マリンライセンスロイヤルで特殊小型船舶免許の教習を受けてきました。

船舶免許

一級小型船舶免許に続いて水上オートバイを運転できる特殊小型船舶免許を取得したので、そのときの教習の様子を記してみました。


これまでに思い立って「一級」小型船舶操縦士免許を取得してみたことを話してきましたけれど、 さらに思い立って「特殊」小型船舶免許を取得することにしました。 特殊小型船舶というのは「水上オートバイ」のことで、他にも「水上バイク」や「ジェットスキー」「マリンジェット」「PWC(パーソナルウォータークラフト)」とも呼ばれたりします。これを操縦するためには、特殊小型船舶免許が必要になります。

今回も一級小型船舶免許を取得したのと同じ登録教習所 「マリンライセンスロイヤル」 で 教習を受けることにして、申し込みから事前準備については こちら に 記したので、ここでは教習当日の様子を綴っていきます。

教習当日

今回に教習を受けたのは河口湖のほとり、マリンライセンスロイヤルの 「河口湖教室」 で教習を受けることにしました。 教習開始は 8:00 からと早かったので、前日はその徒歩圏にある 「富士ビューホテル に 宿泊して、当日を迎えることにしました。

ひと月ほど前に一級小型船舶操縦免許の教習を受講していたのもあってか、学科は大丈夫そうな気がしたので予習はせず、 実技だけをインターネット上の動画で学習しました。予習をしてみた印象としては、風を切って走る乗り物は自転車くらいしか乗ったことがないから 操縦がちゃんとできるか不安に思いつつ、特に「危険回避」の操船が難しそうに感じていました。

当日の日程

この日の教習日程は、最終的には次のようになりました。 今回は自分が一級小型船舶免許を持っているので、学科の一部が免除された 1 日コースでの受講です。

日付 内容 時間
9月6日(日) 実技・学科 8:00 〜 14:20

少し早めに訪れてみると、既に 1 名が研修室にいらして、 開講時間にはちょうど全員揃って始まりました。 そのときに印象深かったのが、まだ自動車の免許を取れない年齢の人が 1 名いらしたことでした。 そんな年齢で水上オートバイに出会えたことと、こうして実際に免許取得の行動に出られること、 さらには物怖じせずに礼儀正しく先生や周囲の人と接してらして、 記憶の中のその年頃の自分と照らし合わせてみては、ただただ感心させられるばかりでした。

実技教習

そして教習が始まりました。 担当されたのは沖靖博先生で、丁寧な口調で正然と順序よく話を進める様子が 印象の残る心地がしつつ、まず全体的な話を聞いて概要を把握した上で、 詳細な教習へと進んでいきます。 今回は最初に実技を学習してから、教習 2 日間コースの人たちと合流して、 学科の教習になるとのことでした。

コースを覚える

そして最初に教えられたのが、実技の審査で走るコースについてでした。 水上オートバイの審査では「コース1」と「コース2」を覚えて自力で完走する必要があって、 コース自体は一直線に並んだ 6 つのブイをどう走行するかといった程度で難しくはないのですけれど、 覚えるとなるとなかなか不安を感じるところでした。

コースの全体像は、堀越学園チャンネルさんの次の動画が把握しやすいように感じます。

ブイのどのあたりを通るかについては、コース1の単旋回では 5m 〜 10m の距離を保って直進と旋回を、 コース2の8の字旋回では 10m の距離を保って旋回、スラロームでは 2m 〜 3m の距離を保って旋回する 感じにするそうです。走行速度は 25km/h から 30km/h で、それより早くても問題ないけれど 操船が忙しくなるとのことでした。エンジンの回転数としては 4,000rpm 〜 4,500rpm くらいで、 回転数を目安に速度を調整するとしやすいそうです。

これを実際に操船するまでに覚えておいて欲しいとのことで、自分は操船する時間の前に 1 時間程度の 休憩が組まれていたので良かったのですけど、大きめの休憩を挟まずに操船の時間になる人もいたので、 予習して覚えておいてから教習に臨むのが安心のように思います。

点検

続いて点検について、湖から引き上げられて研修室内に置かれている水上オートバイを受講者みんなで囲って教わりました。

初めて聞く名称ばかりだったのが難しかったことを除けば、 点検自体は基本的なチェックが多くて悩むことは少なかったように感じます。 項目数は多いのですけど、審査の際には先生が指定したものを点検できれば良いので、 個々の点検方法がわかれば大丈夫です。 あと、点検をしながら先生が実体験に即したその周辺知識を聞かせてくれたのも 興味深くて嬉しいところでした。

点検については、ビデオメッセージ VIDEOMESSAGE さんの動画 「発航前の点検」 がわかりやすい印象ですけれど、 テキストでもざっと確認できるように記しておきます。

船体外部の点検

船体外部の点検は、水上オートバイの周りをぐるっと確認して、ヒビなどがないかを確認します。 今回のように湖から引き上げられていれば、船底なども確認しておきます。

ハッチの点検

船体前側の収納スペースがしっかりロックされているか、手で動かしてみて確認します。

シートの点検

乗員が乗るシートがしっかり固定されているか、手で動かしてみて確認します。 転覆時に水がエンジンルームに不必要に浸水しないためにも重要なのだそうです。

ハンドルの点検

ハンドルを左右に動かして、動き的に問題なさそうだったら、右へ切って後方へ行きジェットノズルの向いている位置を確認したら、 左へ切ってジェットノズルがちゃんと連動して動くことを確認します。

スロットルレバーの点検

加速を制御するスロットルレバーを握ったり離したりして、物理的に正常に動作することを確認します。

シフトレバーの点検

シフトレバーを押し下げたり押し上げたりして正常に動作することを確認したら、シフトレバーを押し上げて リバースゲートが下がっていることを確認し、シフトレバーを押し下げてリバースゲートが上がっていることを確認します。

ジェットインテークの点検

船底後方にある水の取り込み口に、砂や袋などのゴミなどが挟まっていないかを目視で確認します。 教習では確認しやすいように鏡が置かれていました。

ジェットインテークから異物を吸い込んでしまうと、内部のインペラ(水流を起こすためのプロペラ)が損傷したりして、 推進力が得られなくなるばかりでなく、エンジンの冷却機構や、ビルジの排出装置にも影響が出てくるのだとか。 そのため、インペラにロープなどを巻き込んでしまって航行時に異常な振動をするような場合には、無理してエンジンをかけずに 救助してもらって、その後で異物を取り除くようにするのが良いそうです。

ジェットノズルの点検

船底後部にあるジェットノズルの内側を、ライトで照らしてゴミなどが詰まっていないことを確認します。 ここに、ビルジを自動排出する機能を担うビルジパイプも備えられているようです。

ドレンプラグの点検

船底後方にある 2 箇所のドレンプラグが閉まっていることを確認します。 水が入り込まない程度に普通に閉まっていれば十分で、あまり強く締めすぎないように注意するようにとのことでした。

エンジンルームの換気

運転する前にはシートを外して、エンジンルームの換気を 3 分くらい行うようにします。 シートを開けてから点検して、最後にシートを閉めるようにすると効率よく十分な換気ができるとのことですです。

エンジンルームのビルジ点検

エンジンルームに水が溜まっていないことを確認します。 ビルジを抜くには、ドレンプラグを開けて、水上オートバイを傾けて排出する感じになるようです。

完全に乾いていなくても、水上オートバイの安定性などに影響がなければ大丈夫とのことでした。 ただ、エンジンのシャフトに触れるほどにビルジが溜まっていると、エンジンをかけたときに巻き上げて エンジンにかかったりする恐れがあるので、特に海水のときには注意したいところのようです。

燃料油量の点検

燃料タンクを揺らしたり、表面にライトを押し当てて、内部の燃料を目視で確認します。

燃料キャップの点検

燃料給油で使うキャップがしっかり閉まっていることを、軽く緩めてからしっかり締めて確認します。

バッテリーの点検

ターミナルの緩みがないかを触って確認します。 水上オートバイでは締めにくく、航行中に緩みがちなので注意して点検する必要があるとのことでした。

緊急エンジン停止コードの点検

緊急エンジン停止コードが損傷していないか、ハンドルの所定の場所に取り付けられるか、引っ張って引き抜けるかどうかを確認します。

救命胴衣

破れがないか、全てのバックルで正常に固定できるかを確認します。 また、国土交通省が認定している桜マークなどの、水上オートバイの運転に 対応しているものを着用する必要があります。 着用するライフジャケットは、プレジャーボートで使うような自動膨張式でも法律上は問題ないのですけれど、 海に投げ出されたときに体を保護する観点から、浮力材で衝撃を和らげられる固型式を着用するのが良いそうです。

ところで水上オートバイのライフジャケットについてはプレジャーボートと比べて決まりが少し複雑みたいで、 教習後に調べてみたところ、ネオネットマリンさんのブログ 「ジェット用のライジャケに桜マークが無い!?」 で細かく語られていました。

音響信号機器

ライフジャケットに笛がついていることを確認します。 水上オートバイの場合はプレジャーボートのときとは違って、船体に 1 つ用意されていれば、必ずしもライフジャケットに 備え付けられている必要はないとのことでした。

信号紅炎

ケースに入っている 2 つとも、有効期限が過ぎていないことを確認します。 湿り気がないことも確認しておくと良さそうです。

なお、信号紅炎は 1 分くらいしか発炎しないので、笛などで注意を引きつけたりして気づいてもらえる状況で使うようにするのだそうです。 教習後に信号紅炎の使い方について調べてみたところ、それに加えてさまざまな検証をされている ボーターズ NE さんのページ が見つかりました。こちらを見ておくと安心かもしれません。

係船ロープ

手で触れて異常がないことを確認します。

船舶検査証・船舶検査手帳・船舶検査済票

船舶検査証や船舶検査手帳、船舶検査済票の原本が水上オートバイに備え付けられていることを確認します。 このとき、各書類に記載されている有効期限が切れていないことと、水上オートバイの両舷に記載されている船舶番号と一致することを確認します。

運転者が最初の席に乗ること

ちなみに水上オートバイの場合は、操縦する人が必ずいちばん前の席に乗って操縦しないといけないそうです。 また、子供を前に抱えたりするなど、操縦する人より前に乗せてもいけないとのことなので注意したいところです。また、プレジャーボートのときとは違って、 必ず免許を所持している人が運転しないといけない決まりにもなっています。

水上オートバイのルールについて教習後に調べてみると、ヤマハさんのサイト 「守ろうルール」 というページで簡潔にまとめられているのを見つけたので、こちらもざっと目を通しておくと 安心かもしれません。ただ、このページの中で「免許を所持していない同乗者の乗船もできません」という記載があったのですけれど、これはおそらく「操船できません」と言いたいのだろうと思うのですけれど、よくわかりませんでした。別の、海と船の情報ポータルサイト 海ココ さんの 「水上オートバイの楽しみ方」 には「複数人乗りなら運転者以外に免許は不要」と 書いてあるので、操船させたり運転者の前に座らせなければ問題ないはずですけれど、乗せる際は念のため詳しい人に確認しておいても安心かもしれません。

ロープワーク

ロープワークからは、沖規子先生が担当してくださいました。 的確に順序よく、はっきりした声でハキハキとしっかり教えてくれる印象が、沖靖博先生と似ているような気がします。 聞き取りやすい声と、みんなの進み具合に気を配りながら的確に補助する様子も印象に残る先生でした。

そんなロープワークは二級小型船舶免許の範囲にあって、今回も同じ結び方が求められるので、難なくこなすことができました。 具体的な結び方については、ビデオメッセージ VIDEOMESSAGE さんの 「特殊小型船舶実技教習3 ロープワーク」 がわかりやすいように思います。

乗船からエンジン始動まで

乗船

そこから桟橋へと移動して、水上オートバイへの乗り込み方の教習でした。 先生は変わって、沖靖博先生です。

  1. 桟橋から手を伸ばし、手前側のハンドルを握る
  2. 水上オートバイを桟橋に引きつける
  3. ハンドルを持った手と同じ側の足を、水上オートバイの足を乗せるところへ、爪先を前にして乗せる
  4. もう片方の足で船体を跨いで乗り込む

桟橋に並行につけた水上オートバイに乗り込むときは、近くの側のハンドルを持つてでハンドルを掴んで 船体を引き寄せたら、同じ側の足で乗り込みます。このとき、足を桟橋のフェンダーに乗せてしまうと そのまま沈んで落水するので注意とのことでした。また、水上オートバイの船体側面に足を乗せても バランスを崩して落水するので、しっかりと足を乗せるように作られているところに乗り込みます。

安全確認

乗り込んだら、エンジンをかける前に周囲の状況を確認します。

  1. 船の全周を確認(ゴミなどの浮遊物はないか、近くに人がいないか)
  2. 水深を目視で確認(水深が 1m くらいあること)
  3. ハンドルをしっかり握って動かさないようにして、足踏みをする感じで船体を 4, 5 回ほど横方向に揺らす(ジェットインテーク内を洗う)

安全確認は立ち上がった状態で行います。 周囲や水深を目視で確認して、船体を揺らしてジェットインテーク内の異物があったときにふるい落とされるようにします。 ジェットインテークは、水深が浅いときや水辺まで持っていく際に砂などが入ることがあるらしく、ここまでくると水中にあって 確認することができないので、揺すって落とすようにするのだそうです。

エンジン始動

始動前の安全確認が終わったら、エンジンをかけます。

  1. リバースゲートを下げる
  2. 緊急エンジン停止コードを手首に巻く
  3. 緊急エンジン停止コードを船体のクリップに取り付ける
  4. ハンドルをまっすぐにする
  5. 電源を ON にする(エンジンがかかるまで長押し)
  6. 右舷側や左舷側から冷却水が排水されていることを確認

エンジンをかける際には、その前にリバースゲートを下げておいて、エンジンがかかったときに船体が前進していくことを防ぎます。 これをしていないと、アイドリング状態でもけっこう前進していくそうです。 緊急エンジン停止コードは、先に体に装着してから、船体に接続するようにします。

エンジン停止

エンジンの停止方法は、教習では 2 つの方法を教えてもらいました。 この両方をセットで審査のときには通しで行うことになりました。

  1. 電源 OFF ボタンを押して、エンジンを停止する。
  2. 再びエンジンを ON にする。
  3. 緊急エンジン停止クリップを引き抜いて、エンジンを停止する。

休憩

この日の湖の上での教習は前半組と後半組とに分かれて、自分は後半組だったのでここまででいったん休憩になりました。 休憩時間は 1 時間ほどあったので、最初に教わった点検を復習してみたり、乗り込み方からエンジン始動と停止の方法、 そして審査で不可欠なコースを覚える時間に充てました。

コースは予習もたくさんしたのに、覚えられたかどうか不安で何度も見てました。実際のところ、 とりあえずひととおりコースをイメージできるくらいに予習しておけば、実技教習で操船しているうちにはしっかり身につくような印象でした。

操船開始

前半組が戻ってきて、いよいよ操船の教習です。

ときおり雨がぱらつく天気だったので、最初はレインウェアを来て臨もうかとも思ったのですけれど、 この頃にはすっかり晴れて降っても通り雨になりそうだったのと、水上オートバイはもともと濡れやすいことを考えると、 レインウェアは気なくても良いかと考えて無しで望みましたけれど、それで問題なさそうでした。 終わった後も、靴がしっかり濡れた以外は特には気になることはなかったのですけれど、 防水よりは普通に湖に入っても問題なさそうな服装を検討するのが良さそうでした。

手袋とライフジャケットを借りて、水上オートバイに乗り込みます。ここからは沖規子先生が担当してくださいました。 後ろの席に乗り、先生の運転で教習のための海域まで移動します。 後ろに乗っているときは、今回の機種では後部座席の後ろにあるハンドルと、手前座席にあるベルトを握っておくと良いようです。

前進・方向転換

まずは基本的な進み方を教えてもらいました。

  1. 前良し、右良し、左良し、後ろ良し
  2. 同乗者、良し(同乗者がちゃんとつかまっていることを確認)
  3. 緩やかにスロットルレバーを握る(ほんの少し握れば動き出す)

プレジャーボートのときと同じ安全確認と合わせて、今回は同乗者をふるい落とさないように気をつけます。 スロットルレバーは繊細に動作する印象で、ほんの少し動かしただけでもエンジンがそれに応じて回転数を変える印象でした。 弱く握ったつもりでも慣れていないと急発進しそうな勢いです。勢いに怯んで思わずスロットルレバーを大きく緩めると今度は 急減速したりして、操船を重ねるうちにだんだんマシになっては来たものの、結局のところ最後までギクシャクした運転になっていたような印象でした。

また、スロットルレバーを握らない状態だとハンドルを動かしても水上オートバイはなかなか向きを変えてくれないので、 ハンドルを行きたい方に動かしたらスロットルレバーを少し握って推進力を加えてあげる必要があるとのことでした。 推進力を加えてあげれば、速やかにしっかりカーブを描いて、かなり小回りの効く印象です。

単旋回

単旋回は、初めてのコースを意識しての操船でおそるおそるでしたけど、 風もなく水面がものすごく穏やかだったせいか思ったよりはまっすぐ進んでくれた印象でした。 それでもスロットルレバーのシビアな感じが難しかったり、エンジンの回転音が大きくなると 思わず焦ったりして、直進するのもなかなか緊張しました。

旋回は、記憶が曖昧なところもあるのですけれど、今回は直線を 4,000 回転くらいで進んで、曲がる前に横と横後方を確認してから、最も外側のブイを通り過ぎたあたりから大回りで、 少し回転数を緩めつつ曲がる感じだったと思います。旋回すると速度が落ちるので、速度を足すようにスロットルレバーの握る量を追加する感じで 進むようにした気がします。このとき、速度計よりもエンジン音に意識を向けて一定の音を保つようにすると調整しやすいのだとか。

そんな感じで何回か練習しましたけれど、なんにしてもスロットルレバーの握り加減が難しく感じて、 特に思った以上に急にエンジンをふかす音が大きくなると、ついつい怯んでスロットルレバーを大きく離して急減速してしまう、 そんなあたりが自分は特に苦手だった様子です。 もし初めての操船が実技審査で何も教えてもらえなければ、焦りですごいギクシャクした運転になっていたかもしれません。 そう思うと独学受験だったらかなり危なっかしい運転になっていた気がするので、教習所に通って良かった気がします。 逆に普段から自動二輪車などを乗っていて、たぶんそういった加減速の感覚や対処に慣れている人なら、 もしかするといきなり操船してもそれなりに様になるかもしれない感じがしました。

危険回避

危険回避は、一番外側のブイに直進して、直前でハンドルを切ってからエンジンを加速して急旋回、障害物を避けるという動作をするのですけれど、 予習のとき感じた通り、ここがいちばん難しく感じたポイントでした。

ハンドルを切ってから加速するのを意識すると、段取り的に操作してしまって加速が遅れる印象でした。だからといって ブイに衝突まではしないのですけど、それは避ける前提でおそるおそる向かっているからであって、ちゃんと避けられているかというと 怪しいところです。自分の場合はもしかすると「ハンドルを切ると同時に加速」みたいな意識の方が、もたつかないかもしれません。

ただ、加速についてもそれを意識しすぎるあまり、必要以上に急加速してしまったように思えたりしたのと、 もしかするとそれよりもむしろ、そう感じて怯んでスロットルレバーを急に大きく緩めてしまうのが問題だったかもしれません。 そんな感じで危なっかしく危険回避を行っていました。何度も練習させてくれて少しはマシにできることもあったものの、 偶然の域を抜けない感じで、もう少し練習する必要がありそうです。

停止

停止は後方の安全を確認してから、スロットルレバーをスムーズに緩めて停止します。 こちらはそれほど難しくなくて、思ったよりも短い距離で止まってしまう感じもしたりするものの、極端に急減速することはなかったので、 とりあえずは大丈夫そうだった気がします。

なお、学科で教わったことですけれど、複数台で走行するときは他の船の真後ろは通らないようにしつつ、 前の船が作る引き波の内側を通るようにするのが走りやすいらしいです。

8の字旋回

8の字旋回は、自分が自動二輪車に乗ったことがないせいもあってか、 曲がるときの感覚が少し怖いような感じがして、ハンドルを切りすぎて倒れないかみたいな心配がありました。 その影響でついつい速度を下げてしまったりしていましたけれど、もしかするとそれが余計に操作を難しくしていたのかもしれません。 先生に、もう少し速度を上げた方が安定して操船しやすくなるみたいに教えてもらって、言われたように加速してみると怖い心地もしつつ、 でもたしかに操船しやすい感じもして、スピード感にもう少し慣れると操作も安定してきそうな印象でした。

なお、旋回の折り返しのときには、自分で立てた引き波が思ったより大きくて怯んだりしたのですけれど、 これくらいの波なら臆せずに進んで大丈夫のようです。波を乗り越えるときには、僅かにスロットルレバーを緩めて気持ち原則したり、 踏ん張るようにして乗ると良いようです。

スラローム

8の字旋回をもう少し急旋回にした感じのスラロームは、8の字旋回でも恐る恐るだった自分としては同じように恐る恐るの 操船でしたけれど、思い返せばどちらも同じような感覚で操縦していた印象で、 単純に旋回することに苦戦していた感じなのかもしれません。

こちらも同じような課題を抱えつつ、同じようになんとか走れていたような気もして、 そんな感じで繰り返し練習していました。それなりに慣れてきた気はしますけれど、 まだまだ自分には練習が足りなさそうな印象です。

旋回の仕方については、堀越学園チャンネルさんも 「水上バイク】の操縦、急旋回のやりかた!誰でも乗れるように教えます。曲がりかたを覚えれば上手くなる」 で詳しく紹介されているので、参考になるかもしれません。 体を倒して旋回する方法もあるけれど、スロットルレバーを強めて加速してあげることでも旋回しやすくなるとのことでした。 実際に教習で体験してみても、そんな感じだったのが思い返されます。

人命救助

人命救助はそれなりにうまく行った感じがします。 先生が、要救助者を見立てたブイがあることを教えてくれるので、そうしたら安全確認をしてから発進して、 十分な距離があるところまで行き、要救助者へまっすぐ向かいます。そして 15m くらいまで接近したら スロットルを離してそのまま低速で向かい、救い上げるという流れでした。

接近中は出力が弱くて舵が効きにくく、進路がずれると再調整しにくいので、早め早めでしっかりと 狙っていくのが大事なようです。向かう際には、ミラーの付け根の延長線上に要救助者をおく感じで狙っていくと 良い感じに救い上げられる位置に付けられるとのことでした。

人命救助については、堀越学園チャンネルさんも 「4)【水上バイク】人命救助やります。これで水上バイクの操縦講習、全部です。」 で丁寧に教えてくれているので、そちらも参考にすると良いかもしれません。 今回の実技のときは波風が穏やかでどこから向かっても問題なさそうな感じでしたけれど、プレジャーボートのときと同じように、 波が来ている方向、風上から要救助者に向かうのが良いとのことでした。

全体的な印象

これで実技教習はひととおり終わりましたけれど、 終わってみて気になるところはなんといっても、自分のおそるおそる操船している感じが抜けきらないところのように思います。 思い切って速度を出そうとするのが甘かった感じで、心配ないとは思うのですけれどうっかり急な動きになって後ろの先生を 落としたりしないか気になったり、エンジン音が大きくなると驚いてみたり、ある程度の速度まで上がると ちゃんと旋回できるか不安を覚えたりして、気がつくともたもたと走っているような印象でした。 速度については、その「ある程度の速度」がちょうど良かったみたいで、それより落ちるたびに先生に何度も指摘されていた感じでした。

先生からはアドバイスとして、直線はしっかり 4,000 回転まで上げて、旋回は大きめに、速度が遅いと感じたらちょっと速度を上げてみて、 と言った言葉を受け取り、先生が交代、そして実技試験となりました。

実技審査

実技審査は今回は、先にコース1とコース2と人命救助をしてから、桟橋に戻ってエンジン始動から停止までを行う流れになりました。

プレジャーボートのときと大きく違うのは、スタート地点まで移動してから先生に「コース1を行ってください」とか「コース2を行ってください」みたいに 言われて、それ以上の細かい指示がないまま自力で完走するという感じです。 教習開始当初からコースを覚えるように言われていたのと、教習で何回か走るうちに覚えられたので、そんなに難しいことではない印象でしたけれど、 コースを間違うと失格らしいので気をつけておきたいところです。

そして走ってみた感じ、コース1の単旋回は不格好ながらも順調にこなしたような気がします。 ただ、苦手意識の強かった危険回避は慎重操作に拍車がかかって、ブイに衝突することはなかったものの、 もはや危険回避で急旋回とは言えないような低速でギクシャクとした走行になっていた感じでした。 人命救助は、最徐行かつ波風が極めて穏やかだったおかげもあって、問題なく操船できたような感じがしました。

それから先生の操縦で桟橋まで戻って、最後のエンジン始動と停止の試験になりました。 教わってから時間が経っていたので抜けがないか不安を感じつつ、それでも問題なくできました。 自分は後半組だったため、教わってから湖に出るまでに休憩があってそこで復習しておいたのも良かったように思います。

ロープワークと点検の審査は、湖に出る前に終わっていたのですけれど、 こちらは丁寧に教えてもらった後なのもあって、特に難しさを感じることもなく答えることができました。

先生の操縦を体感

これで実技教習はすべて終わりになりましたけれど、 その中でとても良かったと感じることに「先生の操縦を体感できる」ところがありました。

教習中にも、前を見ながら先生の操縦で理想の走りを体感できる機会があったのが良かったですけれど、 思い返すほどにやっぱり速度の出かたが自分とはぜんぜん違ってしっかりしていた印象が残ります。 教習のための水域に向かう行きと帰りの道のりでは後ろに乗って、先生がガンガン飛ばすのを 体験できたりしたのは、水上オートバイや自動二輪車に乗ったことのない自分としては 嬉しい体験でした。

学科教習

それからは二日間の日程の受講者たちと合流して、学科教習へと移りました。 担当されたのは沖規子先生で、相変わらずにテンポの良い説明と、実体験を踏まえて 話を膨らませるところに、楽しい心地を覚える教習でした。 余談になりますけれど、この日はエアコンが強く効いていて、 もともとエアコンの寒さが苦手な上に普段はき慣れない7分丈のズボンも相まって、 とても寒く感じられました。そんな寒さを凌ぐのに、持っていたレインウェアのズボンがとても役に立ちました。

一級や二級の小型船舶免許を持っている人たちは 2 時間程度で講習も終わり、 学科試験の時間となりました。特殊船舶免許が初めてで 2 日間のコースの人たちは、 自分たちが試験をしている時間が自習の時間に当てられていました。

学科審査

学科審査は「操縦者の心得及び遵守事項」と「交通の方法」が免除されて「運航」だけを受ければ良かったので気分的にも楽でしたけれど、 範囲が狭かったのと、問題自体も素直なものが多い印象で、危なげなく解答することができました。

それほど時間がかからないうちに解き終わり、致命的なミスがないかの確認をざっとしたものの、 それ以上の見直しは必要なさそうな気がして、早々と解答用紙を提出して教習の全日程が終了しました。

特殊小型船舶免許証の到着

それから何も追試などの連絡はなく、無事に手元に「特殊」も加えられた小型船舶操縦免許証が送られてきました。

教習の申し込みをしたのが 2020 年 8 月 18 日で、受講したのが 9 月 6 日、そこから 21 日が経過した 9 月 27 日に免許証が届いた感じになりました。 自分の場合は一級小型船舶免許を取得して間も無く特殊小型船舶免許の教習を受講することにしたのもあって極端に遅くなりましたけれど、 通算すると船舶免許を取得しようと思って申し込んだ 6 月 3 日から 116 日が経ってようやく 安定的に免許証を手にすることができました。

プレジャーボートの免許と水上オートバイの免許を取りたい場合は、一級と特殊での 5 日間ほどの日程や、二級と特殊での 3 日間ほどの日程で 同時取得するコースを用意している登録教習所もあるようなので、短期間で取得したい場合は最初からそういうものを 選ぶと良いかもしれません。急がないようなら数年感覚で「二級」→「特殊」→「一級」みたいにステップアップしていくと、 1 回あたりの学習量が少なくて済むのと、取得するたびに免許証の有効期限が 5 年延長になるので、良かったりするかもしれません。

地図に登録申請してみる

最後に余談になりますけれど、教習会場の河口湖教室に向かうにあたって、自動車で iPhone のカーナビを使って向かうことにしたのですけれど、 マップアプリに「マリンライセンスロイヤル 河口湖教室」の登録がなくてじゃっかん不便だったので、場所情報を報告してみました。

詳しいやり方は忘れてしまったのですけれど、たしか iPhone のマップアプリで住所で河口湖教室を検索して「店舗/企業の追加」メニューから、 河口湖教室の名称やホームページ、連絡先などを入力して報告したような気がします。 そうしてみて数日ほどしたある日、使用していた自宅の mac パソコンに、場所が追加されたという通知が届きました。

実際にしっかり追加されたみたいで、mac パソコンのマップアプリでもしっかりと、名称から検索できるようになった様子です。

まとめ

そんな感じで、水上オートバイに乗るための「特殊小型船舶操縦士」を取得してみて、その教習を受けてみた印象について綴ってみました。これから先の操船体験したりしてみた感想などは順を追って記していこうと思います。