メモリを増設した際のトラブル記

TROUBLE REPORT


電源が入らない

プロキシサーバに使用していた Linux で、起動直後からスワップメモリが頻繁に利用され、比較的多目の頻度でハングアップしてしまっていたので、メモリを増設することにしました。

購入したメモリはバルクの 128M SDRAM (PC133) です。もともと PC133 とは知らずに買ったものですけど。

今回用意した構成は大雑把にあげると、

CPU : Cyrix 6x86MX PR233
MOTHER : MS-5172 ( MSI )
MEMORY : 64 MB

といった感じです。

 

この MS-5172 は SDRAM を最大3枚までさせるようになっています。現在は 64MB SDRAM (PC100) がささっているので、2番目のスロットに今回購入したメモリを取り付けます。

メモリを取り付けて電源を ON にすると・・・、なぜかまったく起動しなくなってしまいました。電源こそ入るものの、そこからなにも進展がない状況です。

メモリの差し具合が問題なのか、メモリ同士の相性問題なのか、そのあたりを考慮に入れてメモリを差しなおしたり差し替えたり、いろいろとしているうちに今度は、電源を入れた直後に、”ぴー、ぴっぴっぴー”、というような音までするようになってしまいました。

 

慎重にコンピュータの接続周りを調べてみると、なんと、ビデオカードからディスプレイへと接続するコネクタが外れているではないですか。どうやらこれだけのために、なんども電源の ON/OFF を繰り返していたようです。

ちゃんとつなぎなおして見ましたが、もはや手遅れ、当然ながら ”ぴー、ぴっぴっぴー” という警告音がして、やっぱり画面は表示されないままでした。

 

AGP 周りに原因が

電源の頻繁な ON/OFF によるハードウェア障害も一応考慮に入れて、とりあえず必要最小限の機器以外は取り外してみることにしました。

サウンドカード、LAN カード、そのあたりを取り外しましたが、依然として警告音が発せられます。メモリも増設前に使用していたもの1枚のみで起動を試みましたが、それでもやはりだめでした。

そういえば、警告音が鳴る場合って、比較的ビデオ周りに障害があることが多いのを思い出しました。ビデオに障害があるときは画面にてその旨を伝えられないため、警告音にて知らせてくれるのです。

いままでこういった自体は、

  1. 「メモリの差し具合が不十分なために画面表示までに至らない」
  2. 「CPU が正常に動作できなかったために画面表示まで至らない」
  3. 「ビデオカードがちゃんと接続されていないために画面表示まで至らない」
  4. 「BIOS の設定に不整合が発生し、画面表示までいたらない」

といった感じで発生していたような気がします。

 

このあたりを考慮に入れて調べてみたところ、今回は 3. のビデオカードの接触不良が原因となっていました。

メモリを抜き差ししている間にマザーボードのゆがみがビデオカードに伝わって、AGP コネクタとの間に若干の隙間が開いてしまっていたようです。

AGP が世の中に出回った直後、この AGP の接触不良はとてもありふれたトラブルだったようなきがします。僕自身はいままで、AGP の接触不良には無縁だったのですが、まさかいまどき出くわしてしまうとは・・・。

AGP はしっかりと念入りに差し込まないと、接触不良を起こすことがあるようなので気をつけましょう。

 

さらに相性問題

原因も追求できて、ようやく増設したメモリも認識して起動できるようになりました。しかし Linux の軌道にかかる時間が、目でみても明らかに遅くなっているのがわかります。処理速度が明らかに低下しているのです。

 

そういえば、以前にもこういったことがありました。

あの頃は Windows NT でだったと思いますが、あのときも今回と同様、64MB に 128MB のメモリを増設しようとしたときに起こりました。たしか今回のと同じマザーボードを使用していたような気もします。

結局そのときは 64MB + 128MB をあきらめて、128M + 128M にすることで正常になったような気がします。

 

今回もいろいろな場所からメモリを取り出してきて試してみましたが、やはり 64MB + 128MB の組み合わせでは処理速度の低下が見られてしまいました。結局、今回のところは 128MB 一枚のみで妥協することにしました。

あまった 64MB のメモリは、別のコンピュータに載せることにしました。そのコンピュータでは 128MB + 128MB + 64MB というメモリ構成ですが、正常に動作しました。