Windows XP Home Edition と Professional の違い

SOFTWARE REPORT

Windows XP は Home Edition と Professional の2系統がでるそうなので、その違いについてちょっと調査してみました。


Windows XP

Microsoft Windows XP は、2001/11/16 に発売される Windows 2000 の後継にあたる OS です。

Windows NT の後継にあたる OS なので、いままで Windows Me / 98 など、いわゆる Windows 9x 系の OS を使っていた人にはとにかく安定性の向上が実感できると思います。

Windows XP Professional の Beta 2 を試してみましたけど、なかなかいい感じでした。起動にかかる時間が、いままでの Windows 2000 Professional と比べて断然はやいような感じです。デスクトップも新しくなって、使いやすい感じがします。

 

ところで、今回リリースされる Windows XP は、Home Edition と Professional の2通りが存在しています。

お値段は1万円くらいの開きがありますけど、具体的にそこまでの値段の違いはなんなんでしょう。その辺りをちょこっと調べてみることにしました。

 

動作環境

Memory 推奨 128MB 以上
HDD 1.5 GB 以上の空き容量
CPU Pentium 300MHz 以上を推奨

どうやら Home Edition と Professional のどちらとも、上記のスペックを推奨しているようです。

 

特徴

Home Edition は、Professional の機能を制限したいわゆるサブセットのようです。

Professional は複数の CPU に対応しているのに対して、Home Edition はシングル CPU のみの対応、そしてリモートデスクトップのサーバ側としての機能がないということです。また Administrator という区別も Home Edition ではなくなっているそうです。

Home Edition

個人向けの製品で、家庭で安心してパソコンを活用できるような安定性とセキュリティ面の安全性、ネットワーク時代に対応したコミュニケーション手段や音楽、映像といったエンターテインメント系の環境を提供するそうです。

 

Professional

個人およびビジネスユーザ向けの製品で、信頼性の高い優れた作業環境を提供するそうです。また、モバイル環境も考慮して、いろいろな機能が実装されているそうです。

 

搭載機能

搭載機能について調べてみました。

ただ、はっきりとわからないところも多かったです。Home Edition と Professional のどちらで使えるかわからなかった機能は □ であらわして、多分こっちだろうなぁ、と思うほうへ書いてみました。

Home Edition & Professional

エンターテインメント

■ DVD ビデオの再生

Windows Media Player 8 により、DVD 再生がサポートされています。

 

信頼性

■ Windows 2000 ベースの安定性

 

■ リモートアシスタント機能

なにかトラブルなどがあった場合に、コンピュータに強い人に遠隔から自分のコンピュータを操作してもらうことが出来る機能です。

■ システム復元機能

システムが破損したときに元に戻せるように、自動的に復元ポイントを作成する機能です。これによって正常に稼動していた状態にシステムを戻すことが出来ます。

■ データとプライバシーの保護機能

 

■ デバイスドライバのロールバック機能

デバイスドライバのバージョンアップなどの際に、問題が発生しても元に戻すことができるように、インストール時に以前のデバイスドライバを自動的にバックアップする機能です。

■ ディフォルトでは EXE ファイルが添付できないように制限

 

■ アプリケーションの互換モード

Windows XP に対応していないアプリケーションであっても、Windows NT 4.0 または Windows 95/98/Me 互換モードにすることで幅広いアプリケーション互換を実現しているそうです。

そうでなくても、Beta 2 で試したときには普通にちゃんと動いていましたけど。

 

セキュリティ

■ インターネット接続の共有機能

1台のコンピュータをインターネットに接続することで、他のコンピュータもそのコンピュータを経由することでインターネットに接続することが出来る機能です。

この機能を使うと外部からは接続されているコンピュータは1台に見えるので、複数のコンピュータをインターネットからの攻撃の危険にさらさずに済みます。

■ ファイアーウォール機能

インターネット利用時に、外部からのアタックを防ぐための機能です。

■ NTFS によるファイル保護

従来の FAT とは異なる NTFS ファイルシステムを利用することによって、ファイルへのアクセスを制限することが出来ます。

□ スマートカードのサポート

スマートカードとよばれる IC カードをつかって、デジタル証明や秘密鍵を保存したり、認証やデジタル署名などを行うことが出来るそうです。

□ Kerberos V5 認証プロトコルのサポート

 

□ Cookie 管理

インターネット閲覧時に利用される Cookie ファイルを制限することができます。

■ Windows プロダクトアクティベーション

プロダクトキーとハードウェア構成情報を使って、Windows XP が正当にインストールされているかを判別する機能です。この機能は違法コピーを防ぐだけでなく、ハードディスクの不正持ち出しなどからも保護することができます。

 

使い勝手

■ スタートメニューの向上

最近使ったアプリケーションの5つが最初に表示されるのが意外と便利です。

■ タスクバーのグループ化

いくらかアプリケーションが開かれると、タスクバーが各アプリケーションごとにグループ化されます。これによって開いているファイルが探しやすくなります。

■ 自動アップデート機能

自動的にインターネットから Windows XP のアップデートを行うことが出来、Windows XP を最新の状態に保つことが出来ます。

■ CD-R のサポート

標準で CD-R デバイスにデータを書き込む機能が搭載されています。

■ マルチディスプレイ

複数のディスプレイにデスクトップを表示することが出来、同じ映像を複数のディスプレイに表示させたり、またデスクトップ領域を広く使えるように出来ます。

■ DVD-RAM のサポート

いままでは特別なデバイスドライバによってサポートされていた DVD-RAM が標準でサポートされるようになります。

 

ハイパフォーマンス

■ 起動の高速化

電源を入れてから実際にコンピュータを使えるようになるまでの時間が短縮されています。Windows XP Beta 2 で試してみましたが、かなり速いです。

■ アプリケーション起動の高速化

アプリケーションの起動にかかる時間が短縮されています。

 

Professional のみの機能

システム

■ マルチプロセッサ対応

2つ以上の CPU が搭載されたコンピュータで、SMP 機能を提供します。

■ リモートデスクトップ

コンピュータのデスクトップ環境を、他のコンピュータから遠隔で使用できるようにする機能です。

 

セキュリティ

■ NTFS と EFS によるファイル保護

NTFS ファイルシステムを利用することによってファイルへのアクセスを制限したり、さらに EFS と組み合わせて、ファイルを暗号化することが出来ます。

■ グループポリシー機能

システム管理者が、ネットワーク内でのファイルやアプリケーションの実行を阻止する機能です。

□ ソフトウェア制限ポリシー機能

プログラムの実行を、保存場所、時間などによって制限することを可能にする機能です。

□ IP セキュリティ機能

コンピュータ間の通信情報を暗号化することで、盗聴や悪質なデータの書き換えなどから通信を保護する機能です。

 

終わりに

簡単な比較でしたけど、とりあえずはこんな感じのようですね。

これから察するに、やっぱり今まで Windows 9x 系を使ってきていて、これからもああいう使い勝手を望むのならば Home Edition を使うのがいい感じです。また、安定性の理由から Windows NT 系を使ってきた人も Home Edition でいいかもしれません。

ただ、Windows ネットワークに所属しているコンピュータや、マルチプロセッサ環境の人は Professional がいいような感じです。

 

あと、使ってみてわかった、重大な違いが1つ。Windows XP Home Edition は、Windows NT ドメインの参加をサポートしていないようですね。これはかなり大きな誤算。

お金もかかるし、CPU も1個だし、会社のほうのコンピュータは Home Edition でいいや〜、なんて思ってインストールしてみたら、なんとドメインに参加できないではないですか。

まぁ、別にドメインのリソースをまったく使えなくなるわけではないので、少々面倒なだけではすみましたけどね。自宅用は Professional にしてよかったです^^;

 

マイクロソフトのページには、Windows NT から Windows XP Home Edition へのアップグレードパスは用意していませんという記述があって、その理由が、Home Edition にしたときに使えない機能が出てくるため、これではアップグレードとは呼べないと書いてありました。

…って、たしか Windows 98 とかも Windows NT ドメインに参加できたはず…。はて、これでも Windows XP Home Edition アップグレード版と呼べるもの…??

 

参考リンク