TV チューナ GV-MVP/GX を使ってみる

HARDWARE REPORT


テレビチューナー GV-MVP/GX

PC でテレビを観る上で必要となるハードウェアが、テレビチューナです。

今まで AOpen 社のテレビチューナーカード VA1000MAX-NT1 というものを使っていて、それはとても快適だったのですけど、あるときちょっと PCI 接続では都合が悪くなってしまって USB 接続の I-O DATA GV-BCTV7/USB2 というものに買い換えたのでした。

ところが何が引き金になっているのか、しばらく再生していると耳に障るような強いノイズが入ってしまうのでした。

EZ-NET: GV-BCTV7/USB2 のドライバを更新してみる あたりでも触れてみましたけど、録画をしている最中にノイズが発生してしまうと録画されたデータにまでそれが入ってしまって、しかも数分も録画していればほぼ確実にノイズが発生してしまうので、少なくとも自分の PC 環境では、とても実用的とはいえなかったのでした。

 

もともとテレビさえみれれば良い感じだったので、しばらくはそのまま利用していたのですけど、あるときちょっと録画する必要が出てきたのを良い機会に、買い換えてみることにしました。

さらに前に使用していた AOpen VA1000MAX-NT1 というビデオキャプチャはとても快適に利用できていた印象が強かったので、今回も AOpen 社の最新のビデオキャプチャである VA2000 シリーズを購入しようかと思ったのですけど、買いに出かけた時には残念ながら見つけることはできませんでした。

そこで別のものを購入することにしたのですけど、そこで選んだのが、I-O DATA 社の GV-MVP/GX というものでした。

選ぶにあたってはけっこう悩みました。

 

まず、目をつけていた AOpen 社の VA2000 シリーズは AUDIO ケーブル不要という仕様だったので、今回もそういう仕様のものをと探してみたのでした。

というのも、以前に使用していた GV-BCTV7/USB2 は音声を AUDIO ケーブルまたは USB ケーブルから取っていましたし、さらにその前の VA1000MAX-NT1 も AUDIO ケーブルによって PC のサウンド機能へ音声を送る方法だったのですけど、この方法だと、音声を調整するために LINE IN と LINE OUT の両方を上手く調整しないとテレビとその他の音声とのバランスが大きくずれてしまうのでした。

店頭でいろいろと調べてみると、細かい仕組みはわかりませんけど、AUDIO ケーブルが不要のものは Direct Sound という機能を用いて音声を再生しているようです。

 

そのような理由ともうひとつ、今回は "ハードウェアエンコード" という仕組みのものを探してみました。

ビデオキャプチャには、ソフトウェアエンコードとハードウェアエンコードの二種類が存在しているのですけど、録画の場合などにデータをたとえば MPEG-2 形式に変換する処理を、ソフトウェアエンコードの場合は PC 側で、ハードウェアエンコードの場合はビデオキャプチャが直接、行うようになっています。

個人的にはどちらでも良いかなと思ったのですけど、今回問題となった GV-BCTV7/USB2 はソフトウェアエンコードであったことと、もしも音割れが Dual CPU システムの問題だったりした場合には、PC 以外でも出来ることはそちらに任せてしまったほうが良さそうという理由から、こちらなら大丈夫と言う確信はまったくありませんでしたけど、一応今回はハードウェアエンコードにこだわってみることにしました。

 

その条件から見つけ出したのが、この GV-MVP/GX だったのですけど、最後にもうひとつ大きな問題がありました。

それは、以前に不都合が発生していた GV-BCTV7/USB2 と同じ I-O DATA 社の製品だったということです。また同じ症状が出てしまっては元も子もないので性能を良く調べてみたのですけど、メーカーこそ同じものの、チップセットも違いましたし、再生ソフトも別のものでしたし、接続方法も AUDIO の処理方法も全然違ったことから、とりあえずまったく別の製品と見て間違いないと、少し不安に思いつつもそう思っておくことにしました。

他に候補もなかったことと、その日のうちに購入しないと都合に間に合わなそうだったので、思い切って購入へ踏み切ったのでした。

 

あとついでにもうひとつ、ビデオ入力端子にゆとりがあって使いやすそうな感じも選んだ理由のひとつでした。

 

GV-MVP/GX をインストールする

さっそく TV チューナー GV-MVP/GX を PC に組み込んでみます。

本当はまず先にデバイスドライバをインストールしてから製品を取り付けるのですけど、思わず先に取り付けてしまったので、今回はそういう前提でお話を進めて行くことにします。

 

PCI スロットに GV-MVP/GX を取り付けて Windows XP を起動してみると、新しいハードウェアの検出ウィザードが起動して "マルチメディアコントローラ" が見つけ出されました。

まずはこれを 「キャンセル」 して、ドライバソフトのインストールを行います。

 

付属の CD-ROM "GV-MVP/GX サポートソフト Ver.1.02" を CD-ROM ドライブへ挿入して、表示されたメニューの中から "GV-MVP/GX ドライバ" と "I-O DATA mAgicTV5 for GV-MVP/GX" の 2 つをインストールします。また、Direct X 9.0c がインストールされていない場合はそれも合わせてインストールしておきます。

このとき、"I-O DATA mAgic TV5 for GV-MVP/GX" のインストールではいろいろなものがインストールされるみたいですけど、ウィザードの手順どおりに、わからなければ次々と送って行けば大丈夫みたいです。

 

これでドライバのインストールが完了したので、いったん電源を落として、TV アンテナやビデオ入力などを接続して行きます。

そして再び Windows を起動すると、新しいハードウェアの検出ウィザードが "I-O DATA GV-MVP/GX" を見つけ出すので、「ソフトウェアを自動的にインストールする」 を選択して次へ進みます。

そしてしばらくすると "I-O DATA GV-MVP/GX" が、Windows ロゴテストに合格していないというメッセージが表示されますけど、これは気にせず 「続行」 ボタンを押してあげれば、これでTV チューナ GV-MVP/GX のインストールは完了となりました。

 

mAgicTV5 for GV-MVP/GX を設定する

GV-MVP/GX のインストールが終わったら、デスクトップにある "mAgicTV 初期設定" アイコンをダブルクリックして、mAgicTV の設定を行います。

「環境設定ウィザード」 が起動したら、住んでいる地域を選択して、正しいチャンネル設定がなされることを確認します。そして次へ進み、使用するサウンドデバイスを選択します。ここで選択した音源を通して、テレビの音が流れることになるようです。

設定が終わったら、同じ画面にある 「サンプル音声再生」 ボタンや 「映像」 ボタンを押して、音と映像が正常に取り扱えるようになっているかを確認します。正しく動作したならば、これで設定完了です。

 

これで mAgicTV を起動すれば、テレビを見ることが出来るようになりました。

さっそく使ってみると、マルチモニタ環境なのですけど、その両方の画面で問題なく映像を映し出すことが出来ました。起動も早いし、映像もすごく鮮明な気がするし、なにより右側にチャンネルと入力切替ボタン、番組表など、使いたい機能がしっかりと備わっているところが良い感じでした。

また、マルチモニタにもしっかり対応してるようで、以前のビデオキャプチャ "VA1000MAX-NT1" と "GV-BCTV7/USB2" ではどちらとも出来なかったセカンダリモニタでの画面サイズ変更を、何の問題も無く行うことが出来ましたし、セカンダリモニタへいっぱいに表示することも可能でした。

ただしセカンダリモニタの場合には、しばらくすると映像と音声とが若干ずれてしまったりするみたいですけど。

 

一応、ビデオカードは "玄人志向 RD9800XT-A128CL" という RADEON 9800 XT チップセットが搭載されたものを使用しています。マルチモニタで正常に動作するかどうかがビデオカードにも依るとしたら、参考になるかもしれないと思って記しておくことにしました。

なお、このビデオカードでも "GV-BCTV7/USB2" では、デインターレース処理を行わない限りはセカンドモニタに表示さえされませんでしたし、それをするしないに関わらずセカンドモニタ上での画面サイズの変更は出来なかったし、同じくセカンドモニタ上で録画したデータは再生できなかったりだったので、TV チューナ自身のその性能差は明らかにある感じです。

 

PlayStation 2 の映像を映してみる

GV-MVP/GX のビデオ端子へ SONY PlayStation 2 を接続してみました。

そうしてみたところ、コントローラを操作して約 1 秒ほどたたないと動作が画面に反映されませんでした。なんだかビデオ入力の応答が少し遅いようです。ちょうどこれよりも少し前から友人の PC がそんな感じでゲームが出来ないと聞いていて、1 秒でもそんなに影響するものなのねと思っていたのですけど、体感してみるとその大きさが良く判りました。

 

これは、ゲームは諦めないとダメかなとも思いつつ、何か調整できるところがないか調べてみたところ、それらしい項目を見つけました。

それは表示方法を選択するもので、"ダイレクトプレビュー方式" を使用するかどうかを設定できるものでした。名前からして、これを有効にすれば映像をエンコーダを通さずに画面に直接表示することが出来そうな気がします。そしてそれが出来れば、きっと応答速度も速くなりそうな気がします。

 

さっそくダイレクトプレビュー方式を有効にしてみると、タイムロスなくゲームを操作することが出来るようになりました。

もうひとつ "デインターレース処理" を行うかどうかという設定もあります。これは、テレビ画面の映像は人間の目にとってちらつきをあまり感じずに済むようにインターレースという処理を施してあるのですけど、それはパソコンのモニタでは逆にちらつきの原因となってしまうらしいので、あらかじめインターレース処理を元に戻してから表示するというものです。

表示の前に処理を通すことになるので遅くなりますけど、これを有効にした場合でも 0.1 秒くらいでしょうか、とりあえずほとんど気にならない遅れでゲームを操ることができました。もっともデインターレース処理をした映像とそうでない映像とに、素人目では判断できませんでしたけど。

 

そんな感じで設定を少し調整すれば、GV-MVP/GX でも、ビデオ接続にて問題なくゲームを楽しむことが出来ました。

肝心の設定方法ですけど、画面の上で右クリックして、"その他の設定" を選択します。すると "ダイレクトプレビュー" および "デインターレース処理" の有無を選択することが出来ますので、お好みで調整したら mAgicTV を起動しなおしてあげれば有効になります。

ただしソフトの説明に書かれているのですけど、ダイレクトプレビュー方式は、環境によってはノイズが入ったりする場合があるそうなので、場合によってはもしかすると利用できないことがあるかもしれないです。自分の環境ではまったく問題なかったですけど。

 

録画を試してみる

肝心の録画実験をしてみました。

とりあえず普通に録画ボタンを押してみると、GV-BCTV7/USB2 と比べて圧倒的に早く録画が開始されました。これは単に以前のものが遅すぎただけのような気はしますけど…。ともあれ何の問題もなく録画することが出来ました。

 

念のため録画中にウィンドウをセカンダリモニタへ移動してみると、映像はコマ送りな感じになってしまいましたけど、それでも録画されている映像はしっかりとしてました。この現象はダイレクトプレビュー方式かつデインターレース方式で表示させているときみたいで、ダイレクトプレビュー方式を無効にしてみたら録画中でも問題なくセカンダリモニタで表示させることも出来ました。

そして最大のテーマの音割れですけど、録画中に2つのウィンドウ間を行き来させてみたところ、微かに聞こえるような音割れが発生してしまいました。けれど録画にはまったく影響が及んでいなかったので、もし起こってしまってもまったく心配なしでした。

これもダイレクトプレビューでなければ今のところ経験なしなので、音割れの可能性もほとんど心配ないみたいです。

 

そして使っていて思ったのですけど、録画予約機能がとても便利でした。

今時は当たり前なのかもしれないですけど、個人的には今までこういう録画予約機能を使ったことがなかったのでした。時刻と局をあらかじめ必要なだけ設定して、あとは PC を起動しておけば録画できてしまいます。毎週継続した設定も出来るので便利です。

これだけでも、GV-MVP/GX を購入してよかったなって言う感じでした。

 

ただしこれは仕様なのですけど、録画予約した場合は、エンコーダの機能を録画処理が使用してしまうので、その間は mAgicTV を起動してテレビを見るということが出来なくなってしまうようなので少し注意が必要です。なお、予約ではなく mAgicTV を起動して録画ボタンを押す分には、もちろん見ながら録画可能です。

自分はあまり録画をしないのでこれで支障はないのですけど、もし予約録画をよくするようでしたら、エンコーダが 2 つ以上搭載された製品も販売されていますので、そちらを購入してしまうのをお勧めします。