のプログラムの追加と削除にて確認することができます。

今回は適切なバージョンがインストールされていたので、そのままとしておきますが、もしも他のバージョンが入っている場合には、それを削除した上で、適切なバージョンをインストールする必要があるとのことでした。また、既にオンライン申請システムソフトウェアがインストールされている場合には、それも事前に削除の上、インストールする必要があるとのことです。

 

法務省オンライン申請システムソフトウェアのインストール

法務省オンライン申請システムソフトウェアのインストール方法については、法務省のサイト http://shinsei.moj.go.jp/usage/zyunbi_installer.html に手順がしるされていましたので、それに従って作業を行うことにします。

 

まず、"オンライン申請に必要なプログラム環境とインストーラ" (installer.exe) をダウンロードします。

これを、管理権限でログオンしてインストールして行くことになるのですが、もしも既に "法務省オンライン申請システム Ver 1.10" がインストールされている場合には、あらかじめアンインストールしておく必要があるとのことでした。今回は当該ソフトウェアはインストールされていないので、そのまま、インストール作業へと進んで行くことにします。

"installer.exe" を実行すると、"法務省オンライン申請システム Ver 1.10" のインストール画面が表示されます。ウィザード通りに進めて行けば、とくに難しいことはなく、インストールは完了します。

なお、Windows Vista 64 bit 版の場合、インストールフォルダは、次の通りとなるようでした。

jar ファイルインストール先(申請) c:\moj\shinsei
jar ファイルインストール先(署名検証) c:\moj\kensyou
署名モジュール設定ファイルインストール先 c:\moj\localset
jar ファイルインストール先(署名) C:\Program Files (x86)\Java\jre6\lib\endorsed
C:\Program Files (x86)\Java\jre6\lib\ext
dll インストール先 C:\Windows\SysWOW64

 

続いて、政府共用認証局自己署名証明書を JRE のキーストアに登録するためのプログラムを実行します。

"setca.exe" を実行して 【展開】 ボタンをクリックすると、"setca" という名前のフォルダが出来あがります。そのフォルダの中にある "setca_1.6.0_13.bat" を右クリックして 【管理者として実行】 を選択することで、インストールを進めて行きます。

途中で "この証明書を信頼しますか?" といった質問が表示されます。

ここで、画面を上にスクロールした辺りに表示される "証明書のフィンガープリント" の "SHA1" の値が、法務省オンライン申請システムで発行されている証明書と同値であることを確認します。

問題がなければ、"yes" と入力して [Enter] キーを押すことで、JRE への証明書の登録が完了します。

 

なお、Windows Vista 64 bit 環境の場合は、setca_1.6.0_13.bat を実行した段階で、"指定されたパスが見つかりません。" と表示されてしまいます。その場合は、"setca_1.6.0_13.bat" をテキストエディタで開き、JAVA_HOME の値の設定のところを、次のように書きかえることで、実行することができました。

set JAVA_HOME=C:\Program Files (x86)\Java\jre6

 

JRE 自動更新の無効化

法務省オンライン申請システムを利用するにあたり、指定された Java 実行環境のバージョンでないと動作に支障をきたす可能性があるとのことで、JRE の自動更新設定を解除することが、法務省により推奨されています。

コントロールパネルの 「プログラム」 にある 「Java」 から、自動更新の設定を行うことが出来るようになっています。これをクリックすると "Java コントロールパネル" が起動するので、「アップデート」 タブから、自動アップデートの設定を調整します。

バージョンアップによってどのくらい影響を受けるかは判りませんが、PC によほど詳しくない限り、法務省オンライン申請システムを利用する PC においては、自動更新を無効化しておくのが良いかもしれません。

 

Internet Explorer に法務省オンライン申請システムの URL を登録する

法務省オンライン申請システムを利用するにあたり、あらかじめ、Internet Explorer の信頼済みサイトとポップアップの許可 URL として、"https://shinsei1.moj.go.jp" と "https://shinsei2.moj.go.jp" の 2 つを登録しておく必要があるとのことでした。

 

これらは、どちらとも 「ツール」 の 「インターネットオプション」 から行うことが可能です。

ポップアップブロックの方は、「プライバシー」 タブのポップアップブロックの 【設定】 から行うことができます。ここに "shinsei1.moj.go.jp" と "shinsei2.moj.go.jp" の 2 つを追加してあげれば大丈夫です。

信頼済みサイトの方は、「セキュリティ」 タブから設定を行うことが出来ます。【信頼済みサイト】 を選択して 【サイト】 ボタンをクリックすると、信頼済みサイトとして登録したいサイトの URL を入力する画面となります。ここで "https://shinsei1.moj.go.jp" と "https://shinsei1.moj.go.jp" を登録すれば完了です。

 

それにしても、ポップアップブロックは良いとして、信頼済みサイトとしての登録は、仮に信頼していたとしても不安なようにも思います。信頼済みサイトに登録しなかった場合には、動きの不自然さが判るようにも思うので、今回は、まずは信頼済みサイトには登録せずに、進めてみようと思います。

 

電子署名に必要な申請者の電子証明書を準備する

オンライン申請システムで使用する電子証明書を準備しておきます。

必要な電子証明書については http://shinsei.moj.go.jp/usage/e_syoumei.html に記されていますので、必要なものを各種機関から入手することになります。例えば、設立登記申請の場合には、発起人の住民基本台帳カードに公的個人認証サービス電子証明書を、役所で取得しておく必要があります。

 

操作ガイドのダウンロードを行う

法務省オンライン申請システムの操作ガイドが、法務省の操作ガイドのダウンロードページ (http://shinsei.moj.go.jp/usage/zyunbi_guide.html) からダウンロードできるようになっているので、こちらもダウンロードしておきます。

 

申請者情報事前登録を行う

法務省オンライン申請システムを利用するためには、事前に申請者情報の登録を行う必要があるとのことです。この申請者情報の登録は、平成 21 年 7 月 12 日現在、平日 08:30 から 20:00 までに限られるとのことですので、ゆとりをもって行っておくのが良いでしょう。

この、申請者情報の登録は、法務省オンライン申請システムの Web サイト (http://shinsei.moj.go.jp/) の申請手続きの 1 つとして行うことが出来るようになっています。

 

【申請する】 の画面から 【ユーザ登録画面にリンク】 をクリックします。そして 【新規登録】 をクリックすると、氏名や連絡先といった個人情報を入力する画面が表示されます。市役所などの申請時に記入するような簡単な情報ばかりですので、それらを記入の上、登録作業を完了します。

登録が終わっても、5 分くらいは待たないと法務省オンライン申請システムへログインすることが出来ないとのことでしたので、急ぐ場合は注意しましょう。

 

法務省オンライン申請システムの準備完了

これら一連の流れを終えることで、法務省オンライン申請システムを利用することが可能となります。

試しにログインしてみると、JavaApplet が起動し、法務省オンライン申請システムのメインメニューが表示されました。これだけでは Windows Vista 64 bit 環境で正しく動作しているかどうかは判りませんけれど、とりあえず、ログインまでは出来るようにはなった様子です。

とりあえず 32 bit 環境であれば、上記の手順によって法務省オンライン申請システムが正しく利用できるようになると思います。

 

この他にも、PDF への電子署名を行う場合には、法務省 PDF 署名プラグインのインストールが必要となります。それについては Adobe Acrobat 9.0 に PDF 署名プラグインを追加してみる の方で記してありますので、必要に応じてご覧ください。