AirMac Express を使い始めてみました

Network

10 人ほどのグループで、会場の Wi-Fi に繋げた Apple TV を使ってプロジェクター投影をしていたら、混線の影響なのかラグが激しくて使いものにならなくなりました。

そこで安定した環境を作れないかと思い、公称の同時接続数が多い AirMac Express を購入してみることにしました。


これまでプログラミングの勉強会で、会場に用意された Wi-Fi ルーターに Apple TV を繋いで使っていました。

そんなあるとき、10人ほどの勉強会だったんですけど、Apple TV 経由でプロジェクターに映像を投影していたところ、数十秒規模のタイムラグが発生してしまって、使いものにならなくなってしまいました。

同じくらいの人数でも問題なく使えることがあったので、何か別の要因があるのかもしれませんけど、単純に考えると Wi-Fi ルーターの利用人数が多すぎて遅延が発生している、ということもあるかもしれません。

Wi-Fi ルーターの同時接続数

調べてみると、Wi-Fi ルーターには同時接続数というのがあるようで、記述方法にルールがなくて単純比較はできないものの、調べてみると WXR-1750DHP/N のような一般的な家庭用ルーターだと 6 人くらいと、けっこう少ない同時接続数が想定されているようでした。

法人向け Wi-Fi ルーター

法人向けの Wi-Fi ルーターというのもあるみたいで、たとえば アライドテレシス AT-MWS600AP だと 40 台くらいは普通に想定(最大 127 と明記)されていたり、同じく法人向けで推奨同時接続台数が 25 台の WAPS-APG600H や推奨同時接続台数が 50 台の WAPM-APG600H などが目にとまりました。

法人向けは単純に同時接続数が大きいだけでなく、複数台のアクセスポイントを1か所で管理できたり、PoE (Power over Ethernet) と呼ばれる方法を使って LAN ケーブルだけで給電できたりと、運用面での使い勝手も考慮されている様子です。

AirMac Express の購入へ

今回は、レンタルスペースを借りて行う勉強会での出来事なので、毎回そこへ持っていくことを考えると、本体があまりかさばらない方が嬉しいです。

そういう面では PoE を使った LAN ケーブルだけでの給電も嬉しいところですけど、そもそも普通なレンタルスペースで PoE が使える環境は揃っていることは稀だと思うので、そうなると結局は電源アダプターが必要になるので宝のもちぐされです。

それと、Wi-Fi ルーター本体が小さくてもアンテナが外につけられたものだと意外と持ち運ぶときにかさばるので、今回はもしかして アライドテレシス AT-MWS600AP が妥当かなとも思ったのですけど、そんな折に Apple AirMac Express MC414J/A が目にとまりました。

AirMac Express (MC414J/A)

この AirMac Express MC414J/A という機種は、手のひらサイズのコンパクト設計でありながらアンテナが内蔵されていて、持ち運ぶという面でとても理想的です。

そればかりか、一般家庭向けでありながらユーザー数が 50 人 となっていて、ともすると 30 人くらいの規模の集まりにも普通に耐えてくれそうな期待感まで持てたりします。


とはいえ業務用とは謳われていないことや、業務用 Wi-Fi ルーターと比べて安いこと、そもそも見た目のコンパクトさから不安も拭いきれないところですけど、本体のサイズやデザイン的にも価格的魅力も他と比べて群を抜いていたので、今回はまず AirMac Express を購入して試してみることにしました。

AirMac Express を設定する

AirMac Express の設定はとても簡単です。

Mac と同じネットワークにつないであげると AirMac ユーティリティーが自動で見つけてくれるので、そこからすぐに設定を始められます。

独立したサブネットワークとして設定する

今回は、レンタルスペースでの他の Wi-Fi 利用者となるべく干渉しないように、この AirMac Express をルーターモードで設定して、会場の LAN ネットワークの下にもう一つ別の独立した Wi-Fi ネットワークを作ることにします。

そこで、最初に出てきた この AirMac Express でネットワークを作成します という画面の次の項目を設定して 次へボタン 進むことにしました。

項目名 設定内容
ネットワーク名 新たに作成する Wi-Fi の SSID を指定します。
ベースステーション名 AirMac Express に付ける名前なので、適当に良さそうなものを指定します。
パスワード ここで設定したパスワードが、AirMac Express の管理画面へのアクセス用と、Wi-Fi 接続用の両方に設定される様子です。両方一緒のままだと集まった人に Wi-Fi 接続用パスワードを教えた時に、ルーター設定用のパスワードも教えてしまうことになるので、後でどちらかのパスワードを変更しておくことにします。

ここで その他のオプション を選択すると、この AirMac Express をルーターモードではなくブリッジモードで接続したり、既存の AirMac と入れ替えるために設定をコピーしたりといったことができるようでした。

会場の LAN とは DHCP で接続する

次の画面へ進むと PPPoE 接続のための設定画面になりました。

PPPoE は主に自宅で、契約しているインターネットプロバイダーに接続するために使うものです。今回は、会場に既に敷設されている LAN ネットワーク環境に AirMac Express を接続して使いたいので、ここは何も設定せずに 次へボタン 進んでおくことにしました。


何も入力しなくても設定は進み、ひとまずここまでの設定が AirMac Express に適用されました。

会場の LAN に乗り入れる

ここまでの設定だけだと AirMac Express の WAN ポートを会場の LAN ネットワークに接続しても、まだ設定が不足していて、会場の LAN には接続できません。

そこで設定画面を開いて インターネット 設定のところで、設定を調整する必要があります。

ここの 接続方法 で『DHCP』を選択したら アップデートボタン を押すと、これで会場の LAN で利用できるようになっている DHCP サーバーから IP アドレスなどの必要な情報を自動取得できるようになりました。

状況表示のところにはまだ 二重の NAT というオレンジ色の表示がありますけれど、会場の LAN 設定を調整しない限りは解消できません。そしてこの状況が『間違い』というわけでもないので、気にしないでおくことにします。

Wi-Fi の接続パスワードを変更する

さて、これで基本的には設定が終わったのですけど、ここまでで設定したパスワードだと AirMac Express の管理パスワードと Wi-Fi 接続パスワードとが同じものに設定されてしまってます。

自分だけで使うならそれで良いかもしれないですけど、誰かを招いて Wi-Fi を使ってもらうような場合は、それぞれのパスワードを別のものに設定しておいた方が安全です。


Wi-Fi 接続のパスワードは、管理画面の ワイヤレス で行えます。

ここの ワイヤレスパスワード の設定のところで Wi-Fi 利用時に入力するパスワードを変更することができます。

管理画面のパスワードを変更したい場合は ベースステーション の画面にある ベースステーションのパスワード で設定することになります。

実際に AirMac Express を使ってみる

そんな感じで AirMac Express を設定することができました。

そして実際に使う機会があったので試してみたところ、とりあえず 14 人が集まる状況の中で、タイムラグなく AirMac Express に接続した Apple TV でプロジェクター投影できました。

ただし今回が初めてなので、今後も安定してくれるかどうかまではわかりません。

接続

接続方法としては、会場の Wi-Fi に Wi-Fi コンバーターを接続して、有線 LAN で AirMac Express の WAN ポートとを接続します。

そして、できるだけ Apple TV との通信を安定させるために、AirMac Express の LAN ポートと有線で接続するようにしてみました。みんなの Mac は AirMac Express の Wi-Fi 経由で接続します。

これで、会場の Wi-Fi と独立した Wi-Fi ネットワークを作ってメンバーだけが利用して、Wi-Fi 直下の有線につながった Apple TV を利用できるようになったはずです。

今のところ順調

これでもラグが起こるようならきっと、もっとずっと良い Wi-Fi ルーターを購入するか、それともそもそも有線 LAN のネットワークにみんなで接続することになるのでしょうか。

ともあれ今のところは順調なので、この環境でしばらく様子を見ることにします。