マリンライセンスロイヤルで一級小型船舶免許の教習を受けてきました。

船舶免許

思い立って一級小型船舶操縦士免許を取得しようと思い、実際に船舶免許の教習所で 4 日間の教習を受講してみたので、そのときの様子を記してみました。


思い立って、小型船舶操縦士免許を取得してみることにしました。 その経緯や周辺的な予備知識については こちら に記したので、 今回は登録教習所 「マリンライセンスロイヤル」 に通って一級小型船舶免許を取得するための講習を受けた 4 日間の体験を綴っていきます。

小型船舶免許を取得してみたくなって、「マリンライセンスロイヤル」 さんの「一級船舶免許」コースに申し込んだのが 2020 年 6 月 3 日、それからほぼ 1 か月後の 7 月 4 日が教習の受講初日でした。そこから 4 日間かけて一級小型船舶の 免許を取得する日程です。

とりあえず、教習前に予習をしてみる

申し込みに先立ってマリンライセンスロイヤルさんに問い合わせたときに「予習はしなくても大丈夫」とのことでしたので、 それなりに万全の準備で教習当日を迎えた感じかもしれません。

受講までに日があったのと、海や船については無知だったので、教習当日を迎えるまでに本などで学科の予習をしたり、動画で実技のイメージ学習をしたりしていました。そのおかげもあって受講当日には、とりあえず学科は仮にすぐに試験を受けても合格できそうな気がするくらいには予習が進んでいたのと、ロープワークはひととおり滞りなくできるようになっていました。 船の操船については、そもそも船で実際にやってみる機会はないので、動画でどんなことをやるのかと、試験のおおよその流れをイメージできるようになっていた感じです。 そんな当日までの準備については こちら に詳しく記載しておきます。

ともあれ、そんな感じで事前に予習をしてみると、学科を学ぶ上でも実技を行う上でも、どのあたりに意識を集中すれば良さそうかが想像できてきました。

学科で苦手に感じたところ

自分の場合、学科は特に「気象・海象」と「機関の取り扱い」に苦手意識が強かった印象です。これらは「二級」だけでなく「一級」でもさらに 詳しい知識が求められるため「一級」の学科には不安が残るところです。それでも「海図」の範囲は問題なく理解できていたので、 そこまで危機的な感じはしなかったのは救いでした。

他にも「荒天航法」や「機関故障時の対処」のあたりは、 船に乗ったときを想像できないのもあってイメージしにくいところだったので、このあたりにも力を入れたいところでした。 それ以外のところについては、灯台の種類や、標識、灯火みたいな純粋に覚えないといけないところが少し 面倒に感じたものの、基本的には単純なルールで常識問題なところも多い印象で、あまり不安を感じないことを 事前に感じられたのも予習の嬉しい効果でした。

実技で苦手に感じたところ

実技については「ロープワーク」は大丈夫として、それ以外は覚えようとしても動画だけではなかなか実感がわかなかったので、 ひと通りしっかり学ぶ必要がありそうでした。それでも流れが事前にわかっていると、ひとつひとつを確かめていけば良いので、 気持ち的にはかなり楽な印象です。

そして特に「着岸」と「人命救助」が、動画から想像するに明らかに難しそうなところだったので、 そのあたりを特に重点的に教わっていきたい感じでした。あとは "やってみないとわからない" みたいな心地で当日を迎えることになりました。

教習の日程について

そんな感じで臨む教習だったのですけれど、今回は教習の日程組みの関係で、 最初の 2 日間で「一級(進級)」の範囲を、残りの 2 日間で「二級」の範囲を、受講する構成でした。

これは申し込みをしてすぐの段階で聞かされていたことなのですけれど、 それもあって予習に力が入っていたのもあります。 気持ち的には段階を踏んで教習を受けたい気はするものの、 マリンライセンスロイヤルさん曰く「この順番でも多くの人が問題なく合格できている」とのことでしたので、 迷いましたけれど日程変更はせずにそのままの日程で受講することにしてみました。

教習日程

なお、各日の時間が確定したのは受講の 2 日前で、詳しく書くと今回は次のようになりました。

日付 内容 時間
7月4日(土) 学科(一級) 8:45 〜 16:50
7月5日(日) 学科(一級)/ 学科審査 13:00 〜 19:10
7月6日(月) 実技・学科(二級)/ 実技審査 7:30 〜 18:40
7月7日(火) 学科(二級)/ 学科審査 9:00 〜 19:00

教習期間の過ごし方を考える

さて、今回の日程では、学科教習が「関内駅」の近くの教室で、実技教習が「東神奈川駅」から程近い D マリーナ という場所での受講でした。

自宅からの所要時間は、学科教習も実技教習も公共機関を使って片道 1 時間ほどで到着できる場所だったので、 通うのも問題なさそうだったのですけれど、船舶免許の教習がどの程度のボリュームなのか、あれだけの内容を 4 日間しかも今回は連日で詰め込んで 疲れ果てたりしないのか、疲れ果てて寝坊しないかとか、電車が運休したらどうしようとか、考えだしたら キリがなくなってきたので今回は、関内駅の近くのホテルに 7 月 5 日からの 2 日間宿泊することにしました。

宿泊の日程を決める

微妙に中途半端な宿泊日程ですけれど、もともと会場までそれほど遠くなかったのもあって、宿泊費の削減を念頭において決めてみました。 初日の土曜日は元気だから電車遅延さえなければ大丈夫だろうと思ったのと、学科「一級」で不安なところも多いもののそれなりに予習はしてあるので 翌日朝も大丈夫だろうと思い、この両日は自宅から向かうことにします。

そして最も不安な実技の日の前日は、土日の教習で疲れが溜まってくるかもしれないことと、予習をしたりゆっくり休んでおいた方が良い気がして、 この日から宿泊することに決めてみました。 最終日の前日は悩んだのですけれど、実技教習にあたって荷物が嵩む可能性があったのでそれをホテルに預けておけたら嬉しいのと、 疲れが溜まるとしたらこの日のはずなので、念のため宿泊することにしました。

良い感じの宿泊日程

結果としては、偶然にも 2 日目が午後からの教習だったことと、3 日目の実技が朝早くだったこともあり、最適な宿泊日程になった気がします。 予習のおかげもあってか受講は疲れることもなかったものの、移動時間を節約した分、予習や復習に時間を余裕を持って当てることができたので、 気持ち的にとても安心感がありました。特に実技教習の前日は、教習が終わったらすぐにホテルに戻って、ずっと操船の動画を眺めて過ごしてました。

朝も会場から近いおかげで慌てることもなく、ゆっくりした気持ちのまま受講することができたのも、疲れにくく学びやすかったように感じます。

持ち物について

教習を受けるにあたって何を持っていけばいいかは、かなり悩みました。

どんな格好で船に乗るものなのか、どんな備えが必要なのか、マリンライセンスロイヤルさんからも 当日の持ち物や服装についての説明はけっこうあったのですけれど、それでも迷うところは多かったので、 それについては こちら にまとめておきました。

教習当日の様子

そうして迎えた教習当日の印象を、簡単にですけれど思い出しながら綴ってみます。

1 日目、学科教習

今回はマリンライセンスロイヤルの 「横浜桜木町教室」 が初日の集合場所でした。

教習開始まで

土日はビルの入り口が閉まっているらしく、到着したら迎えに行くので電話をしてくださいとのことだったのですけれど、事前の書類には集合時刻が 8:45 と記されていて、その時刻が入室可能時刻なのか教習開始時刻なのかで少しだけ迷いました。現地には少し早めに着いたのですけれど、 とりあえず 10 分前くらいまで時間を潰してから入り口まで迎えにきてもらいましたけど、入室してみれば受講者のほとんどが揃っていたので、 もっと早くてぜんぜん大丈夫そうでした。

見渡すと、全員でたしか 10 名くらい、教習が始まるまでの時間を使って、既に机に配布されていた教習用のテキストを使って 熱心に自習している様子がとても印象的でした。とりあえず自分は、始まる前の少ない時間で、テキストと合わせて配布されていた 注意事項などの書類に目を通しておいていました。

教習の始まり

初日は「一級」の範囲に当たる「上級航行 I」からのスタートでした。 この日は大国先生が担当される教習で、安心感のある話し方と自己紹介が心に残る始まりになりました。 自分はこの日が初日でしたけれど、話を聞く感じ、受講者の中には既に「二級」の範囲を終えた人たちもいるようです。

そうして授業が始まってみると、やはり「二級」で習う初歩的な「左舷」や「船首」、「潮汐」といった、 船と関わっていないと馴染みの薄い言葉が最初から必要になっていて、 予習でそれを目にしていたおかげで頭にすんなり入ってきたのが良かったです。 もちろん先生も「二級」を受講していない人たちのためにしっかりと解説をしてくれていたので、 解らなくて困るみたいなことにはならなそうです。

予習した内容を確かめながら

そうして受講しながら思ったことは、事前にインターネットで調べて勉強したので十分そうでした。 苦手意識が大きめだった「一級」の範囲も、インターネットで学習しておけば、 おおよそひととおりは学習できていそうな印象でした。

その上で、やっぱり教えてもらえると、頭に残りやすい感じもしました。 途中途中で問題集を解いたりしたのですけど、正解率が明らかに上がる印象です。 そんな感じで、苦手な気象まわりの、台風の風向きあたりの話を特に念入りに聞いたりしながら、 夕方 5 時くらいまでの長丁場を終えて初日を終了しました。 途中 1 時間ごとに休憩を入れてくれていたので、そこまで疲れることはなかったです。

海図の授業

海図の授業もたしか初日だったと思います。 自分は事前に運良く 「初心者のための海図教室」 という本に巡り合わせて、 学科試験を解けるくらいには理解できていたので、再確認するつもりで先生の解説を聞きながら手を動かして練習をしていましたけれど、 そうでなくても難しいところなので、多めに時間を割いて個々の理解度を見ながらしっかりと丁寧に教えてくれて安心でした。

「明日の学科審査の前にも海図を練習する時間があるはずだから復習してみて解らないところがあったら先生に聞いて」と、 海図の教習で使ったコンパスと定規、練習用の海図を持ち帰って練習できるようにしてくれていたのも嬉しいところでした。

翌日に向けて

帰宅してからは、翌日の学科審査に備えて少しでも正解率が高まるように、 教習所から借し出された試験問題集を時間の許す限りで解いていました。 間違えたところは復習しやすいように、ノートに正解やキーワードをメモしておきました。

2 日目、学科教習

二日目は「二級」の範囲に当たる「上級航行 II」です。 この日は新宮先生が担当される教習で、大事なところを繰り返し繰り返し言い聞かせてくれて 印象に残る教習でした。 この日は午後だけの教習だったのと、既に初日を体験していたのもあって、 リラックスして受講できた気がします。少し早めに教室に入って、テキストを眺めつつ教習開始を待ちます。

動力機関の知識

この日の授業は、個人的に苦手意識の強かった「機関」が中心でした。 各部の名称やエンジンの構造など、インターネットで学習してもなかなか頭に入らないところだったのですけれど、 先生が重要な点をピックアップして、繰り返し繰り返し語り聞かせてくれるおかげで理解が進んで、 終わる頃には苦手意識もだいぶ軽減されました。 少なくとも、この日の最後に行われる「一級」の学科審査はなんとかなりそうなくらいの印象です。

学科審査前の最終確認

そうこうしているうちに「一級」の学科教習も終わり、学科審査を迎える頃になりましたけれど、 学科教習に臨む前に、復習のためのまとまった時間が用意されていました。 その時間を使って、各自でいろいろ最終確認です。海図問題を解いて慣らす人もいれば、練習問題を解いてみたり。 自分は、練習問題で間違えがちだった箇所をメモしたノートをひととおり眺めて過ごしてました。

それからしばらくして、教習を管理されている世良先生に交代、学科審査が始まりました。

学科審査

学科審査の説明を受けて、この日は「一級」の学科審査が始まって。 終わってみれば、制限時間を少し残す形で無事に問題を解き終わりました。 多少は不安に思いながらの解答はあるにしても、手応え的にも問題なさそうな印象です。

ただ、問題を解いているときにひとつだけ焦ったところがあって、 海図で最後の 1 問だけ、明らかに解答の選択肢からかけ離れた答えがでたりしました。 海図の練習問題を解いているときにもそういうことはけっこうあって、 そんなときはどこかで誤差や勘違いをしていたものなので、とりあえず 書き込んだ線はそのままに、気を取り直してスタート地点から順を追って確かめてみました。 そうしたところ、終盤で引いた長い直進の到達点を大きく勘違いしていたことが判明し、 慌てて直して、無事に選択肢の中に適切な答えを見つけることができました。

学科審査を受けるにあたって、事前に先生が「海図で時間がかかって他が解けないとアウトだから、 他の問題を終わらせてから海図をやるといい」と教えてくれていて、 その通りにしていたおかげで、その問題を無事に突破できたところで、時間を余して 全てを解答し終えました。

学科審査の解答を終えて

とりあえず、全ての問に答えが記されているのをざっと確認しつつ、 手を休めて「時間まで念のため、解答の見直しをしておこう」と思ったあたりで、 先生が見つけて「終わりましたね」っていう感じで終わっているのを確認すると、そのまま回収されて学科試験は幕を閉じました。 学科審査は、解答し終えた人から退室して良いようになっていて、自分が区切りがついた感じだったのと、それがけっこう遅めの時間だったのもあって、 そんな流れになったのでしょう。手応え的にも大丈夫そうでしたし、ちょうど良かったのでそのまま提出させてもらいました。

そんな学科審査の結果は翌日には発表されるとのことで、翌日の正午までに連絡がなければ受かったと思って良いとのことでした。

教習の後は、翌日の予習を

翌日はいよいよ実技教習です。この日は学科の教室から徒歩圏のところにホテルの部屋を借りていたので、 早々とそちらに向かって、翌日の予習に時間を費やしました。 実技教習の予習は想像でしかできないものが多かったので、やってもやってもキリがないような印象でした。

とりあえず、出来るかどうかがはっきりわかるロープワークを再確認して問題なさそうなことを確認してから、 しばらくは「点検」の動画を何度か確認してから、残りの時間は「避航操船」「着岸」「人命救助」あたりの 動画を重点的に眺めていました。 そうしているうちに時間が経って、翌日の教習は早い時間からだったので、 ほどほどにして翌日に備えます。

3 日目、実技教習・学科教習

前日の教習でも聞かされていたことなのですけれど、教習の期間は梅雨らしい天気が続いていて風も強く、 実技試験は中止になるかもわからないという状況でした。

実技教習は中止に

予測が立たないので明日に現地で判断するとのことだったのですけれど、 そうして実技教習の会場である東神奈川の D マリーナ を 訪れてみると、やはり今回は中止という判断になりました。 天気は雨が多少ぱらつく程度なのですけれど、風が強いらしくて、それに伴って波が高くなっているのだそうです。

出航しなくても出来るところだけを教習

ただ、せっかく集まったのもあるので、出航しなくても出来る「法定備品の確認」と「ロープワーク」、「点検」、「機関始動」といった、 船を出航させなくても出来るところだけを済ませておくことになりました。

ロープワークは基本的な結びを研修室内で教わってから、ライフジャケットを身につけて、いよいよ船へと向かいます。 そこで法定備品の点検の仕方をひととおり教わってから、ロープの係留(船に繋がるロープを桟橋に止める)と解らん(船に繋がるロープを桟橋から解く)の 仕方を確認して、そして船体の点検と機関の始動と暖機運転まわりを教わりました。

学科教習

実技に関する教習をこの日に出来る範囲で終えてから、研修室で「二級」学科の教習に入りました。 三冨先生が担当された教習で、マグネット式のアイテムを上手に使って分かりやすく教えてくれるのが印象的でした。 学科の範囲は「交通」で、船を運転する上で不可欠な基本ルールを教わりました。

基本となる「海上衝突予防法」の他にも、優先的に適用される「港則法」や「海上交通安全法」といったルールがあって 混乱しがちなところもありますけれど、基本的には「右側通行」「性能の良い船が避ける」といった根幹的なルールがあって、 そんなあたりを教わりました。事前に予習しておいたのもあって、理解が甘かったところを再確認しながら、 学科教習は終了しました。たくさんの範囲を駆け足で教わったので、復習はしっかりとしておきたいところかもしれません。

教習を終えて

そんな感じで 3 日目の教習は、予定よりも少し早い時間で終了となりました。 実技は中止になりましたけれど、事前にいくつか教えてもらえたのと、実物の船に触ることが少しできたのもあって、 気持ち的にだいぶ楽になりました。覚えることも多かったので、いっぺんに学ばなくて済んだのは運が良かったかもしれません。

中止になった実技教習は明日に日程調整するとのことで、ひとまず残すは最終日の学科教習となりました。 この日もすぐにホテルに戻って、今日に習った実技まわりを復習してから、翌日の学科審査に備えて 練習問題を解いて過ごすことにしました。

実技教習で教わったこと(点検、エンジン始動)

そんな 3 日目に実技教習で教わった手順を整理しておくと、次のような感じでした。 覚えている限りで記載しますけれど、たしか次のようなやり方で良かったと思います。

なお、確認するときはひとつひとつ声に出して行うようにします。 また、機種によっては表から確認できないものや、そもそも存在しないものもあるとのことで、 今回の船は船外機で、換気が不要だったり、冷却水は海水を直接吸い上げるようになっていたり、V ベルトも外側からは確認できなくなっていました。

赤ばけつの点検

  1. 破れ、なし(全周をよく見て確認)
  2. ロープ、良し(手で触って確認)

救命浮環の点検

  1. 反射板、良し(両面とも剥がれていないのを確認)
  2. 破れ、なし(全周をよく見て確認)
  3. ロープ、良し(手で触って確認)

信号紅炎の点検

  1. 濡れ、なし
  2. 有効期限、よし(2つとも確認)

救命胴衣の点検

  1. 船の定員分、あることを確認
  2. 傷、破れ、なし(裏表よく見て)
  3. 反射板、良し(剥がれがないことを確認)
  4. 笛、良し
  5. 桜マーク、良し

船体外板の点検

  1. 船首、良し(桟橋からしっかり観察)
  2. 船尾、良し(桟橋からしっかり確認)
  3. デッキ、良し(桟橋からしっかり確認)
  4. 左舷、良し(桟橋からしっかり確認)
  5. 右舷、良し(桟橋からしっかり確認、乗り込まないと見えないときは乗船してから)

係留ロープの点検

  1. ロープ、良し(痛みがないか、触ったり引いたりして確認)
  2. コイル、良し(桟橋に、余りが束ねておいてあることを確認)

浸水の有無の点検

  1. スカッパまわりの確認(水が変に溜まっていないことを確認)
  2. エンジンルームの確認(水が変に溜まっていないことを確認)

船体安定の点検

  1. (手すりを持ち、両足で船を左右に揺らして)
  2. (揺れの復元が正常であることを確認し、揺れが落ち着いてから)
  3. 船体安定、良し

燃料系統の点検

  1. 燃料コック、良し(燃料コックが、進む先のパイプの方向を向いているのを確認して)
  2. 燃料フィルター、良し(フロートが底にあることを確認して)
  3. 燃料パイプ、良し(継ぎ目に触れたり、パイプを辿って油漏れがないことを確認)

バッテリーの点検

  1. 取り付け、良し(手で押して、揺れないことを確認)
  2. ターミナル、良し(接続部のゴムの部分を持って揺らして、動かないことを確認)
  3. 緑ランプ、良し(充電が正常だと緑色のランプが付く機種の場合)

エンジンの取り付けを点検

  1. (船外機を押して、揺れないことを確認)
  2. (取り付けネジが緩んでいないことを確認)
  3. エンジン取り付け、良し

推進器の点検

  1. プロペラ、良し(プロペラを覗き込んで)
  2. ごみ、油、なし(周囲に浮いていないことを確認)

メインスイッチの点検

  1. メインスイッチ、良し(ON になっていることを確認、なっていなければ ON にする)

船灯の点検

  1. 停泊灯と航海灯のスイッチを ON
  2. 全周灯、良し(光っていることを確認、手をかざすと分かりやすい)
  3. 左舷灯、良し(光っていることを確認、船を降りた方が確認しやすければ降りて確認)
  4. 右舷灯、良し

ホーンの確認

  1. ホーン、良し(鍵についている笛を確認して。小型船はこれで代用可)

燃料油量の点検

  1. (電源を ON、エンジンまでは始動しない)
  2. (燃料計を確認して)
  3. 燃料油量、良し

エンジン始動

  1. (エンジンルームへ移動)
  2. 燃料ポンプ、良し(ポンプを数回握って、硬いことを確認)
  3. (船外機のあるところに移動)
  4. チルトダウン、良し(船外機が降りていないとオーバーヒートするため、重要)
  5. (運転席へ移動)
  6. 中立、良し(リモコンレバーが中立でないと、エンジンがかからない)
  7. クリップ、良し(緊急停止用のクリップが嵌っているのを確認)
  8. エンジン、始動します。
  9. (キーを回して電源を ON、エンジンまでは始動しない)
  10. (少し待って、何らかの計器が異常を示さないことを確認)
  11. (キーをさらに回してエンジンを始動、かかる音がしたらすぐに戻す)
  12. (電圧計、冷却水温度計などが正常であることを確認)
  13. 計器類、良し
  14. (船尾側へ移動)
  15. 排水、排気、振動、音、臭い、良し(船外機に異常がないか確認)
  16. エンジン、始動しました。

暖機運転

  1. (クラッチを押して、リモコンレバーがフリーになることを確認)
  2. 1,500 回転で 5 分、暖機運転します。
  3. (リモコンレバーを倒して、回転数を 1,500 まで上げる)
  4. (リモコンレバーを中立に戻して)
  5. 5 分、暖機運転しました。

エンジン停止

  1. (リモコンレバーを中立に戻して)
  2. 5 分、冷気運転しました。
  3. (キーを OFF まで回して、エンジンの停止を確認)
  4. エンジンを停止しました。

実技教習で教わったこと(トラブルシューティング)

トラブル発生時の対処についても教わったので、それについてもメモしておきます。 基本的には、教習では具体的な修理までは踏み込まないで「どういう状況が起こったときには、どんな原因が疑われるか」 というところまでが問われる形になっていました。

スターターモーターが動かない(電気系統の異常)

スターターモーターは動いて、エンジンがかからない場合(燃料系統の異常)

4 日目、学科教習

最終日は「二級」の範囲に当たる「心得」と「運行」でした。 この日も 3 日目に引き続き、三冨先生が担当され、船の運転に関するそもそもの心構えから、 実際に船を運転するときに必要になる知識を学んでいきます。

学習量は多いものの、基礎的なところが中心なので、 実際を想像しやすくて学びやすい印象でした。 それでもやっぱりいろんなことを覚える必要があるため、 船舶免許の教習を受講するにあたっては「二級」の範囲を予習しておくと、学習がずいぶん楽になるかもしれない印象でした。

次回の実技日程を調整

お昼休みには事務の人と、中止になった実技教習の日程を行って、次の実技は 20 日ほど後の 7 月 27 日に 振り替えてもらうことになりました。このところの天候不良で けっこう先まで予定が埋まっているらしく、少し先の日程ですけれど、候補の中ではいちばん早い日取りでお願いしました。

免除科目について

ところでこの日の教習では、たしか最初の「心得」の科目を免除になっている人がいたようでした。 そういえばそのときに、どういうときに免除されたりするのだろうと思ったものでしたけど、 今になって調べてみると、どうやら「特殊」の免許を取得済みの人は「心得及び遵守事項」の 科目が免除になる様子でした。

学科審査

昼以降も学習は続いて無事に教習範囲が終わり、最後の学科審査になりました。 そして管理者の世良先生に交代されて 2 日目と同じように学科審査が始まりました。 今回は海図みたいな時間のかかる問題がなかったので、サクサクと解答が進んでずいぶん早く解き終わりました。 それでも周りと比べれば少し遅い感じみたいで、ちらほらと試験を終えて帰る人が既にいました。

今回はそこから解答の見直しも少しやってみてそれでも十分時間が余る印象でした、そんな感じで答案用紙を提出して試験を終了しました。 そうすると先生が嬉しそうな様子で受け取って、採点用のシートがあるのか何かを当てては「素晴らしい」とひとこと言ったような気がしたような、 自分に向けて言った言葉ではないのではっきりとはわからないのですけど、ともあれ手応えもそんな感じだったので、 今回のテストで不合格になる気はしませんでした。

合否の通知は前回と同様、翌日の 12 時までに連絡がなければ合格したと思って問題ないとのことでした。

実技の日程を再調整

そうして帰ろうと後片付けをしていたときに、お昼に話した事務の人に呼び止められました。 実技教習にキャンセルが出たらしく、近い日取りの 7 月 11 日の予定が空いたのだとか。 さっそくその日にお願いをして、ひとまず 4 日間の教習は閉幕となりました。

最初に問い合わせたときの丁寧な印象もそうでしたし、先生方や事務の人が楽しそうに接してくれたり、 こんなふうにしていろんなところで良い感じに気を配ってくれるのも、マリンライセンスロイヤルの嬉しいところに感じて、 こちらで教習を受けて良かったと思うひとときでした。

まとめ

教習の全体的な印象としては、常識でも判断できそうな初歩的なところは大事なところを端折ることなく駆け足で、 そして覚えないとどうにもならないところを重点的に、考えて解かないといけない難しいところはしっかり時間を割いて、 教習を進めてくれる感じがしました。 予習をしておくとずいぶん楽な印象で、予習をしないと学科審査が受かるかどうか自分は自信が持てないものの たしかに無理ではないかもしれない、そんな印象でした。

このような感じで、今回は実際に教習に臨んだ 4 日間のお話までを綴ってみました。 その他の教習所に通ってみて教わったことや、その後の操船体験などの感想は、順を追って記していきますね。