Mac mini でデュアルモニタ環境を構築する

HARDWARE REPORT


Mac mini と matrox DualHead2Go

Mac mini とは Apple 社が販売している 16x16 (cm) 程度のサイズが魅力の Macintosh です。 以前に EZ-NET レポート: Mac mini + AirMac を使ってみる でも触れましたので、参考になるかどうかは判りませんけど、一応リンクをはっておくことにします。

ともあれこの Mac mini は、ディスプレイ出力として DVI インターフェイスが 1 つ備わっているのですけど、もともと筐体が小さいということもあって、それ以上のディスプレイアダプタを増設することは出来ません。今まで PowerMac G4 にディスプレイ出力を 2 系統用意してデュアルモニタ環境を利用していた自分にとっては、改めてシングルモニタ環境に帰ってみると、その狭さはなかなか厳しいものがありました。

そこで Mac mini でデュアルモニタ環境をなんとか構築できないものかと調べてみると、matrox 社が販売している DualHead2Go という製品が、もしかしたら利用できるかもしれないという情報をみつけたのでした。

 

この DualHead2Go というものは、1 つしかない VGA 出力を、外付けによって 2 系統に拡張できるというものです。

実現方法としては、この機械自体がディスプレイとしての役割を担い、ビデオカードから送られてきた信号を分割して実際のモニタに送りなおしてくれるという感じのようです。なので厳密にはマルチディスプレイと呼ぶに変わりはないのでしょうけれど、2 つのディスプレイをあたかもひとつの大型画面として利用できるようにするという感じです。

 

そしてこれは、どうやらどんな環境でも利用できるということはなくて、いろいろと注意事項が書かれていました。

まず第一に DOS/V 機用であるということと、それでいて必ずしも全ての場合で利用できるとは限らないこと。そして Windows 2000 または Windows XP 用であること。あとはディスプレイが VGA (RGB) 出力に対応している必要があるという感じでしょうか。

こんなところから Macintosh では利用できなそうな気配は濃厚なのですけど、それでも Mac mini にて動作するという情報を得たので、個人的にも試してみる価値はあるかと判断して、購入に踏み切ってみることにしました。

 

DualHead2Go でマルチモニタ環境を実現する

今回に使用する Mac mini は PowerPC G4 の 1.25GHz が搭載された機種に Mac OS X v10.4.6 がインストールされているものです。今は Intel 系の CPU が搭載された Mac mini が販売されていますけど、それでも動作するかどうかはわかりません。

また、ディスプレイは 1 つ目が 17 インチ液晶ディスプレイで、もう 1 つが 15 インチ液晶ディスプレイといった感じです。

 

とりあえず Mac mini の電源を落として、Mac mini の DVI ポートに VGA 変換コネクタを挟んで DualHead2Go を接続します。そして DualHead2Go に備え付けられている 2 つの VGA 出力ポートそれぞれにディスプレイを接続します。AC アダプタは場合によっては必要ないとのことでしたので、とりあえずの配線作業はここまでです。

そしてディスプレイの電源を入れてから Mac mini の電源を入れてみましたけど、LED は点灯することはありませんでした。そこで AC アダプタを取り付けてみたところ、LED が緑色に点灯して、2 つの画面に Mac OS X のデスクトップ画面が映し出されました。

最初は両方の画面に同じものが映し出されていたのですけど、アップルメニューの 「システム環境設定」 から 「ディスプレイ」 を選択して、とりあえず 「ディスプレイを検出」 ボタンを押してみました。その上で 2048x768 という解像度を設定してみたところ、2 つのディスプレイを幅広く行き来することが出来るようになりました。2560x1024 という解像度まで選択することができるようなのですけど、これは今回は 15 インチモニタの方が 1280x1024 を表示させる能力がなかったために断念でした。

 

実際に使ってみると、やっぱりデュアルディスプレイは広々として、とても良い感じでした。今回は片方のディスプレイの都合で 17 インチも 1024x768 となってしまいましたけど、それでも両方あわせて 2048x768 というのはとてもありがたい広さです。

他に気になる点としては、真ん中に表示されるダイアログなどはまさに中央に、2 つのモニタを隔てて表示されてしまうのですけど、DualHead2Go が 2 つのディスプレイを 1 つの大きなものとする特性から考えて、これは仕方のないところでしょう。

そんな感じで、システムにビデオカードを 2 枚挿して実現するよりは融通や使い勝手の面で及ばないところはあるものの、Mac mini の小ささを活かしつつ快適に作業を行えるのは、とても大きな魅力のように感じました。