外付け Serial ATA ケース SATA-HD35DC を使ってみる
HARDWARE REPORT
SATA-HD35DC
Microsoft Virtual Server 2005 を利用して複数の仮想 PC を稼動させていたのですけど、ときどきハードディスクから微かな金属音が聞こえてみたりして、なんにせよ一台のハードディスクでは故障したときホスト OS も含めてすべて壊れてしまうのは怖いなと思ったのが今回のお話のきっかけでした。
PC の筐体には オウルテック 社の OWL-PCBM-01 という Micro ATX 用の小型ケースを使用していたため、内部にハードディスクをさらに増設することはできません。
そこで USB 接続のハードディスクを増設しようかとも思ったのですけど、そういえば以前に VMware Workstation 4.0 を用いて複数の仮想 PC を動作させていたときには USB 2.0 接続のハードディスクを使っていると、何日も稼動させていると USB ディスクがエラーを発生させてしまって、ホスト PC を再起動したり、時にはハングアップの影響で仮想ディスクファイルが壊れてしまったりということがあったのでした。
あくまでも体感上のお話ですけど、どうも 2.5 インチハードディスクは、休ませながら使っている分には問題なくても、物によっては連続稼動していると読み書きに支障をきたすものがあるような気がします。そこで 3.5 インチハードディスクを搭載した USB ハードディスクを購入しようかとも思ったのですけど、この場合、今度は USB ケーブルとは別に AC アダプタが必要になってきます。
あまり AC アダプタを増やしたくなかったので、なんとか PC と接続するだけで使用できる、連続稼動に耐えうるものはないかと調べてみていたところ、System TALKS 社から販売されている SATA-HD35DC という製品が目に留まったのでした。
この SATA-HD35DC は、外付け用 Serial ATA ハードディスクケースです。
Serial ATA インターフェイスは、現状では一般的に内蔵用になっていると思うのですけど、この製品は PCI 等の拡張スロットにインターフェイスを持ってくるためのブラケットが付属していて、内部の Serial ATA インターフェイスからブラケットへ配線して、さらにそこから外部の Serial ATA ハードディスクケースへと配線することで、Serial ATA ハードディスクを外付けディスクとして利用できるというものでした。
これなら USB 2.0 よりも高速ですし、ちょっとした基盤をひとつ介すとはいえ、OS からみれば Serial ATA 接続の内臓ハードディスクとなんら変わらないところもとても魅力的です。さらには PC 内部の電源から電源供給を受けられるように電源ピンも用意されているので、コンセント周りを気にしなくても良いところも大きな利点なのでした。
この製品、内臓と実質的になんら変わらない Serial ATA 接続ハードディスク環境を筐体外に持つことかできるので、発熱量の高いビデオカードを使用していたりとか、または構造上の制約でメモリや CPU のすぐ近くにハードディスクを設置しなくてはならない場合などで、内部の温度が気になる場合などにもとても良いかもしれないです。注意点としては、今回購入した SATA-HD35DC では、通常サイズのブラケットのほかに Low Profile サイズの金具も含まれていましたけど、外箱を見る限りでは 「限定品」 とのことでしたので、もしかすると Low Profile 用ブラケットが付属していないこともあるかもしれないです。小型 PC を利用している場合は気をつけて購入したほうがよさそうです。
ともあれ今回の状況にこれ以上ないくらいぴったりな製品でしたので、さっそく購入してみることにしました。
SATA-HD35DC にハードディスクを取り付ける
型番によっては初めからハードディスクが内蔵されていたものもあったのですけど、値段を比較してみた限りなんとなく割高感があったので、今回はハードディスクなしの SATA-HD35DC を購入してみることにしました。そしてケースの中へ Serial ATA タイプの内蔵用 3.5 インチハードディスクを搭載します。
ケースへハードディスクを入れる作業自体は難しくはないのですけど、ケースカバーを取り付けてある両側面 2 箇所ずつのネジがとても小さいので、PC などを組むときに使用しているドライバだと回せないかもしれないです。先のとがった小型のドライバを使ってネジを 4 本取り外すと、上下それぞれの白っぽいケースカバー部分を取り外すことができました。
そして Serial ATA タイプのハードディスクを、内側の Serial ATA インターフェイスにあたらないようにケース内に収めたら、ハードディスクを Serial ATA インターフェイス側に押し込んで差し込みます。難しくはなかったですけど、なんとなくここがいちばん気を使う場面でした。
うまく差し込めたらハードディスクを背面からネジで固定するのですけど、ここで使用するネジは SATA-HD35DC に付属していたネジを利用するのが賢明な感じです。ネジの頭がレールの外に出てしまうとケースをかぶせる際に引っかかってしまうので、くぼみに埋まる感じのネジを使って固定しましょう。
そんなこんなで微妙に気を使いつつ搭載できたら、取り外したケースカバーを元に戻して、小さなネジ 4 本で固定すれば作業は完了です。
PC に SATA-HD35DC を接続する
まずは必ず PC の電源を落とします。
今回は初ということもあって本体内にブラケットを取り付ける作業があるので電源は落とすことになりましたけど、既に設置してある場合であっても、ハードディスクの着脱時には、たとえ SATA-HD35DC に電源スイッチが付いていようとも、コンピュータの電源を落としてからの作業となるはずですので気をつけましょう。
そうしたら、PCI でもなんでも、空いているところに SATA-HD35DC のブラケットを接続します。基盤が単純にブラケットに取り付けられているだけですので、スロットの種類は関係なく、空いているかどうかだけが重要なところです。
そして付属の Serial ATA ケーブルとブラケットとを接続し、また小型の 4 ピン電源をブラケットへ接続します。
そうしたら、SATA-HD35DC の電源を OFF ( 0 ) にした上で、Serial ATA ケーブルおよび付属の電源ケーブルで、ブラケットと SATA-HD35DC とを接続します。
Serial ATA ケーブルについては、市販のもので問題なさそうですけど、せっかく付属してきましたので 1m のものを使用してみることにします。電源ケーブルは一般的な Serial ATA とは違うので注意です。付属してきた 1m の、なんだか S 映像端子のようなものをつかって接続します。向きがあるのかはよくわからないのですけど、ケーブルには 「パソコン側」 と 「ドライブ側」 とのラベルが貼られていましたので、そうなるように注意して接続してみました。
電源ケーブルの接続をしていて思ったのですけど、しっかりと差し込めて外れないようになっているのか、とにかく硬い感じでした。まるで逆挿ししてしまっているのかと思うくらいでしたけど、方向さえあっていれば最終的にはしっくり行く手ごたえでしたけど、本当に逆だったりするとピンを折ってしまいそうですので、気をつけて差し込む必要はありそうです。
ハードディスクの接続が済んだら、まずはハードディスク側 ( SATA-HD35DC ) の電源を ON にしてから、続いて PC の電源を ON にします。
SATA-HD35DC の電源ボタンって何のためについているものなのでしょうか。安全のためなのかな。とりあえず、そのような手順で電源を入れてみると、内臓 Serial ATA ハードディスクと同じように SATA-HD35DC を利用することができました。
実際のところは Windows がロゴ画面より先へ進まなくなるなどのトラブルがあったりもしましたけど、メモリを挿しなおしたら直ったので、それは本題とは関係のないお話でした。きっと設置の際に物理的な衝撃かなにかでメモリがずれたりしてしまったのでしょう。
Windows が起動して、とりあえず大きなファイルのコピーとかを行ってみましたけど、さくさくっと安定してコピーできるような心地がしました。あたりまえではありますけど、USB 2.0 のハードディスクを使用していたときと比べて圧倒的な速度が出ている感じです。外付けなのにこの使い心地には驚きです。
この感じなら、稼動中に取り外さない感じの用途で外付けハードディスクがほしい場合で、Serial ATA ポートが余っているなら、この SATA-HD35DC はかなり良い選択肢だと思いました。