葉山マリーナでの操船セミナーに参加してみました。
船舶免許
東京湾ではない海でも船を運転してみたい気がして、相模湾に面する葉山マリーナで開催された操船セミナーに参加してみました。
小型船舶操縦士免許を取得したからには必要なときには船を運転できるようになっておかないといけない気がして、これまでにも幾度か「操船セミナー」に参加してきていたのですけれど、東京湾以外の場所でも操船体験しておいてみたくて、今回は 葉山マリーナ で開催される「操船セミナー」に参加してみることにしました。
今回の操船セミナーの位置づけとしては、葉山マリーナと マリンライセンスロイヤル が共同開催するセミナーになるのでしょうか。これまでに参加してきた操船セミナーとは違って、今回はマリンライセンスロイヤル卒業生でなくても受講できる様子です。また、会員制ボートクラブ シースタイル の会員の人ならその初回講習の代わりにもなるらしいのは嬉しいところかもしれません。
セミナーの概要
今回のセミナーは 2020年11月28日の土曜日に、相模湾 に面する葉山マリーナで開催されました。今回は午後半日の操船セミナーで、次のようなスケジュールでした。
時間 | 内容 |
---|---|
13:00 〜 16:00 | ロープワーク、操船、離着岸 |
実際に行った内容としては、葉山マリーナでのロープワークと、江ノ島までのクルーズ、そして離着岸練習です。セミナーの汎用的な募集ページの中には、講習内容として「アンカーリング」の記載もあって、もしかしたらそれも体験できるかもしれないと思って気になっていたのですけれど、今回は半日コースだけの開設になるとのことで、時間的に見てなさそうに予想しつつ臨んでみると、やはり今回はありませんでした。
そんな今回の操船セミナーを担当してくださったのは安東さんで、海への愛着とこだわりを感じさせる人柄が伝わってくる印象でした。参加したのは自分の他にもうひとり、以前にも葉山マリーナでの操船セミナーに参加して安東さんから教わった経験のある人のようでした。船舶免許は JEIS で取得したとのことでした。
日程と天候
この日の天候を 海天気.jp で調べてみると、風は 4.5m くらいと少し強そうなものの北からの風で、ということはもしかすると北側が陸になる葉山マリーナ周辺であればそこまで影響されないかもしれません。沿岸付近の波は 0.6m くらいのようです。
実際の印象としては、マリーナにいる分には波風は気にならないものの、ある程度まで船を走らせるとそれなりに波風の影響か、操船中に水しぶきが飛んで来ることがあるような感じでした。操船に影響するほどではなかったような印象がします。先生が話す感じとしては、午前中はもう少し風の影響があったような様子が窺えました。
黄色い旗
そんな海の状況は、葉山マリーナに掲げられた旗でもわかるようになっていました。
海の状況に応じて旗の色を変えて掲げるそうで、今回は「航行注意」の黄色が掲げられています。他にも、状況が良いことを示す緑色や、禁止だったか警戒だったか忘れてしまいましたけれど赤色が掲げられることもあるそうです。
ロープワークから
操船セミナーの最初はロープワークからでしたけれど、今回は少し念入りにロープワークをやってみようということになりました。 とういうのも先生曰く、午前中の操船セミナーで最後に参加者に係留してもらって終えたあと、午後に船を見に行った時に片側のもやい結びが解けてしまっていたのだそうでした。
船にとって大事なロープワークをそんな機会にしっかり練習しておこうということで、 少し多めに時間をとって、もやい結びと巻き結びを中心に教えてもらいました。
もやい結び
今回のもやい結びは、自分が小型船舶免許の教習で習ったのとはまた違って、 輪っかを先に作ってそれをクリートに繋ぐ方法を教わりました。
柱ではなく空中で輪を作ったら、その輪っかをクリートの脚の間を下側から通して、それを両側の棒の部分にかけるようにして止める感じのやり方です。先生の経験上、この方法で外れにくく、重宝するとのことでした。
巻き結び
巻き結びは、フェンダーを止めるときによく使う結び方とのことで、今回の操船セミナーの中でも実際にフェンダーを巻き結びで止める練習がありました。自分は巻き結びを難なくできるつもりでいたのですけれど、実際にフェンダーを結ぶとなると、よくわからなくなって結局、先生に助けてもらうことになってみたりして、個人的にはなかなか貴重な体験でした。
この巻き結び、係留でも使うことはあるらしいのですけれど、サクッと結べて便利な反面、緩みやすいところもあって、仮止め的に使うのが良いだろうとのこと。
そんな巻き結びを今回は、上側が解放されていない手すりに横巻き結びする練習をしてみたりして、これもなかなか嬉しい体験でした。これまでに参加した操船セミナーでは、上側が解放されているパイプに結ぶために「輪っかを二つ作ってそのままかける」みたいな方法を教えてもらって、 そのときの先生は「これが早くて便利!」みたいに言っていたのが印象的でしたけれど、 方や今回の安東さんは「それだと上がフリーのパイプでしか使えないから出番が少ない」と言っていて、係留場所や船によっても馴染む結び方が違ってくるのが窺えて楽しいひとときでした。
ロープの束ね方
それと、ロープを収納する際の束ね方も教えてくれました。
ロープをクルクルと巻いて束ねていって、最後に止めるための輪っかを上に作ってあげて、残りの紐で巻いて束ねたロープを包んで止めてあげるみたいな感じ。
というのも、フェンダーやロープをデッキに放置したまま航行すると、それに引っかかったり踏んで滑ったりして落水のきっかけに繋がったりするから、先生は全て収納庫にしまうようにしているのだとか。実際に今回の操船セミナーでも、沖に出る際に全てのロープを収納庫に仕舞ったのですけれど、その時にこのロープを束ねる方法がなかなか便利に感じました。
これまでの教習や操船セミナーでは、フェンダーはデッキの内側に置いて、係留ロープは邪魔にならないように手すりに結んでおくのが普通で、今回みたいにしっかり収納するのは初めてだったので、こちらもまた良い体験になりました。こんな感じで、人それぞれにこだわりがあるのを感じられるのも、いろんな操船セミナーに参加してみる醍醐味なのかもしれません。
基本操縦
リモコンレバーの操作練習
そして、リモコンレバーの操作方法も改めて教えてもらいました。
最初、自分がこれまでに3回ほど操船セミナーを体験していたのと、もうひとりの参加者も以前に安東さんが教えていたというのもあって「教えなくても、もう大丈夫?」みたいに尋ねられたのですけれど、この日これまでに教えてもらってきた事柄がこれまでの操船セミナーで教わったのとはまた視点が違って面白かったのもあって、リモコンレバーの操作の仕方もしっかり教えてもらうことにしました。そもそもこういう基礎的なところを見直せるのも、操船セミナーならではの嬉しいところな気がします。
そんなリモコンレバーの操作もやっぱり、今までに教わったのとは感じが違って楽しかったです。
操船中は基本的にリモコンレバーから手を離さないみたいな基本的なところを再確認できたのも良い感じでしたけれど、ここでもやっぱりこれまでには聞かなかったリモコンレバーの握り方を聞けて練習できたのが嬉しい体験でした。
リモコンレバーの握り方について
リモコンレバーを握る時、ニュートラルから前進や後進にクラッチを入れる段階では、リモコンレバーの根本を上から握るようにして操作する感じにすると、リモコンレバーを倒しすぎて急発進するみたいなことを予防できるとのこと。クラッチが繋がった後は教習のときに習ったみたいに、リモコンレバーの根本を手前から握るように持ち直して、操作するようにする方法を教わりました。たしかにそんな扱い方も操作しやすいかもしれない印象で、今後の操船を重ねて行く中で自分に合いそうな方法を選んで行けそうです。
リモコンレバーの操作練習はそれだけでなく、エンジンをかけていない状態で、ニュートラルと前進後進、そして前進のフルスロットルまでリモコンレバーを倒すのを何度かやって感覚を掴む練習がありました。自分はまだそんなにリモコンレバーに触れていないのもあって、これまでに加速していくときは恐る恐る力の加減を操船しながら探っている感じだったので、今後も船に乗るときは最初にこういう練習を事前にしておくのはすごく良さそうな感じがしました。
ニュートラルに入っているかを意識して
それと注意事項として、ニュートラルに入れているつもりが、前進や後退に入ってしまっていることもあったりするので注意とのことでした。たしかに、これまでにも操船セミナーで操船していて、ニュートラルに入れたつもりがまだ微速前進に入っていて、先生が直してくれたみたいなことが幾度とあったような気がします。慣れてくるとそのうちわかるようになるとのことでしたけれど、こうして教わって気に留めておければ、慣れやすさも変わってきそうな気がします。
ハンドルの操作練習
リモコンレバーと同じようにしてハンドルも、出航前に感覚をつかんでおく練習がありました。
右にいっぱい、左にいっぱい、ハンドルを回す感覚を何度か体験しつつ、併せて何回転でハンドルを回し切れるかを体験しておくと、着岸などでハンドルを真っ直ぐに直すときに操縦しやすくなる様子でした。これもなかなか良い練習です。
解らん
出航にあたり、係留ロープを解らんします。
どのロープから解らんするかは、自分の中で苦手意識のあるところで、何故だかいまいち頭に入らないのが不思議に思えるところだったりします。教習の実技試験のときにも自信を持って答えられなかったのが思い出されるのですけれど。何にしても通常は、風下側から解いていくのが一般的な様子です。そうすると船が風で開いていかないので良いのだそうでした。
解らんについて復習してみる
その辺りを改めて確認してみると、船舶免許を取るにあたって参考にした堀越学園チャンネルさんの 17)船舶免許、実技試験、係留解らんをやります。 を改めて眺めてみると、このときは風が舷側から吹いているらしく、船首側から解らんされていました。そういえば自分の教習のときに、プレジャーボートは後ろから乗り込むことが多いから船首側から解らんすると良いみたいな話を聞いたような気もするので、こちらの場合もその関係かもしれません。乗り込むときに船が離れていてもロープを引っ張って船を寄せて来れるとは思うので、そんな推察で正しいのかわかりませんけれど。
堀越学園チャンネルさんの動画では、横から風が吹いてくるときの係留順番については明確に解説されていて、近くから係留すれば問題ないでしょう、とのことでした。これまでに乗ってきたようなプレジャーボートの場合、降りてすぐとは船尾側になりそうです。
教習に際して予習のために読んでいた 今から取るボート免許 を読み返してみると「ボートが流されていく側のロープ(船尾から船首方向に風や潮が流れている場合は、船尾ロープから」と書かれていて、要は「風下側や下流側」から解らんしていくことになるというのを記憶に留めておく必要がありそうです。
日本海洋レジャー安全・振興協会のサイトから閲覧できる テキスト にも詳細に「小型船舶の場合、通常は船首、船尾の順で解らんする。風や川などの流れがある場合は、風下や下流側から解らんする」と記されていて、そう言われれば自分も教習のときにこんな感じに教わったような記憶が蘇ってくる気がします。
出航
操船の基本的なところの練習を終えて、いよいよ沖へと出航する運びとなりました。自分にとっては初めての、東京湾以外での操船になります。
最初は葉山マリーナから間も無くのところに位置する名島と、裕次郎灯台(葉山灯台)を目標に進路を進めていきます。
蛸壺や養殖棚
葉山マリーナの入り口すぐから蛸壺やわかめの養殖棚があるとのことで、ブイが浮いているところを注意して近寄らないように航行する必要がある様子でした。
実際のところ、これまでの東京湾と比べて明らかにちらほらとブイが点在していて、それこそ葉山マリーナの出入口のすぐからブイがみられたりして、少し不思議な心地がしました。これが普通な光景みたいです。
いくらか進んだら振り返る
そして、出航からある程度のところまで船を進めたら、ほどなくしていったん船を止めて、今まで来た道を振り返って眺めてみるのもオススメなのだそうでした。
その理由としては、まず第一に、帰りにちゃんとマリーナに戻れるように、帰る際の目標物などを確認しておくための行動だそうです。これまでに参加した操船セミナーでも帰りの目標を確認しておくことの大事さを聞かされて来ましたけれど、ほんとその通りで、慣れないのもあってかなおさら、マリーナがどこにあるのか海からだと思いのほか見当つかなくなる印象がします。今や普通に GPS プロッターが搭載されているのでそれを見れば何とかなるところではありますけれど、そうは言っても物理的に目標が定まっている方が、戻りやすさも、安心感も、大きく違ってくる印象がします。
戻れる海の状態なのか
それともうひとつ大事なこととして、このタイミングで海が荒れていないかどうかも確認しておくのが安心とのことです。
海の様子は追い波と向かい波とでぜんぜん印象が違ってくるため、ここまでは順調に出航できても実は大きな追い波の中を走っていて気づかず、振り向くと大荒れみたいなこともあったりするとのことでした。そう言われれば、たしかに以前に東京湾で参加した こちら の操船セミナーで、追い波と向かい波の差を体験したことがありましたけれど、走りやすさもそうですし、乗り心地から感じる景色もぜんぜん違って映って見えたので、うっかりして大変なことになったとしても不思議はなさそうです。
安全のためにも、こういう早い段階でいったん振り返って、予想以上に荒れているようなら航行を中止して帰るみたいな選択肢も、忘れずに備えておきたい心地がしました。
ヨットがたくさん
そんなふうにして始まった相模湾の航行でしたけれど、東京湾と大きく違う景色として、至るところにヨットが走る光景でした。
沖に進めば見られなくはなるのですけれど、海岸近くを見渡してみるとたくさんの帆が上がっていて、しかもそれが不思議な動きをするように見えて、どちらへ進もうとしているのか把握しにくい印象でした。
自分にはまだ、動力船どうしでも難しく感じる避航操船ですけれど、帆船が相手だとなおさら捉えどころがないように思えて、帰りのマリーナに向かうときには先生の指示をたくさん聞きながらなんとか進路を選んで進んでいました。葉山マリーナ周辺は帆船ばかりでなくパドルボートみたいな小さなレジャー用の船も散見されて、もしかして近くに人が泳いでいないかみたいなことも気にしないといけないあたりに、東京湾の横浜港付近とは違ったハラハラ感を感じました。 ヨットがターンの練習に使う黄色いポールみたいなものがあったりもして、それを見てもそれが何かが分からなくて先生に教えてもらったり。
こういう、海の地域性みたいなものによってぜんぜん景色や注意する点が違ってくるの、こうして操船セミナーで教えてもらいながら体験できて良い感じでした。
定置網
沖へと出れば、今度は定置網にも注意する必要がありました。
葉山マリーナから江ノ島に向かう途中には定置網がいくつかあるとのことで、それに近寄らないように注意するようにと教えてもらいながらの航行です。 今回の船に搭載されていた GPS プロッターには定置網の位置が表示されていたのですけれど、 言葉で「定置網に注意」とは聞いても、そもそもそれが目に見えるものなのかみたいなところから分からなくていろいろ教えてもらいました。
定置網はブイで目印がつけられていて見ればわかるとのことで、実際に定置網の近くまで船を進めて、その景色を実際に見させてもらえました。
訪れてみればたしかに、広範囲にわたってはっきりとブイが連なっていて、定置網の存在を確認することができました。ただ、いっけん目立ってわかりやすそうに見えても、知らずに向かっていくとあっという間に必要以上に近づきそうな怖さがあるのと、海が荒れて波が高いとけっこう近くまで行かないと気づけないこともあるらしいので、見えるとはいってもやはり事前にその場所を把握しておいて、付近では注意して近寄らないように航行するのが得策そうでした。
避航操船の練習も兼ねつつ
そうこうしながら江ノ島に着いて、海から眺めて戻るコースで操船練習しましたけれど、 そんな中の特にマリーナに近い海域あたりで他の船とすれ違うことが幾度かあって、 避航操船の練習も行うことができました。
動力船どうしの行会い船では、避ける意思があることを早めに大きな操縦で示してあげるのが良いことを教えてもらったり。ボートが横切ろうとしているときに、アクセルを緩めて相手が余裕を持って横切れるようにして、その後ろを通過するコースを狙ってみたり。 先生が場面ごとに素早く丁寧に避け方を教えてくれて、とても勉強になりました。 言われるままに操縦していた感も拭えないので、自分自身だけでもこういうふうに判断できるようにならないといけないところです。
係船準備
そうして葉山マリーナへと戻ってきたら、門の手前で係船準備です。 出航のときに取り外して収納しておいたフェンダーと係船ロープを、先生の指示に従って船の各所に装着していきました。
これも今までに体験しなかった事柄で、特にフェンダーを手すりに結ぶのが思ったようにできなかったりして、良い体験になりました。ただ言われるままに行っていたので、フェンダーをどのあたりに取り付けたかとか、係留ロープをどこにどう用意したかはすっかり忘れてしまいましたけれど、とりあえずこうやって1度でも体験しておけたので、今後のどこかで役に立つ日が来たときに少しはこの日のことを参考にできそうな気がします。
着岸練習
係留準備が終わって、船は葉山マリーナへと入港し、そしてそれから着岸の練習へと進んで行きました。
狭いエリアでの操船
先生が着岸の練習で使いたかった場所には先客が停泊されていたので、どこで練習しようかと考えている間にも、マリーナに何隻かの船が訪れて、それらの船に進路を譲ったりしているうちに「せっかくだから、狭い海域での操船練習もしておきましょう」ということで、細かく舵を切りながら、狭い範囲で方向転換をする練習とかを行うことができました。
船がどういう惰性で流れていくかみたいなところがまだあまり体験できていなかったので、どれくらいのタイミングで舵を切ったり、リモコンレバーを操作したら良いかが掴めず仕舞いでしたけれど、先生の指導のおかげで表面上は何とか上手く操縦できていた感じです。
イメージしていた軌跡とズレたときに補正する操縦の仕方とかも教えてもらいましたけれど、言われるままに操作するのがやっとだったので、自分で判断して補正できるようになるにはまだ先が長そうな印象でした。
真っ直ぐ進入しての着岸
着岸練習もそんな感じで、言われるままに操作すれば上手くいくのですけど、いざ自力でやろうとするとぜんぜんタイミングが違うみたいで、なかなか悩ましいところでした。
そんな操船練習では、これまでの基本な 45 度で進入する着岸の他に、90 度で進入する着岸方法も練習しました。言われるままに行う分には 45 度のときとそんなに変わらない気がするのですけれど、やっぱりタイミングがけっこう違ってきているらしいです。ハンドルを切り始めるタイミングが違うのと、ハンドルを切った後に船が桟橋に寄っていくのを待っている時間も倍くらいになっているのだとか。
ニュートラルの時間は少なめに
そんな着岸練習で使うリモコンレバーのギヤの入れ方も、これまでに教わってきたのとは少し違ったところも新鮮でした。
係留したいところへ向けて微速前進で近づいていったら、ちょうど良い頃合いでニュートラルにして、そうしたらすぐにハンドルを素早く反対に切って、切り終わったら素早く後退。
着岸のしかたは教えてくれる人によって少しずつ違ってくる印象がありますけれど、今回は特にニュートラルに入れる時間をなるべく抑える感じで、これまでみたいにニュートラルのまま待つ時間が長かったのとは対照的に思えたところが印象的でした。 船はニュートラルだと推進力を失うから、風の強い日とかには、ニュートラルだと船が流されていってしまうのだとか。動力があれば推進力が生まれて流されにくくなり、船が安定するのだそうです。
たしかに教習のときにも、船はハンドルを回しても前進させないと曲がらないって、障害物への衝突事例みたいな話で聞いた記憶がありますし、実際に運転してみても安定感の違いはわかるような気がします。自分にとって、どんな程度にニュートラルを扱っていくのが良さそうかはまだ判断できないところですけれど、ひとまずはその辺りを意識しながら今後の操船セミナーを体験してみると良いことありそうな気がしました。
係留
そして最後に、桟橋に係留する練習をして、今回の操船セミナーは幕を閉じることになりました。
係船の際には、ロープを用意して、今回の参加者2名でそれぞれ船首側と船尾側とを手分けして行う運びとなりました。自分は船尾側を担当したのですけれど、ロープの準備をしたときにロープが上手く解けない状態になっていて、それをそのまま持って降りたものだから、クリートに止める前にロープを解くので手間取ってしまいました。
とりあえず、ロープをクリートに引っ掛けて、ときおりひっぱって船が流されていかないように注意しながら、時間をかけてロープを解いて、クリートに係留することができました。最終的には上手くいったものの、ロープを解いている間はいろんなところに気を遣ったり、手元に注意が集中して明らかに周囲への目配りが疎かになったりしたので、速やかに係留できるようにあらかじめ準備しておくように心がけるのを忘れないようにしたいところです。
係留の際にどれくらいのロープの長さで、船首と船尾のバランスを取るかは、先生が指示して教えてくれたので、言われるがままに長さを揃えて係留することができました。
まとめ
そんな感じで、真新しい体験のたくさんあった、葉山マリーナでの操船セミナーとなりました。
特に印象的だったのは、地域が変わると海の様子も大きく変わってくるというところ。 参加する前は「相模湾は東京湾より開けていて様子が違いそう」くらいだったのですけれど、 訪れてみれば定置網だとか蛸壺だとか、ヨットがたくさん走っていたりして、 景色と一緒に運転のしかたも変わってくるのが心に残るひとときでした。
そして、教わる先生によっても操船のしかたに拘りや違いがあって、そういういろんな考え方に直に触れられるのも、こうやっていろんな場所で操船セミナーを体験してみるのって価値のあることのように思えたりしました。
今回みたいな操船を体験してみたお話や、小型船舶免許を取得したときの体験記などは、これからも順を追って記していくので、興味があれば眺めてみてください。