グラフィックボード RD9800XT-A128CL を購入してみる

HARDWARE REPORT


玄人志向 RD9800XT-A128CL

今までは AOpen 社の Aeolus FX5900XT-DV128 というビデオカードを使っていました。

マザーボードに AOpen 社の AX4SPE MAX II というものを使っていたのと、これまでずっと、なにかと AOpen 製の製品を選んでいたこともあり、ビデオカードも AOpen 社のものを選んでいたのですけど、このたび 玄人志向 のビデオカード RD9800XT-A128CL に買い換えてみることにしたのでした。

 

そもそもの理由は、どれも決定的ではないとはいえいくつかあるのですけど…。

まずは、使用しているビデオキャプチャ I-O DATA GV-BCTV7/USB2 が、どうもときどき何かのタイミングで音が割れてしまうのでした。これは USB スピーカー YAMAHA YST-M45D の問題なのか、または Pentium 4 の Hyper-Threading の問題なのか、またはそもそも相性の問題なのか、判断付けづらかったりはするのですけど。

他には、オンラインゲーム SQUARE-ENIX FINAL FANTASY XI で遊ぶときでも、描画時に画面が三角形のタイル上に抜けてちらついてしまうような明らかな乱れがあったり、表示されるキャラクタが点滅したりとか、なんだかおかしな感じがありました。

そして Microsoft Virtual PC 2004 でも、デュアルディスプレイ構成で実行しているときに、セカンダリディスプレイへウィンドウを持って行ったりすると、途中から映像だけが残像としてメインディスプレイに折り返し表示されてしまったり。

他にもパソコン自体の動作がときどきマウスさえも応答しないようなときが、瞬間的にちらほらあったりして、システム的に何かおかしなことになっているんだろうな…、という感じだったのでした。

 

そんなこんなでいろいろとシステム周りを気にしていて、巡ってきたのがディスプレイアダプタだったのでした。

だいぶ前のお話ですけど、AOpen 社のビデオカードには、DVI 接続でモニタを利用しようとすると一部のモニタとの相性が悪くて表示できないという不具合があったことがありました。

これは VGA と DVI とで信号を送るインターフェイスをビデオカードが自動判定しているのか、接続されている方だけに信号を送る仕組みになっていたのですけど、この判定が上手く行かないみたいで、DVI 接続であるにもかかわらず VGA の方へと信号を送ってしまうようでした。それはメーカー側の無償修理によって、DVI と VGA の両方へ映像を送るという感じへ対応されたのですけど、それがひとつの製品ではなく、少しの間そんな感じだったのでした。

それはそれで、その問題が見つかった後はどの製品も対応されてなんら問題はなかったのですけどね。でも今回、ビデオカードを交換するに当たって、また AOpen 製にしようかなと思いつつも、それを思い出したので別のものにしてみました。

また、今まで AOpen 社の GeForce チップセットが搭載されたビデオカード "Aeolus MX440-8X D64(N4) DDR" / "Aeolus FX5200-DV128 AGP LP" / "Aeolus FX5900XT-DV128" といくつかの GeForce を試してみたのですけど、FINAL FANTASY XI の描画が何かと描画に気になる部分があったので、今回はもうひとつの動作確認チップセットである ATI RADEON を選択してみることにしました。

そして購入に至ったのが、玄人志向 RD9800XT-A128CL という、RADEON 9800XT が搭載されたビデオカードです。RADEON は他にももっと性能の高いチップセットが販売されているようでしたけど、値段などの都合で、手ごろな 9800XT です。

 

ハードウェアのインストール

玄人志向 RD9800XT-A128CL を PC に組み込んでみます。なお、組み込む PC は次のような感じです。

OS Windows XP Professional 日本語版
Service Pack 2
CPU Pentium 4 … 2.4GHz (Hyper-Threading)
M/B AOpen AX4SPE MAX II
MEMORY
(Dual Channel)
2GB … DDR SDRAM 1GB PC3200 x 2
1GB … DDR SDRAM 512MB PC3200 x 2
SOUND YAMAHA YST-M45D (USB Audio)
MONITOR #1 EIZO FlexScan L565
MONITOR #2 e-yama 15LN1

RD9800XT-A128CL は AGP 接続のビデオカードなので、マザーボード AOpen AX4SPE MAX II の AGP スロットに差し込みます。

その際、RD9800XT-A128CL には IDE ハードディスクなどでおなじみの 4 ピン電源を差し込む部分が付いていますので、そこへ電源を差し込むのを忘れないように注意しつつ…。

取り付けを行って PC の電源を入れてみると、RD9800XT-A128CL の DVI と VGA の 2 つのポートへ接続したディスプレイの両方に Windows XP Professional の起動画面が表示され、無事に起動となりました。

 

そしてログオン後には "RADEON 9800 XT (Microsoft Corporation)" と "RADEON 9800 XT SEC (Microsoft Corporation)" という 2 つのドライバが自動的に組み込まれ、表示可能となりました。

ただ、これで 2 つの画面が利用できるかとおもったら、どうやら DVI に接続した方の画面しか利用できない感じでした。

2 つ見つかったディスプレイアダプタがそれぞれ 2 つのモニタに対応しているのかと思ったのですけど、Windows の画面のプロパティには、"RADEON 9800 XT (Microsoft Corporation)" しか認識されていないようです。デバイスマネージャを見ると、両方とも正常に動作しているようなのですけど。

 

なんだか不思議な感じがしたので、念のため Windows を再起動してみました。

すると再起動後、画面のプロパティにて "RADEON 9800 XT SEC (Microsoft Corporation)" も認識されれていました。あとは普通の要領でマルチディスプレイの設定を行ってあげれば、問題なく両方のモニタを使うことが出来るようになりました。

製品には専用のデバイスドライバも付属されていましたけど、Windows 標準のものがなんだか安心なような気がするので、特に問題がない限りはこのまま使用してみることにします。

 

ちなみにマルチディスプレイ機能ですけど、たとえば 1280x1024 と 1024x768 というように、異なる解像度のディスプレイを連ねる場合は、上辺をそろえてあげた方が良いみたいです。

そろえないと、Microsoft Virtual PC 2004 のディスプレイ映像が、セカンダリディスプレイへまたいだ時に、プライマリの方へ残像が残ってしまったりしました。上辺をそろえてあげれば、不思議とまったく問題なくなります。

 

□ 使い心地

RD9800XT-A128CL を使ってみた感じとしては、特には Aeolus FX5900XT-DV128 との違いは見受けられない感じですけど…。でもなんだか心なしか、PC 全体がスムーズに動くような気がしてみたり…。気のせいな感じもしますけど。

ともあれ取り替えてみた訳なのですけど、ビデオキャプチャ GV-BCTV7/USB2 で映している映像は、やっぱり稀に音が割れてしまったりしてしまう様子ですし、Virtual PC 2004 もセカンドモニタへ移動させてみると画面の一部が折り返して表示されてしまったりと、交換前と特になにも変わりませんでした。

 

変わったことといえば、FINAL FANTASY XI で画面の表示が非常に安定したというところでしょうか。今までにないくらい自然に、そして今までと同じくらい快適に動作しました。

ただ、ときどきですけど 1 秒未満、一瞬画面が固まってしまうことがあるような気もします。

でもこれはどうやら FINAL FANTASY XI に限らずみたいな感じがするのと、以前にも稀に、もっとひどく止まることもあったりしたので、もしかするとメモリとの相性とか、また別の問題のような気がします。

 

デバイスドライバを更新してみる

普段は特に問題なくても、FINAL FANTASY XI においては相変わらずな感じでした。

Windows によって自動的に組み込まれたドライバを見てみると 2004/03/23 の 6.14.10.6462 というバージョンだったので、ドライバが更新されてそによってもしかしたら改善が見られるのではないかとも思い、デバイスドライバを更新してみることにしました。

 

ATI 社のサイトを調べてみると 2005/08/24 の時点では CATALYST 5.8 Windows XP が公開されていました。

以前にも同じ理由で EZ-NET レポート: FFXI ベンチマークを試してみる (その5) にてデバイスドライバを更新したことがあって、このときは CATALYST 5.7 Windows XP が公開されていたのでそれをインストールしてみたのですけど、するとまったく問題ないくらい FINAL FANTASY XI の動作が快適になりました。

 

今回、この記事にもそのあたりのことを追記しようと思ったところ、そのときよりも新しいバージョンのドライバが公開されていましたので、せっかくなのでそれをインストールしてみることにします。

"5-8_xp-2k_dd_cp_wdm_25203.exe" をダウンロードしたら、これを実行してインストールを開始します。 インストールウィザードが起動したらあとは指示通りに進めてゆけば、問題なくインストールが完了し、再起動後には新しいデバイスドライバが有効になりました。

インストール後の最初の一回だけ画面が黒くちらつくものの、次の起動からはそのような感じはなくなりました。

ドライバのバージョンを見てみると、2005/08/03 の 8.162.0.0 というバージョンのドライバに更新されていました。一つ前のバージョンの CATALYST 5.7 と比べても、デバイスドライバのバージョンは新しいものになっているようでした。

 

この状態でいろいろと使ってみたのですけど、FINAL FANTASY XI も快適でなんら問題ない感じでした。

むしろ標準で組み込まれたドライバと比べて大きな改善が見られたと個人的には思うので、もし漠然とした動作不良があったりしたら、ドライバの更新も視野に入れてみるのが良さそうな感じとなりました。