一級船舶免許の教習にあたって用意した服装や持ち物について。

船舶免許

一級小型船舶免許の講習を受講するにあたって、服装や持ち物に何を用意したらいいかけっこう迷ったので、体験も踏まえてそのあたりを整理しておくことにしました。


思い立って、小型船舶操縦士免許を取得してみることにしました。 その経緯や周辺的な予備知識については こちら に記しましたけれど、 今回は登録教習所 「マリンライセンスロイヤル」 に通って一級小型船舶免許を取得するにあたって用意した服装や持ち物などについて綴っていきます。

申し込みも無事に終わって一級船舶免許の教習を受講するに当たって準備を進めていましたけれど、思いのほか苦労したのが「実技教習での服装」などの持ち物でした。 マリンライセンスロイヤルさんに申し込みを行った際にも丁寧な「船舶免許教習の服装・持ち物チェックシート」が同封されていたのですけれど、 あまりにも船に乗るということが想像できないものだから、どういった服装で臨めば良いかが想像できませんでした。 結局のところ、それっぽい気がするものを用意してみて、結果それで問題なさそうだったので、 ここではそのあたりを中心に紹介してみます。

服装まわり

動きやすく汚れの気にならない服

最も悩んだのが服装でした。船舶免許教習の服装・持ち物チェックシートによると「動きやすく汚れの気にならない服」と「肌の露出が少なめ」と 記載されていたのですけれど、それだけでは何を着たら良いのか分からないのが実情でした。 すがる気持ちでプレジャーボートに乗る人がどんな服装をしているかをインターネットで調べてみたり、 なんとなく勘を働かせたりして考えた末、普通のカジュアルな服装で良いのでは?という結論に至って 揃えてみて、それで大丈夫そうでした。

要所としては次の辺りを気にしておくと良い気がします。

そんな辺りを踏まえつつ、普段通りの下着に、普段どおりのズボン、普通のティーシャツに、 ユニクロのカジュアルなパーカーを着て、そんな感じで問題なく教習を受けることができました。

普通の服でも操船しにくいこともなく、ズボンも普通に楽に歩けるものなら支障なく船に乗り込める印象でした。 上着もパーカーみたいにたっぷりしたものを着ても邪魔になることはなく、フードをひっかける心配もなさそうです。 ごわつかない感じの服と下着が動きやすくて良い気がします。

自分のときは風が強い日だったせいもあるのですけど、海の水しぶきはしっかり飛んで届いてきて、そのうち乾く程度には しっかり濡れたので、海水に濡れても嫌な服でないか、そのあたりを気にしておくと良さそうです。 点検作業で狭い収納部屋に入ったり、エンジンルーム等の壁に腕を擦ったり、オイルチューブなどの汚れやすい部分に触った指で服に触れる可能性もあるので、 そういったので汚れがついても後で困らない服を意識して選ぶのも良さそうです。

滑りにくい靴

靴については、船舶免許教習の服装・持ち物チェックシートでも補足されているように「運動靴」や「スニーカー」と 呼ばれるタイプのものを着用すれば大丈夫そうです。

ただ、船の上は普段は濡れたり浸水したりはしない様子ですけれど、 水しぶきが飛べば普通に足元が濡れたり、足にしぶきが直接かかったりするので、 こちらも濡れても気にならないものを選んでおくのが良さそうでした。 ちなみに自分は普段から防水性のある 「アサヒトップドライ TDY3836」 という普通の靴を 履いていて、教習でもそれを履いていましたけれど、こんな感じの靴で基本的には大丈夫でした。

ただし 1 回だけ、 実技審査が終わってマリーナへ帰る途中、インストラクターの先生が運転していたときだったのですけれど、 大きめな波を超えて船が少し大きく跳ねて着水したときに、水しぶきで足元が濡れていたのも相まって、 片足が大きく滑ってもう片方の足を軸に 90 度くらい体の向きが回ったことがありました。 手すりをしっかり掴んでいたので問題なかったのですけれど、うっかりしたら背中から海に落ちていたかもしれません。 そんな感じで、雨の日でも普段は滑らない靴でも思いがけないところで滑ったりしたので、 しっかりとした靴を選んでおくのは大切そうです。

レインウェア(必需品)

今回の実技で操船する日は天気はよかったのですけれど、風の強い日で、船が切った波しぶきが船にたっぷり舞い込んできて、 しっかり濡れる感じだったので、レインウェアはとても役に立ちました。

晴れていたから着るかどうか迷ったのですけれど、天気が不安定なのもあって急な雨に備えて着ておいたのが正解でした。 水を弾いてくれるため、濡れてもぜんぜん乾きが良くて、上下にレインコートを着ていると安心して操船できる印象でした。 最初に同乗したインストラクターの先生はレインコートを着ていなかったので、どれくらいの水しぶきを浴びるかは船を出してみないと 分からないところもあるのでしょう。実技審査のために交代した先生も、マリーナに帰るときになってレインコートを羽織っていました。

用意するレインコートは、濡れるときはしっかり濡れるので、せっかくなら上下を揃えておくのが良さそうです。 素材はコンビニとかでも買えるいかにもレインコートなビニールのもので大丈夫ですけれど、 自分はそういうものをあまり着たくなかったのもあって、上下ともにアウトドア系の普段着っぽい落ち着いたものを用意しておいていました。 そのおかげもあって、雨でもないけど念のため着ておけたのは良かった気がします。

購入したものは、コロンビアというメーカーの "オムニテック" という完全防水素材でできた ジャケット と、 同じ素材のズボンの上から履けるものになっています。ビニール感の少ない落ち着いた色合いの素材で、上着は強めの黄色が入っているため、普段着と比べて 目立ちはするものの、海の上での安全性を考えるとちょうどいいような気がします。ズボンは黒色でこちらもビニール感がなくて、 電車の中で履いていても雨具のように見えないところが気に入ってます。 素材が擦れる音はシャカシャカするので、音を聞けば雨具であることには気がつく感じです。

タオル(必要に応じて)

タオルは、普通のタオルで大丈夫な気がします。

実技の操船で使った船が風通し良い感じだったのと、自分がもともと暑さに強いのもあってか、 いったん海に出てしまえば 7 月の夏場でも涼しい印象でタオルの出番がなかったのですけれど、 船の種類によっては運転席は風が遮られて暑いこともあるようなので、 汗をかくのが気になる人はタオルを身につけておくと良いかもしれません。

サングラス(必要に応じて)

持ち物チェックシートには「お持ちであれば、サングラスを」と書かれていたので、 念のため持っていったのですけれど、普段からサングラスをかけないせいもあってか、 かけるのを躊躇ってそのまま操船を行い、そのまま問題なく実技が終了しました。

それでも、船からの景色が眩しいという感じもせず、見難い印象もなかったので、 とりあえずあってもなくても良いかもしれません。 ただ、事前に下調べを行う中では、偏光サングラスをかけると船から水面下がみやすくなって安全性が増すとも 言われていたので、あっても良いのかもしれません。日差し対策にも有効なはずです。 この日にいらした 2 名のインストラクターのうち 1 名がサングラスを着用されていました。

ちなみに、自分が用意していったサングラスは こちら ですけれど、 使わなかったので良いかどうかはわかりません。偏光サングラスで安い上に評判が良かったので買ってみました。

帽子(必要に応じて)

帽子は、持ち物チェックシートに「日焼け・熱中症対策のため」と補足されていました。 持ち物リストにあったので念のため持っていったのですけれど、こちらもサングラスと同様、単に普段かに着用していない のもあってかぶらないまま、実技の時間が終了しました。

自分もインストラクターの先生型もこの日は帽子はかぶっていませんでしたけど、 暑さ対策に帽子は重要という話はよく聞くし周りに合わせるものでもないので、かぶった方が良いに越したことないとは思います。 ちなみに、船を自分がエンジンを 2,500 回転くらいで運転する分には大した速度は出ないのですけど、 インストラクターの先生が運転すると結構な速度を出したりするので、帽子が飛ばされないように気をつけたい印象でした。

ちなみに自分は黒色の帽子を買ったのですけれど、今に思えば、せっかく海でかぶるなら、 仮に海に転落したときでも脱げにくい紐のついたものとか、目立つ蛍光色などが入ったものを選んでおくと良かったかもしれません。 海に落ちても生きている限りは頭を水面に出すことになると思うので、 そうしたときに海の色と同化しない色が入っている帽子があれば発見されやすくなるかもわかりません。

飲み物

持ち物チェックシートに「飲み物」とあって、とても普通な持ち物なのですけれど、 船に飲み物をどう持ち込むものなのかみたいな初歩的なところが分からなかったので、そのあたりも記しておきます。

機種にもよるかもしれないですけど、船の操船室にはペットボトルのドリンクを置けるドリンクホルダーが 用意されていたので、普通に自販機とかで買って持ち込めば大丈夫そうでした。 鞄も、運転室がしっかりした船であれば足元に置けますし、今回の船は運転席があまり覆われていませんでしたけど、足元に収納する物置スペースがあったりしたので、 荷物と一緒にペットボトルを持ち込むみたいな感じでも大丈夫そうです。

酔い止め(必要に応じて)

自分は乗りもの酔いを長らくしたことがないので忘れていましたけれど、持ち物チェックシートに「酔い止め」と あって、船に乗るという経験もほとんどなかったので、念のため「酔ってからでも利く」とされる 「センパア トラベル1」 という薬を用意して身につけてました。

結局のところ酔うことはなかったのですけれど、実技の日は風の影響で波も高かったので、船は大きく揺れていました。 同乗されていたインストラクターの先生が、マリーナを出港して間も無くのところで「これくらいの波だと、もう船酔いする人もいる」と 言っていたので、不安のある人はしっかりと対策しておくのが良いかもしれません。

日焼け止め(推奨)

こちらは持ち物チェックシートには記されていなかったのですけれど、持っておいて正解でした。

7 月の実技で操船した日は、晴れていたものの日差しはそれほど強くない気がしたのですけれど、 それでもやっぱり日差しが照りつけるとじりじり暑くて、日焼け止めを塗り忘れた手の甲が、教習が終わる頃にはすっかり赤く日焼けしていました。 もともと日焼けに弱い方ではありますけれど、船の上だといつもより日焼けしやすい気もしたので、 自分みたいに日常では真夏でも日焼け止めを塗らない人でも、塗ってから船に乗るのが良いかもしれません。

ちなみに自分は 「スキンアクア UV スーパーモイスチャーエッセンス」 という 日焼け止めを使ってみました。普段は使わないので詳しいことはわからないのですけれど、紫外線のカット性能の他にも、水に強いかどうかとか、 液体かクリームかで塗りやすさが変わってきたりとか、いろいろあるみたいなので、詳しい人に聞いて選んでみるのも良いかもしれません。

着替え(推奨)

それと、持ち物チェックシートには書いてないのですけれど、着替えも一式、持っておくと安心かもしれません。 海に落ちさえしなければ着替えは必要ないと思うのですけれど、落ちたらよっぽどの専門的な服装でないかぎりどうにもならないですからね。 実際のところ、特に慣れない乗船だけに、落ちる可能性は十分にあるような印象でした。

自分が感じた危ない場所としては、船が留められている桟橋には、船から伸びるロープを結ぶための「クリート」と呼ばれる 出っ張りが足元の至るところにあって、うっかりすると躓いてそのまま海に落ちるかもしれない気がしました。 また、桟橋が浮くタイプのものだったため歩くと揺れて、しかもそれが細い足場だったものだから、バランスを崩せばそのまま海に落ちそうでした。 実際、他の誰かが船に乗り込むときに思いがけない揺れ方をして落ちそうになったり、自分が船から桟橋に乗り移ったときに勢い余って落ちそうになったり したので、うっかりすれば落ちても不思議はなさそうでした。

少なくとも、桟橋に向かうより前にライフジャケットをしっかり身につけておくのが肝心そうです。 インストラクターの先生曰く、実際に落ちる人もときどきいるそうで、海に落ちたら躊躇わずにライフジャケットの紐を引っ張って膨らませてねと最初に教えてくれました。人を桟橋から引き上げるのもけっこう大変なんですって。

ライフジャケット(借りられるので不要)

ちなみにライフジャケットは教習のときに貸してもらえるので、事前に用意しておく必要はないです。

持ち物チェックシートに書いてなかったのもあるのですけれど、そういえば自分は教習で船に乗るとなったときに、 ライフジャケットが必要かどうかを事前にぜんぜん考えませんでした。借りられること前提で準備していたからなのか、 単に思いもしなかっただけなのか、意識しなさすぎて当時を振り返っても思い出せない感じです。

実技教習の一環として扱われるものでもあるため普通に貸してもらえるのと、教習に行けば学科でしっかり習うことなので何も心配なのですけれど、 今回の小型船舶操縦免許証で乗るような船で海を航行するときは国土交通省認定の「桜マーク」が入ったライフジャケットの着用が必須になります。

学科教習まわり

学科教習で必要なものについては、マリンライセンスロイヤルさんから申し込み時に送られてきた「ご予約確認書」や 2 日ほど前に伝えられた メールと実際に受講した体験を元に整理しておきます。

ボールペン(必須)

最も大事かもしれないのが、消えないインクのボールペンです。

出来上がった免許証が送られてくるときに使う封書の宛名を書くときにも使用したのですけれど、 その他にも、学科の終了審査で解答用紙に記載するときにもポールペンを使用します。 必ずボールペンで記載するようにと言われたので、忘れずに持っていくようにしましょう。

付箋とマーカー(推奨)

学科教習で大事なところをマーキングするために使用しました。

自分は細芯の蛍光マーカーを持っていって、先生が「ここは大事だから線を引いて」みたいに言うことがあるので、 そんなときに言われるままにラインを引いたり、先生が口頭で言ったことで気になったことを、教科書の余白に記載するのに使用しました。 付箋は持っていくのを忘れたため、テキストの隅を折って印を付けてましたけど、付箋を貼った方が明らかにわかりやすそうでした。

自分の場合は 4 日間連続での講習だったのもあってか、余った時間は練習問題を解くのに費やしたため、それほどテキストの内容を 復習する時間は取れなかったのですけれど、それでも蛍光カラーで印がつけられていると、 教科書を見返したときに目に飛び込んできやすくて良い感じでした。

ノート(推奨)

学科教習中にちょっとした計算問題を解くときとか、ときどき先生がホワイトボードに 図を丁寧に書いて説明してくれたりするときに、ノートがあると便利なことがときおりあったので、 小さめのノートを持っていくと良いかもしれません。

実技教習のときにも、たとえば「エンジン始動の手順」みたいな、とりあえず先に教わって 出港前に休憩みたいなときにも、忘れないうちにメモに書いて覚えるみたいなこともできて重宝しました。

シャープペンシルと消しゴム(推奨)

ノートにメモするときにも使いましたけど、それ以外にも特に「一級」を受講する上では、 教習中や学科審査で海図を解くのに必要です。

海図問題は、学科審査で解答自体は海図に書き込んだまま提出するのですけれど、間違えたときは消して修正する必要があるので、 シャープペンシルと消しゴムを使うことになります。予習で海図を勉強しているときにどこかで「2B 以上の鉛筆」を使うように 書かれているのをみたことがあった気がするのですけれど、シャープペンシルでも大丈夫ですし、 むしろシャープペンシルの方が細く安定した線を引けるので、誤差が少なくて良い印象でした。

コンパス・ディバイダー・三角定規(借りられるので不要)

今回の教習や学科審査では、海図で使う「コンパス」と「ディバイダー」、それと「三角定規 2 枚」については、 マリンライセンスロイヤルさんが全員分を用意して貸してくれることになっていたため用意する必要はなかったのですけれど、 自分は海図問題を予習しておきたかったのもあって、事前に購入してありました。

購入したものは 「シンワ測定の 115mm ディバイダー」「シンワ測定の 155mm 製図用コンパス」 と、三角定規は 「シンワ測定のアクリル方眼目盛り付き 30cm 三角定規 です。

せっかくなので念のため購入したものを持参しつつ、借りたものをそのまま使おうかと思ったのですけれど、 借りたディバイダーの針先が少し丸まって滑りやすくなっていたので、学科審査のときは、ディバイダーとコンパスだけ、自分で 用意してあったものを使用しました。三角定規は、借りたものは罫線の入っていないシンプルなものだったのですけれど、 持参していた方眼罫線のものより使いやすい印象だったので、借りたものを使用しました。

時計(必要に応じて)

それと自分は普段、スマートウォッチというスマートフォンと連携して動作する多機能の腕時計を使っていたので、 それをつけたまま学科審査を受けるのはよくないと思って、別の時計を用意しました。

持ち合わせに普通の腕時計がなかったので、今回のために購入することにしたのですけれど、 腕時計を買っても今回以外で使う機会はほとんどなさそうだったので、趣向を変えて懐中時計を用意してみることにしました。 購入したのは リトルマジック製のコンパクトな懐中時計 です。 仕舞っておくのに大きいと邪魔そうだったのと、今後も出番があったときに久しぶりに出して電池が切れていても対応できるように「自分で電池交換可能」と謳われた ものの中から、見た目が優しいものを選んでみました。

結局のところ、ときおり残り時間を確認するのに使いはしたものの、少なくとも今回は教室の見やすいところにちゃんと時計があったのと、 学科審査はそんなに悩む問題がないのもあって時間に追われることもなく、おそらくほとんどみんなが時間を余して 終わっている印象だったので、用意していなくても大丈夫そうでした。

飲み物

今回の学科教習では、飲みものを飲みながら受講して大丈夫とのことだったので、 ペットボトルのお茶を用意しておきました。

認印(推奨)

なお、教習を予約したときに送られてきた「ご予約確認書」には、受講時の持ち物として「認印」が記載されていたので持って行きましたけど、 とりあえず自分が教習を受けた 4 日間の中で使うことはありませんでした。 ただ、持ち物として書いてあるので、 持っていっておくと安心です。

コロナ対策として、マスクの着用(今回は必須)

今回は新型コロナウイルス感染拡大予防の観点で「マスク」の着用が必須になっていたので、 忘れないように注意して、学科でも実技でもずっと着用して受講していました。

まとめ

このような感じで、船舶免許の教習を受けるに当たっての服装や持ち物についてを追記してみました。 こういったあたりに気をつけて用意していって、受講当日の 4 日間は不足なく過ごすことができました。

その他の教習所に通ってみて教わったことや、その後の操船体験などの感想は、順を追って記していきますね。